「甘さ控えめのケーキ」なんて言葉にはあまり惹かれない私。
だからフランスのがっちり甘いケーキが大好き!
甘いものに関しては「いくら甘くてもへっちゃら!
それどころか甘ければ甘いほど幸せ!」な私です。
そんな私が出会った、本場パリのお菓子たちを紹介します。
(前回の「パリのパン屋さん」編はこちら






まず、滞在中に1番よく通った大好きなパティスリー、Arnaud Larher(53,rue Caulaincourt 75018 Paris)
日本のサロン・ド・ショコラにも出店していたのでご存知の方も多いはず。白亜のサクレクール寺院がそびえ立つ18区のモンマルトルに構えるお店は、オレンジ色の暖かみのある綺麗な外観。
そして、なんとここには親切な日本人の店員さんがいて、いつもの如く迷う私に一つ一つ丁寧に説明をしてくれるのです。ケーキの中で1番人気だというシュープリーム。

(シュープリーム)

中には一気に4個も5個も買っていくお客さんもいるとか。私も何度目かの来店で、やっとのことで口にすることができました。チョコレート好きにはたまらない、チョコレートを満喫できるケーキ。でも決して重くはありません。そして、店員さんおすすめのパラディス。


(パラディス)

ごま入りサブレブルトンの上には、フランボワーズのジュレ(ビネガーフランボワーズ入りだそう)が入ったパンナコッタ。このサブレブルトン、ちょっと噛むとはかなくほろほろと口の中で崩れるのです。この食感はすごい!!

グラスデザートもありました。甘酸っぱい苺のピューレとまろやかなクレームフォンダンのバランスが絶妙のVerrunes Fraucheur。


クレームフォンダンからは、パティシエの間でブームだというコクリコ(ひなげしの花)の香りがふわっと広がります。

また、2004年のサロン・ド・ショコラのガナッシュ部門で第1位に輝いたというだけあって、ショコラトリーとしても期待を裏切りません。




それにヴィエノワズリーもとても美味しい! どれをとっても外れのないお店です。




パリに行く前から期待していたお店の一つ、SECCO(20,rue Jean Nicot 75007 Paris)
パン屋さん編でご紹介したプージョランの新しい経営者ステファン・セッコさんが2004年に開いたお店です。場所はプージョランのすぐ隣。店員さんが行き来できるように中で繋がっています。パリには珍しくチーズケーキもあり、ふわっと軽い口どけとタルトのサクサク感が他にはない感じ。タルト・フィンヌ・オ・ポムは薄いパイ生地にシャキッと甘酸っぱいリンゴの薄切りがぎっしり。


ケーキは全体的に甘さ控えめです。大きさ、見た目、味ともに日本人好みだろうな、という印象を受けました。“ブーランジェリーの菓子”を目指しているということで、価格も抑えられているのがうれしいです。





そして、既に日本でも超有名&大人気のショコラトリーですが、敢えてケーキ屋さん編でご紹介。こちらも絶対に食べようと決めていたJean-Paul Hevin(23 bis,av.La Motte-Picquet 75007 Paris)の週末限定スイーツ。
パリのお店を総括しているというモト・ピケ通りのお店に向かうと、抱いていたシックなイメージを裏切るかのようなポップな花が描かれたウインドーが目に飛び込んできました。

季節は春。その遊び心に、何だかうれしい発見をしたような気分に。お目当てだったモンブラン、エクレア(ショコラ)、ミルフィーユ(バニーユ、ショコラ)は、クリームたっぷりでボリュームもあり、味もしっかり濃厚。

そうそう!これこそ私がパリに求めていたケーキのあり方。(あとはもう少し値段が安いといいのだけれど…)とても満たされた気分になれますよ。私は食べなかったのですが、パリでは見かけないシュークリームも週末限定スイーツとして並んでいました。




そして、次も本当はパン屋さんとして紹介すべきなのでしょうが…。パリでも美味しいと評判のブーランジュリー、PAIN D'EPIS(63,av.Bosquet 75007 Paris)
行列が絶えることはありません。

しかし、私がパリで食べたスイーツの中で1番感動したと言っても過言ではないのが、ここのフォンダン・オ・ショコラ。見た目はごくシンプルで、がっしりしたガトーショコラを想像していたのですが、食べてみてびっくり!まわりの薄い膜はサクッ、中はメレンゲのように軽くトロリとろけるのです。

温めなくてもこの状態なのがすごい!!ガトーショコラなんかではなく、紛れもない絶品フォンダン・オ・ショコラです。パンも美味しいですが、フォンダン・オ・ショコラのために訪れる価値ありのお店です。


ちなみに、パンを買うとこんなかわいい包装紙に包んで渡してくれます。




パリの“がっちりケーキ”が食べたいとは言うものの、たまには日本の繊細で綺麗なケーキだって食べたくなってしまいます。パリで知り合った日本人の料理人の方が言っていました、「日本人が作ったケーキとフランス人が作ったケーキは一目瞭然」だと。それはパリ郊外に行けばいくほど顕著に現れます。同じケーキでも明らかにカットの大きさが違うなんて当たり前。そんなフランスで私が向かったのは、LA PETITE ROSE (11 bd.de Courcelles 75008 Paris)
日本人パティシエールが開いたお店は、店員さんもみな日本人です。
しかし、カフェスペースにいるお客さんはフランス人も多く、夕方にはもうほとんどケーキが残っていないほど。数少ない中から私が選んだのは、チョコレートのケーキ。中のムースはくどくなく優しい甘さ。

ボンボンショコラやヌガーも豊富に揃っていて、見た目も綺麗。女性らしいかわいらしさが表れています。




最後に、ぜひお土産を買いに訪れたいのが、Fouquet(22,rue Francois 1er 75008 Paris)
高級ブランド店が軒を連ねる通りの一画にお店を構えるコンフィズリー&ショコラトリーです。ショコラにドラジェ、フリュイ・コンフィ、コンフィチュールなどがお店に並びます。ここで私の目に止まったのは、大きな瓶に入った何種類かのボンボン。ストロベリーやオレンジ、バイオレットなどの色鮮やかなものから、クルミやキャラメルが入った大粒のものまで様々。

まわりはべっこう飴のような懐かしい味わいで、中のクルミは香ばしい。キャラメルにおいてはトロ〜ンと柔らかくとろけます。この嫌味のない優しい味わいは、スーパーなんかで売られている人工的な味のものとは全然違います。口寂しい時にポイと放り込むおやつにするにはもったいない、でもそんな風に手軽なおやつにしてみたいボンボンです。また、ボンボンを入れてくれるリスのキャラクターがプリントされた袋がかわいいのです。しかもリボンをかけてくれるのがうれしい。見た目もかわいく味も良い、ぜひお土産にオススメしたいお菓子です。




さて、パリといえばショコラの宝庫。というわけで次回はショコラ編です。