こんな機会はめったにない! なんといっても、11店のチョコレートを一度に食べられるのだから! おそらくはそんな風に思った面々が、1月26日夕刻、「テオブロマ」に集合した。今回の企画は、パナデリア初の「目隠しランキング」。一体どんなことが行われたかを、まずは簡単に説明したい。 事前にパナデリアスタッフが試食を重ねて選び出した11店のチョコレートがある。小さめにカットされたそのチョコレートは、1から11までナンバリングされた箱に入れられ、試食がなされる。店名を知らされぬままの、いわば「目隠し」試食。食べた人は11個それぞれ、「香り」「舌ざわり」「味」「デザイン」の項目について、5段階の評価を下さねばならない。それを集計して、パナデリア独自のランキングを作成してしまおう、という企画である。 この試食に参加し、採点したのは14人。チョコレートのプロ、「テオブロマ」のオーナーシェフ土屋氏や、雪印の製菓長渋井氏、お菓子屋さんを目指す人、筋金入りのチョコレート好きなど、なかなかに舌の肥えたメンバーが揃い、試食しながら飛ぶ言葉も、時に厳しい。味だけでなく、製法までにコメントがなされることもしばしばである。 しかし、そこまで突っ込んだ話はできない素人でも、これだけ並べてチョコレートを口にすると、味や口溶けが、店によってこんなに違うものかと驚かされるのも、また事実。チョコレートの顔だってさまざまである。派手顔、地味顔、お化粧美人に素肌美人……。原材料としてのチョコレートの種類は数多いが、そのブレンドの仕方、扱い方や、作り手のセンスなどで出る違いに、評価の筆も進む。 体が熱くなるほどチョコレートを食べ尽くした数十分。堂々の一位は、上品で洗練されたデザイン、香り、外と中との一体感ある口溶けもみごとと評された、「ル・ショワ」のものであった。フランスのバローナのチョコレートをメインに使い、プロの土屋氏も賞賛する店である。 結果に一言加えるならば、言うまでもなく、味覚は人それぞれであるということ。良い悪いというものではない。しかし、多くの人が美味しいと判断を下したものには、やはりそれなりの説得力がある。バレンタイン、バレンタインと包装やブランドに吸い寄せてられてしまいがちなイベントが終わったこの時期、改めてこの魅惑の宝石をゆっくり味わってみては。自分の好きな味を知る早道として、ランキング結果を是非活用してもらえれば、パナデリアとしてはこんなに嬉しい事はないのです。 |
ル・ショワ 東京都中央区銀座4-5-4 03−3562−5010 |
オーフェルクリン 愛知県名古屋市天白区植田本町1-1311 052−806−8090 |
オテル・ドゥ・ヴィル 東京都国立市東2-25-24 042−575−7797 |
サロン・ド・ショコラ 東京都港区北青山2-3-1 シーアイプラザ1F 03−3405−6603 |
テオブロマ 東京都渋谷区富ヶ谷1-14-9 グリーンコア渋谷L1F 03−5790−2181 |
ヴィタメール 大阪市北区梅田1-13-13 阪神百貨店B1F 06−6348−8028 |
ミッシェル・ショーダン 東京都中央区銀座6-10-1 銀座松坂屋B1F 03−3572−1111 |
ラ・フォンティーヌ・オ・ショコラ 東京都目黒区自由が丘2-10-7 03−3723−3611 |
ラ・メゾン・ド・ショコラ 東京都港区北青山3-6-1 ハナエモリビル1F 03−3499−2168 |
リシャール 東京都中央区銀座7-7-12 03−5537−3088 |
レオニダス 東京都町田市原町田5-5-6 042−724−8410 |