今年4月〜7月上旬まで、フランス語の勉強をするため、パリに短期留学に行ってきました。とは言っても、勉強漬けの毎日というわけではなく、本場フランスのお菓子やパンを食べ歩くのが裏の目的☆
噂にはよく聞くけれど、パリには本当にパン屋さんが多い!少し歩くだけでも、数軒のパン屋さんを見つけてしまう…それがパリなのです。そして、「不味い…」なんていう外れには滅多に出会うことがない気がします。「パリ中のパン屋さんを食べつくすぞー!」なんて意気込んではいたものの、3ヶ月という期間をもってしても、とても無謀な野望にと終わってしまいました(苦笑)そんな限られた期間の中ではありますが、いくつかのパン屋さんを食べ歩いた結果、特にお気に入りのお店を紹介したいと思います。




まず、日本でもお馴染みの2店。

(メゾン・カイザー:本店:8, rue Monge 75005 Paris)


日本にも進出しているメゾン・カイザー、もちろんパリにも数店舗あります。

あまりにも有名なこのお店。通っていた語学学校の先生によれば「フランス人はみんなここのパンが好き。」だそう。
バゲット(バゲット・モンジュ)は、外はパリッパリ&中はふんわり。やっぱり文句なく美味しい!!理想的なバゲットです。

(バゲット・モンジュ)



そして、今まで食べた中で一番チョコチップの量が多く、生地のパサつきも感じられなかったヴィエノワ・ショコラ。ラム酒使いが絶妙&“しっとり”というより“もっちり”食感のクロワッサン・オ・ザマンド。

      
(ヴィエノワ・ショコラ/クロワッサン・オ・ザマンド)


そして、たまにしかお店に並ばないという、幻の(?)ヴィエノワ・ショコラ・ブラン。
ホワイトチョコレートというと少しくどい甘さを想像してしまいますが、これは普通のヴィエノワ・ショコラよりも優しい甘さです。

(ヴィエノワ・ショコラ・ブラン)



さすがカイザー氏!全てのパンにおいてレベルが高いです。






(サダハル・アオキ パリ2号店:56,Boulvard Port Royal 75005)


ヴィエノワズリーを扱っているのは、ポール・ロイヤルのこのパリ2号店のみ。
種類は多くないものの、クロワッサンや抹茶を使ったおいしそうなパンが、ショーケースの端っこに控えめに並んでいました。パン・オ・レザンの抹茶&小豆版のような渦巻きパン。そして、パイ生地がさくっと軽いアップルパイ。
      
(パン・オ・レザン/アップルパイ)


パリを訪れた際には、ぜひ2号店へ!




そして、パン好きの方なら、一度は耳にしたことがあると思われる、こちらの2店。


(ポワラーヌ:8,rue du Cherche-Midi Paris)


パン・ド・カンパーニュが有名なポワラーヌではありますが、りんごを使ったタルトレット・オ・ポムとショーソン・オ・ポムが絶品!!一見似ているようで、パン生地もフィリングも全く違った味わいの双方。

      
(タルトレット・オ・ポム/ショーソン・オ・ポム)



(プージョラン:20,rue Jean Nicot 75007 Paris)


同じく、ショーソン・オ・ポムのおいしさに感激したプージョランですが、タルト・オ・ポムを食べるとそれ以上の衝撃を受けてしまいます。しっかりとキャラメリゼされたつややかなりんごからも、おいしさが伝わってくるのです。まさにホール買いしたい勢い!!また、大きなマカロンも大のお気に入りです!

      
(タルト・オ・ポム/マカロン)


ちなみに、現在のプージョランは以前とは経営者が変わり、隣にできたPATISSERIE SECCOと同系列です。店内は中で繋がっており、ファサードにも「SECCO successeur(後継者、後任者の意)」と書かれています。PATISSERIE SECCOのオーナーパティシエであるステファン・セッコさんが、プージョランで働いている姿をたまに見かけることもできます。




次に、パリで出版されているパンのガイドブック「PALMARES 2005 BOULANGERIES DE PARIS」でも、最高値の3つ星を獲得している2店。


(グルニエ・ア・パン:38,rue des Abbesses 75018 Paris)


ここはいつ行ってもバゲットが焼きたてで、手渡されると“ほわ〜ん”と温かい!そんなバゲットに早速かぶりつくと…「やっぱり焼きたては最高〜!」と再確認する至福のひとときなのです。


(バゲット)


ヴィエノワズリーも人気のようで、夕方お店に行くとほとんど売り切れ、なんていう悲しいことも度々。フィナンシェは、焦がしバターの風味がふんわり広がる優しい味わい。


(フィナンシェ)


パン屋さんの焼き菓子やケーキって、大きいわりにお手頃価格なのもうれしい!



(ローラン・デュシェーヌ:2,rue Wurtz 75013 Paris)


パリにはこのような形態のお店は多いのですが、ここもブーランジュリー兼パティスリーです。ボンボンショコラも置いているところから、お菓子にも力を入れているのが分かります。ちょうど私が訪れた時には、日本人パティシエールの方がスタージュしていました。
クロワッサン・オ・ザマンドは、バターの風味といい、クッキーのような味わい。有塩バターを使用しているのでしょうか?クロワッサン生地は塩が効いています。


(クロワッサン・オ・ザマンド)


パリの中心からは少し離れていますが、地元の人が次から次へとやってくる、人気のお店です。





「このパンならぜひここ!」というパン屋さん。


(ル・パン・オ・ナチュレル:7,rue Bourdaloue 75009 Paris)


パリにおけるオーガニックパンの先駆的存在であるこのお店。市内に数軒あるけれど、どの店舗も乙女心をくすぐるとてもかわいいお洒落な外観☆ ここでのおすすめは、敢えてショーソン・オ・ポム。中には甘さ控えめのトロ〜っとしたりんごのフィリングがたっぷり入ってます。食べるときにこぼれちゃいそうなほど。



(ショーソン・オ・ポム)


(ブーランジェリー・ヴェルニュ:48,rue Madame 75006 Paris)


パリ在住の日本人で、パン好きの友人から「クロワッサンならここ!」と教えてもらったお店です。一口食べてみてびっくり!さっくりと軽い口当たりなのに、バターの風味がしっかりと感じられるリッチな味。端っこはカリッ&サクサクとしてちょっとした焼き菓子のよう。こんなおいしいお菓子があったら、パクパク…きっと手が止まりません。一つでお腹は満足する大きさですが、このクロワッサンなら二つ、三つと食べられそうなほど。ただし、カロリーは度外視ですが(笑)



(クロワッサン)


(サン・プリュー:詳しい住所は不明)


場所はモンマルトル。映画「アメリ」で有名なカフェ、ドゥー・ムーランの隣にあります。ショーウインドー越しに見たヴィエノワーズ・オ・ショコラ、見るからにチョコチップがたっぷりで、吸い寄せられるように店内へ…。以前、周りにしかチョコチップがかかっていないパンに騙されたことがあったのですが、ここのは違います!中にもちゃんとチョコチップがたくさん練り込まれています。



(ヴィエノワーズ・オ・ショコラ)




最後に、パリ市内からは少し外れるのですが、滞在先の近くにあったおいしいパン屋さん。


(オー・ルーニル・ダンタン:メトロ3番線Louise Michel より徒歩約5分)


このお店のスペシャリテはフルート・ガナ。おすすめだけあって、本当においしいんです。まわりはカリッと、中はもっちり。何も付けずに、そのままかじるだけでも十分おいしい!いえ、敢えて何も付けずに、パンそのものの味をしっかり楽しんでもらいたいです。



(フルート・ガナ)


ヴィエノワ・ショコラは、細いけれど、その長さに思わず購入。水分が少なく固いのですが、素朴な味わい。



(ヴィエノワ・ショコラ)


そして、隣のショーケースにこんなにかわいいケーキを発見!まわりはマジパン、中はチョコレートのガナッシュに砕いたスポンジを混ぜ込んだようなものが詰まっていました。



味はおいしいとは言い難いですが、こんな楽しい買い物もたまにはいいですよね。






まだまだたくさんある、パリのおいしいパン屋さん。
フランス人は、毎日のことだから、近所に行きつけのお店があるそうです。
でも、こんなにたくさんパン屋さんがあるのだから、いろいろ試さないのはもったいない!その中から、自分にとってお気に入りの1店が見つかればうれしいですよね。
帰国後、パリのバゲットが恋しい日々ですが、日本で最高のバゲットを探そう!と決意した私なのでした。