お料理本は好きだけど、意外と活用していなかったりすることってありませんか?おいしそうなレシピと写真が並んでいるけど、いざ、作ってみようと思うと、材料がなかったり、時間がなかったり、手間がかかりすぎてあきらめちゃったり。
でも、この本は違います。一度ページをめくり始めたら、最後まで作ってみたくなる・・・そして、確実に私にも作れる。そんなレシピが満載。
悩むこともなく、「さて、今日、我が家の冷蔵庫の中には何があるかな?」とのぞいてみて、その材料で、パパッと作れそう。でも、だからといって、とりあえず作ったわけではない贅沢感と洗練された味わいがある魔法のレシピ集なのです。
急なお客様がきたとき、自宅でわいわいとお友達が集まったとき、もちろん夜遅く疲れて帰ってきた自分のためにも、とても役にたつレシピばかりです。




中のレシピページから、表紙に抜擢されたのは、「あったかアボカド」。見た目はシンプルだけど、浅妻さんの魔法で、パーティーを盛り上げる大事な一皿に!


この本の帯に

どこにでもある材料が
少ない調味料と
ちょっとの手間で
 ステキな一皿に変身!


とありますが、本当にそのとおり。
えっ、こんなに簡単に、こんな材料で作れちゃうの?・・・って思うけど、出来上がりの一皿は確実にホームパーティーでも活躍できる華のあるもの。




「素材ひとつレシピ」で作れる「大根ごま油」
は、今日は日本酒という気分の日にぴったり




著者の浅妻千映子さんは、フードライターとして、たくさんの場所で活躍中の方。そんな浅妻さんが、ライターとして、そして最近ご自宅でお料理教室を始めたというお料理の先生として、それから過去のご自身のOL生活、いろいろなことを経験して、いろいろなものを食べてきて、ここに仕上げた一冊です。みんなの気持ちを代表して、みんなが待っていた一冊を作ってくれたという感じ。




「ワインに日本酒。場が盛り上がる、前菜・つまみレシピ」のページからは、「汁までおいしいドフィノワ」を。もったりしない、軽やかさが新しい





「ボリュームあります!」のページから「白いんげん豆とひき肉」! 幅広い層から支持された、3本指に入る人気メニューだそうです



写真もおいしそうだし、レシピのほかにも、ちょっとした説明部分があるのですが、そこがまた楽しい。食のライターとしての視線も入りつつ、作り方のポイントだけでなく、実際に作って食べているからこそ感じていることが書かれているので、とてもわかりやすいし、親しみやすい!
各ページの下のほうには、そのレシピと「一緒に飲みたいお酒」が小さく書いてあって、さすがお酒にもこだわりのある浅妻さんの気配り!という感じです。




「パスタ・ご飯はかかせない」からは、「大人気!ブロッコリーパスタ」を。見るからにおいしそうなこのパスタは、パーティーに最適!



それから、実はパナデリアが気に入っている箇所がもうひとつ。
それは、レシピの横に、ちょこちょこっと書かれている、ちょっと落書きみたいなイラスト。それを見ているだけで、心がほんわりと暖かくなってくるような気がします。実は浅妻さん、絵の才能もあるのです。ご自宅には自分で描いた絵がたくさんかけられているほど。
そんな遊び心もあるこの本を、ぜひ、まるごと楽しんでみてください。




「大好きな、野菜たっぷりレシピ」のページからは「冬野菜蒸しゆず風味」。これからの季節にぴったりのレシピが登場。夜遅く食べても罪悪感がないようにと、野菜を使ったレシピが多いのも、この本の特徴。体にいいレシピは、うれしい!



それから、余談ですが、
パナデリア読者の皆さんなら、きっとご存知だと思うけど、この「浅妻千映子キッチン」、パナデリアのクリスマスパーティで、いつも使わせていただいていたキッチンなのです。
あのキッチンから、こんなにたくさんの魔法のレシピが生まれたんだと思うと、ますます愛情がわいてしまいます。
パナデリアファンの皆さんにも、絶対に読んでみてほしい1冊です。




途中に入ってくるこういうコラムページも楽しい。これは、「とっても喜ばれる、簡単手土産レシピ」。手土産を持って行くときの気遣いなども紹介されていて、いたれりつくせりです






浅妻千映子キッチン
体が喜ぶ、簡単レシピ

著者:浅妻千映子
撮影:馬場敬子
定価:1365円
発行:ぴあ株式会社