会報10周年記念号の発行を無事終えたかと思ったら、すぐさまやってきた表参道オフィスの引越し騒動。今となっては、よくぞ乗り切った!と自画自賛したくなる、嵐のような年末でした。そんなバッタバタの状況でも、一大イベントであるクリスマスは絶対はずせない。はずすもんか!・・・と半分自棄で(?)、毎年恒例のクリスマスパーティーを行いました。引越し作業で荒れ放題の事務所もその日ばかりは、見ないフリ。現実逃避が、パーティーへの情熱にさらなる火をつけ・・・。てんやわんやの2007年を締めくくる、パナデリア的クリスマスパーティーの様子をお届けします!


ダイニングの壁に飾られた絵は、大好きなワインをモチーフにしたという、浅妻さんの作品。華やかな色彩と、柔らかなタッチがとても素敵



パーティーは、ライターの浅妻千映子さんのお宅にて。ダイニングの中央には、夢のアイランドキッチン。こちらを舞台に、今年も主宰三宅が腕を振るいます。スタッフ達もバリバリお手伝い・・・と、いきたいところですが、実際はずらりと並べられた豪華な食材に狂喜乱舞。フライパンにしたたる肉汁に垂涎、香り立つ湯気にうっとり・・・。パナデリアの2007年食べ納め。さてさて、どんなご馳走が飛び出すのでしょう?


今宵のシェフはコックコート姿の主宰三宅。厨房での真剣な表情は職人そのもの!

おいしい料理のためなら腕まくり!シェフ三宅の片腕のつもりが・・・逆効果?



〜Amuse トマトのジュレ〜
アミューズは、トマトから抽出したエキスを使った透明なジュレに、レモングラスで風味を付けたミルクをあしらって。トロンと柔らかななジュレは、すっきりとしたトマトの酸味と香りがさわやかに口の中を駆け抜けます。



〜Potage 12種の野菜とコンソメ牛肉のシャブ〜
目にも鮮やかな12種の野菜。それらの旨みが一同に介したコンソメスープで、黒毛和牛をシャブシャブ・・・ではなく、ほとんど色が変わらない程に一瞬だけ火を通す“シャブ”で。とろけるような肉の甘みをコンソメと一緒に味わいます。うーん、幸せ!

「マインベッカー」の宮崎シェフから送っていただいたドイツパン。あっさりしたスープにぴったりで思わず次々と手が伸びてしまいます。まだまだ料理はこれからなのに・・・。



〜Poisson 平目と鯛のカルパッチョ うにのクリームソース〜
平目は昆布でしめ、ギュッと閉じ込められた旨みがなんとも上品。コリッとした食感と甘みがおいしい鯛とともに。魚の甘みを引き立てるのは、まろやかなうにのクリームソース。たっぷりの野菜と一緒に頂きます。



〜Pasta 二十穀米のリゾット濃厚白味噌仕立て〜
「おいしいー!!」全員が思わず叫んでしまったこの一皿。二十穀米のひと粒ひと粒に、白味噌の深いコクと、とろりとした甘みが絡みます。ポイントはオリーブオイルと柚子。この、ほんの少しの利かせ技が濃厚な後口を爽やかにまとめ上げます。ああ、いまでも思い出すだけで、よだれが・・・。



〜Viande 鴨ロースト マルサラとフルーツの甘いソース ドライフルーツを添えて〜
築地の鶏専門店で仕入れた生の鴨肉。プリッとはじけそうな肉は鮮やかな紅色。火を通す程に、美しい黄金色の肉汁が。脂の香りがこんなにも甘いとは、画面で伝えられないのが実に残念。マルサラ酒とイチジクやクコ、アプリコットを煮立てた、妖艶な味わいの甘いソースと共に。赤ワインがぐいぐい進み、このあたりからスタッフの一部に変化が・・・!?



〜Chomolungma〜
メニューの中盤に書かれた、「Chomolungma」の文字・・・??冷蔵庫から取り出されたマグロを見てピンと来たスタッフ一同。
「チョモランマだ!」
某有名寿司店の、言わずと知れた看板メニュー。マグロをチョモランマに見立て、贅沢に山盛りにした巻き寿司。築地から仕入れ、熟成させた赤身のルビー色はしばし心を奪われるほど。ずらりと長皿に並べられた赤身、中トロ、そして大トロを各自手巻きで供します。お代わり続出の無礼講状態に、もう笑いが止まりません。


あるときはフレンチ職人、そしてある時は・・・

チョモランマ片手にショート寸前。もう誰にも止められません



〜Dessert〜

「はぁ〜、幸せ。おなかいっぱい〜」なんて軟弱なことは言っていられない。さてさて、これからがパナデリアの本領発揮!鴨やらマグロやらで満員御礼の胃袋を、ガガガ・・・とモーセの十戒の如く開いて、いよいよデザートタイムに突入。

フレンチレストラン「レ・クレアシオン・ド・ナリサワ」でオーダーしたスペシャルケーキ。その大きさは約35cm四方。箱も入れるとなんと5kg近くもあるビッグサイズ!ヴァニラとコクのある生クリーム、卵の優しい味わいが口いっぱいに広がります。味わいも、ビジュアルも、まさに夢のようなケーキ。天面のホワイトチョコレートにはフランスのクリスマスソングが描かれています。




そして、2007年を振り返ったとき、語るにはずせない2店「ラ・ヴィエイユ・フランス」と「ラ・レーヌ」のクリスマスケーキを。

「ラ・ヴィエイユ・フランス」のフレジエ。濃厚なバタークリームの味わいと、甘酸っぱい苺のコントラストが絶妙

「ラ・レーヌ」のタルト・オ・フレーズ。ザックリと焼きあげたタルト生地がおいしい!

シェフ三宅のコースを締めくくる、手作りデザートは、「リンゴのコンポートグラスヴァニーユ仕立て」。香り豊かな紅玉のコンポートにすっきりとしたミルクのジェラートが、優しく喉を通り過ぎます。

パナデリア一押しの藤野弘美さんオリジナルの、「OMI」特製の焼き菓子や、「シニフィアンシニフィエ」のシュトーレンにパネトーネ、「マインベッカー」のシュトーレン、「パナデリアシエスタ」のシュトーレンなどなど・・・テーブルの上は収まりきらないほどのケーキや焼き菓子が勢ぞろいしました。



「やばいっ!もうこんな時間だ!!」

12時の鐘の音を聞いたシンデレラ・・・(にしては、お腹が膨らみすぎですが)無常にも時は進み、終電の時間が近づいてきました。でも、そんなの関係なーい!最後の一秒まで、楽しまなくっちゃ。「きよしこの夜」を歌いながら、プレゼント交換で会をしめくくりました。

心も胃袋も、120%の幸せ一杯。やっぱり最後はたくさんのスイーツで幕を閉じた2007年のクリスマスパーティー。一年間に出会えたたくさんのパンやケーキ、そしてそれを支える職人さんや、愛好家のパワーに改めて感謝して・・・。2008年も、たくさんのおいしいものに出会えますように!!