ストラスブールからコルマール方面に南下したGertwiller(ゲルトヴィラー)という小さな街に突如現れるかわいらしい家。ここはアルザスのお菓子を中心にした小さなかわいいお菓子屋さん「La Maison du pain d' épices」です。 淡いグリーンにサブレやパン・デピスのお菓子たち、そして子供と魔女が描かれていて、まるで物語の中に出てくるお菓子の家そのものです。 |
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La Maison du pain d épices 外観 | まさにお菓子の家といった可愛らしいデザイン |
ここには様々なパン・デピスがずらりと並びます。大きくてどっしりとしたものから、丸くて小さいディジョンでよく見かけるようなもの、ハート型のものまで。一つのお菓子にこれだけの種類があるとは、アルザスではパン・デピスはお決まりのお菓子ですね。 |
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パン・デピスやサブレはお土産にもぴったり | ![]() |
その他にも、チョコレート菓子やサブレ、ハガキやコウノトリの人形など、アルザスらしいお土産ものが盛りだくさん。 ただ、今回紹介するのはお土産屋さんではなく、実はその裏にあるLe museé du pain d' épices(パン・デピス博物館)です。 |
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ミュゼはお店の裏手にあります | 入り口の上には謎の動物がプレッツェルを加えてお出迎え |
水色の壁に、アルザスらしい気骨組の造りをした建物には、オーナーが趣味で集めたというお菓子の型や器などがコレクションされていると聞いていました。 中に入るまではどんなところか全くわからなかったのですが、入ってみると驚きの連続。 |
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アンティークショップのような趣ある家具 |
館内には、ここは骨董屋さん?と思えるほど、たくさんの家具、照明、イラストの展示が細長い通路の両脇にずらっと展示されています。そのどれもが時間を経て良い感じに古びてきています。自分がお菓子屋さんをするならこういう家具が欲しいな、と思ってしまうような素敵な家具ばかりです。 |
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パン・デピスの試食もできます |
ここで見つけたのがショップで販売されているパン・デピスの試食。すこし乾いたカサっとした食感で、複雑なスパイスの香りが広がりますが、意外にスパイスの味はきつくなく食べやすかったです。 |
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昔の生活を思い起こさせる キッチン用品があちこちに |
このミュゼには、通路からはじまりとにかく驚くほどたくさんのものが展示されています。 アルザスの生活に根付いた昔ながらの陶器や鍋、ポットなどのキッチン用品などが食器棚だけではなく、壁や床に所狭しと展示されています。そのどれもが特別なものではなく、日常的に使われてきたようなものばかりです。 |
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大きなサン・ニコラのクッキー型 |
これはクッキー型のコレクション。ハートや花のモチーフの中で大きく目立っているのがSaint Nicolas (サン・ニコラ)の型。 サン・ニコラは子供の守護聖人です。12/6はサン・ニコラの日で、この日はアルザスでマナラと呼ばれるパンが登場したり、サン・ニコラの形をしたチョコレートをみかけたり。とアルザスでも馴染みのある聖人です。 |
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大陶器製のクグロフ型 |
そしてアルザスといえば陶器ですね。この陶器の型のコレクションが凄まじいくらいの数なのです!まずはクグロフ。アルザスの代表的な発酵菓子ですが、基本的に陶器の型でやきます。そのクグロフ型が数えきれないくらい並ぶ光景は圧巻! それぞれ微妙に形も違います。一度にこれほど多くのクグロフ型を見たのははじめてです。 |
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アニョー・パスカルや陶器のポットなど | 初めて見る様々な種類の陶器の型 |
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魚の型も豊富に揃っています |
陶器の型はクグロフ以外にも様々あります。 復活祭の時期に食べる羊型のアニョー・パスカル、うさぎ型のラパン・パスカル、そして鱗の一枚一枚まで模様がリアルな魚の型もいろんなサイズや形があって興味深いところ。 |
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うさぎのモチーフはチョコ型の定番 | 数えきれないほどのたくさんのチョコレート型 |
そしてこちらはうさぎをモチーフにしたチョコレートの型。うさぎは多産ということで主に復活祭で使われるものだと思います。 うさぎが動物としてという普通のデザインもありますが、物語にでてきそうな洋服をきたうさぎや自転車に乗ったうさぎなんていうのもあって、ひとつひとつ見ていると、それぞれユニークで楽しいものばかりです。 それからふと目をひいたのがこの木型。 説明によるとパン・デピスの型のようです。 パン・デピスというとパウンドケーキのように大きな型でどっしり焼いたものが定番ですが、すこし固めの生地でクッキーのように薄く伸ばして焼くタイプのものもあります。 |
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古いパン・デピス用の木型 |
この型は多分後者のタイプの生地に使うものだと思いますが、マトリョーシカに似たユニークな木型に目を奪われました。おそらくとても古い型だとおもいますが状態がよく、細かい模様までしっかりと見えます。
Le museé du pain d' épicesにはここでは紹介しきれないくらいの、お菓子の型やキッチン用品、家具がおさめられており、一体どこからどうやって集めたのか?と聞きたくなるくらいの濃厚なコレクションの数々です。 普段はなかなかお目にかかれないような陶器やチョコレートの型が多いので、お菓子を作るのが好きな方にやパティシエの方はきっと興味深いところだと思います。 |
Le museé du pain d'épices |
http://www.paindepices-lips.com/ |
110, place de la Mairie 67140 GERTWILLER |