vol.4


鎌倉歐林洞でのサロンコンサートも第4回を迎えた。今回のテーマは「ジューンブライド」。ウエディングケーキも登場するというティータイムの前に、心地よいフォークソングを演奏してくださったのは「MONDAYZ(マンデイズ)」だ。ご存知の方も多いかと思う、ブレッド&バター(パナデリアにぴったりのネーミング!)の岩沢二弓さんとその娘さんのシーマさんのコンビである。

演奏はビートルズの曲から始まってブレッド&バターの曲やオリジナルなど全部で14曲。味のある岩沢さんのギターとセクシーな歌声、シーマさんのフレッシュながらもこれまたちょっとセクシーな乗りのいい歌声に、座りながら思わずステップを踏んでいるお客さんもいるほどだった。親子かつコンビを組んで4年という歳月が、世代も違う2人をうまく溶け合わせ、お菓子にたとえるなら濃厚なザッハトルテに真っ白いフレッシュクリームの好相性とでも言おうか。混ざり合って絶妙のハーモニーを会場に奏でてくださったのだった。

心地よい演奏が終わって待っているのは、これまた心地よいティータイムだ。
メインはもちろん、このサロンコンサートのために作られたウエディングケーキである。大きなショートケーキの台の上には、ドラジェの飾られたクロカンブッシュが乗せられている。「ウエディングケーキはニセモノじゃなくてちゃんと食べられるケーキ、しかも見るからに美味しそうなものがいい!」というシーマさんが将来の予行練習をかねてケーキカット。拍手が巻き起こった。大きなケーキは50個近くに切り分けられたが、見事に全てお客様の胃の中に。クロカンブッシュのシューにかけられたアメもバリッと美味しく、やわらか〜いクリームとベストマッチ。こんな美味しいケーキが結婚式で出たら感動してしまうだろう。

ウエディングケーキ以外のこの日のケーキは、上に乗せられたフレッシュなオレンジ、キウイ、チェリーの酸味が爽やかな「プチフルーツタルト」。
夏を感じさせるパッションをメインにと甘いショコラのムースも組あわさった「パッションのムース」。
カスタードとブルーベリーのサンドの上にさらにカスタードを乗せて焼いた、しっとりとした甘さの「ブルジョア」。「しっとりしたケーキが好き」という岩沢さんが一番気に入ったケーキがこれ。
対するシーマさんのお気に入りは、ガナッシュの中にキルシュ漬けのチェリーが入ってココアスポンジでサンドされた「キルシュトルテ」。「お菓子も食べられるというので楽しみにしてきました」というシーマさんだけあって、全てのケーキを召し上がって頂けた様子である。

シーマさんがお菓子を最初に作ったのは今から約10年前の小学校6年生のとき。友達と一緒に好きな男の子にあげようとミルクレープを焼いたそうだ。「言葉に出さなくても作って贈ることで相手に気持ちが通じる。これがお菓子の力。そして普段言葉で言えないようなキザなセリフも組み込んでしまえるのが音楽の力。会話じゃなくても気持ちが伝わるところが似ているなと思う」というシーマさん。
今回のテーマは「ジューンブライド」。6月の花嫁さんたちも、そうしたお菓子や音楽の力を借りて幸せをつかんだのかもしれない。そう考えるとお菓子も音楽も本当に偉大である。



ウェディングケーキ


クロカンブッシュ


プチフルーツタルト


ブルジョア


キルシュトルテ


パッションのムース