6月の鎌倉で、久々のサロンコンサートが行われました。

今回のアーティストは藤原いくろうさん。ピアノで奏でる音楽は癒し系。目を閉じると音と一体になるような感覚を与えてくれる、頭の先から足の先まで心地よい音楽である。9月に発売されるというアルバムの中の曲を先取りして聞かせてくれたり(なんと、"鉄腕アトム"のヒーリングバージョン!)、ゲストとして参加してくださった須藤薫さんが藤原さんのピアノに合わせて美声を披露したりと、そのどれもが会場となった歐林洞の優雅な空間にもぴったりだった。


紫陽花 水紫陽花 月


さて、グランドピアノの左右に紫陽花の大きな絵が飾ってあったのだが、これがまた藤原さんの曲同様透明感のある美しい絵で、それもそのはず、鎌倉在住の画家、小山悦子さんが、藤原さんの曲を聞いてイメージした紫陽花を描いたとのこと。"水"というアルバムを聞いて描いた紫陽花と、"月"というアルバムを聞いて描いた夜の紫陽花。今回のサロンコンサートは、「音で耳を、お菓子で口を」といういつもの趣旨に加え、「絵で目を」というお楽しみまでついた贅沢な構成だったのである。
あっという間に約1時間半の演奏が終わると、場所をティーサロンに移してのケーキタイムだ。今年から歐林洞のお菓子をプロデュースしている『パティスリータダシヤナギ』の柳シェフが作ったケーキ3種類が振る舞われる。



パレダマンドココウェディングケーキ


まず一つは"パレダマンド"。クープドモンドで優勝したときのお菓子をアレンジしたもので、アーモンドプードルたっぷりの生地を焼きっぱなしたもの。しかし、しっとりとした舌ざわりは、生菓子といってもいいような味わいである。 もうひとつは"ココ"。ココナッツと生クリーム、そして甘すぎも苦すぎもしないキャラメルムースとスポンジをカップの中に重ねあわせた、口にいれたとたん儚く消えるみごとに調和のとれたお菓子だ。

3つめは、6月ということでウエディングケーキである。イチゴやブルーベリーを散らした大きなショートケーキには、8月に挙式を予定しているカップルが入刀をしてくれた。
なごやかなこの席では「お疲れさま」と藤原さんと須藤さんがワイングラスを合わせ、ケーキを頬張っている場面も。藤原さんをつかまえてお話を聞いてみると「甘いものは大好きなんです。特に"パレダマンド"のしっとりした甘さは気に入りました。歐林洞にははじめてきましたが、建物の雰囲気が自分の曲に合っていたと、来ていただいた方何人にもに言っていただきましたし、僕もそう思います。小山さんの絵には本当に感激してしまいました」と笑顔。こうして、お客様も演奏者も大満足のサロンコンサートは7時に終了。6月の鎌倉の空はまだ明るくて、駅までの少し長い道のりも音楽とお菓子の余韻を楽しみながらのいいお散歩道である。
パナデリアも久々の鎌倉で美味しい時を過ごすことができ大満足のコンサートになりました。