Gerard Mulot
「ジェラール・ミュロ」

76 rue de Seine 75006 Paris
tel: 01.43.26.85.77




Feuille d'Automne「フォイユ・ドトム」 
1人分6.10euros(画像は4人分)

横浜や東京、福岡に店舗を構え、日本でもおなじみの「ジェラール・ミュロ」。ジェラールでもなくミュロ氏でもなく、ムッシュー・ミュロでもない。"ミュロさん "という呼び名がなんともよくお似合いの、優しいおじさんといった風情の実力派パティシエ。お菓子類はもちろんのこと、パンやお惣菜のラインナップも豊富な店は、連日、押すな押すなの賑わいをみせる超人気ぶりです。普段でも混雑する店が、一年で一番込み合うのがクリスマスの時期。特に24日ともなると、果てしなく長い列が店の外へとあふれ出て、ビュッシュ・ドゥ・ノエルをゲットするのに30分待ちは当たり前、といった状況。
それほどまでの絶大な人気を誇るミュロさんのビュッシュたちは種類豊富。オリジナルチョコレート系5種類、オリジナルフルーツ系4種類、クラシック系4種類、それにアイスクリーム・ビュッシュが6種類も加わりなんともにぎやかな顔ぶれです。

可愛らしくて美味しそうなビッシュたちの中から、今回選んでみたのは「フォイユ・ドトム」。直訳すると"秋の葉っぱ"。秋深くなる季節に、パリのプラタナスやマロニエたちは、いっせいに黄金色に色づいた大振りな葉っぱを散らし、路を覆いつくします。そんな葉っぱをモチーフにした薄いチョコレートで全体を包んだ個性的な顔をしたビュッシュです。

軽くひだをよせた薄いチョコレートは、パリンとしているように見えながら、実はしっとりと柔らか仕立て。舌で押すとしっとりと溶けていく感覚がたまりません。まずはこの絶妙な舌触りをじっくり味わいましょう。このビュッシュの特徴は、その名の通りひとえにこの部分にあるのだなあ、としみじみ感じてしまいます。

葉っぱの下に隠れているのは、ブラックチョコレートのムースで軽いマカロンを閉じ込めたもの。マカロンというよりメレンゲに近い感触のさっくり軽いマカロンと、こちらも軽さにかけては負けていないチョコレートムースのふんわりハーモニー。ブラックチョコレートのムース部分は、香りはすばらしいチョコレートのそれに間違いないのに、あきれるほど軽い仕上げになっていて、かなり大きなポーションもペロリと平らげられること間違いなし。繊細さとフレッシュ感が命なので、買った当日に食べきるべし。夕方購入して夜に食べたときの感動は、翌日の朝ゴハン代わりに食べたときには決してもう味わうことが出来ませんでした。お菓子は買った当日に食べきってしまう、というフランスの習慣にマッチしたビュッシュです。

優しくフェミニンな感じミュロさんにぴったりイメージが重なる傑作。ぜひぜひお試しあれ!