アルザスはフルーツが豊富な土地のため、各地に蒸留所があります。 お菓子そのものだけではなくお菓子に使う素材を知りたいという気持ちが元々強いため、初めてアルザスを訪れた2009年に蒸留所の見学に行きました。 |
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ルゴル社外観 |
訪れたのはDistillerie A.LEGOLL(蒸留所 ルゴル社)。 アルザスをはじめとするフルーツを使用したスピリッツ(蒸留酒)やリキュール(混成酒)を製造・販売していて、日本にも数種類輸入されています。 私はキルシュ(さくらんぼの蒸留酒)を愛用していたので、自分が使ったことのある素材のルーツを知れるということもあり、行く前からわくわくしていました。 ルゴル社があるのは、ストラスブールから南下し、観光地で有名なリクヴィルの手前にあるChâtenois (シャトノワ)というのどかで小さな町です。 |
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蒸留酒の作り方を説明するルゴルさん |
私達を出迎えてくれたのはルゴルさん。 スピリッツ(蒸留酒)ができるまでの工程を説明して下さいました。 命の水 (eaux de vie オー・ド・ヴィー)と呼ばれる蒸留酒は、大量のフルーツからほんのわずかしかできない、自然の恵みを凝縮したものです。 そのものを飲むにはアルコール度数が高すぎますが、お菓子に少量加えることで、フルーツや生地の香りを華やかにしたり、風味をよくしたりする効果があります。 |
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工場内には様々なお酒のタンクが並びます |
蒸留酒には様々な種類があって、さくらんぼから作るキルシュ、洋なしから作るウィリアムポワールが代表的なものです。 それから蒸留酒にフルーツやハーブ、糖分などを加えたものをリキュール(混成酒)といい、こちらも種類は豊富。フランボワーズやミルティーユなど、色鮮やかで美味しそうなリキュールがあります。 |
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お土産にも喜ばれる可愛らしいミニボトル |
ここには、販売スペースもあり、たくさんのスピリッツやリキュールが揃っています。大きなサイズもありますが、嬉しいことに30〜50cc程度のミニボトルも豊富でした。お土産にも可愛いし、いろんな味を試したい人にとってはぴったりですね。 日本では売っていないものばかりで、ついついどんな味だろう?と欲しくなってしまいます。 |
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アルザスのフルーツを使ったコンフィチュールたち |
そして、気になる瓶が机の上に並んでいます。 実はお酒だけではなくコンフィチュール(ジャム)も作っているのだとか。 確かにお酒もコンフィチュールも材料になるのは同じフルーツ。 アルザスのグリオットやクエッチ、それから野ばらのコンフィチュール!なんていうのもありました。 |
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フルーツのジャムやお料理用のジャム |
赤くて可愛い布とリボンでおおって、こんな風にかわいらしく陳列していました。 それが、甘いコンフィチュールだけではなく、玉ねぎやイチジクをつかったお料理にあわせるコンフィも売っているのです。お肉やフォアグラなどにあわせると美味しそうですね。 |
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ルゴル社のお酒やジャムは他の町でも見かけることがあります |
最後に、一昨年人づてではありますが、アルザスの方からルゴルさん自身は現在引退したと聞きました。現在はどうなっているのかは詳しくはわからないのですが、ルゴル社のリキュール自体は流通しているようです。
ルゴル社のリキュールやコンフィチュールはアルザスの他の町でも見かける機会がありました。 リキュールはリクヴィルのお酒屋さんで、コンフィチュールはコルマールの街なかで。 おそらく、アルザスのいろんなお店に卸しているのだと思います。 リキュールはラベルにあるコウノトリのイラストが目印、コンフィチュールは可愛い花がらの布と赤いリボンが目印です。アルザスの街歩きをする時にはぜひこの目印をヒントに探してみてくださいね。 |