世界中で愛されている食べ物、チョコレート。
口のなかで、なめらかにとけ、カカオの芳香が広がると、
たちまち幸せな気持になるから不思議ですよね。
そんな、チョコレートの魅力を紹介してくれるのが、
この「チョコレートがおいしいわけ」です。







物語の始まりは、小さな女の子の
「チョコレートは どうして おいしいのかな?」
という疑問から。

そうなんです。
食べるチョコレートは知っていても、それがどうやって作られているかというと、意外に知らないことばかり。著者のはんだのどかさん自身も、ベルギーのチョコレートの博物館を訪れた際に、チョコレートがどうやって作られているかを知ったのだとか。そして、“これをみんなに伝えたい!”という強い想いから、この絵本が生まれたのだそうです。






カカオポッドの“カカ”と“ポド”



この本のストーリーをナビゲートしてくれるのは、ガーナ生まれのカカオポッド、“カカ”と“ポド”。
太陽の光を燦々と浴び、大切に育てられたふたりは、ふるさとのアフリカ・ガーナを離れ、日本へとやってきます。

甘くておいしいチョコレートになるために・・・。
そして、チョコレートになったふたりの願いとは・・・?






日本にやってきた“カカ”と“ポド”。どんなことが待ち受けているのでしょう?



鮮やかな色彩と、わかりやすい絵で綴られる本書。
実は、チョコレートができるまでをこうして絵本で紹介したものは、世界でも例がないのだとか。
子供でもわかりやすいのはもちろんですが、カカオ農園の様子などが詳しく描かれているのが、なんといってもこの絵本の醍醐味。チョコレートのおいしさの秘密を多くの人に知ってもらおうと、はんださんは、実際にカカオの生産地ガーナを訪れ、農園や生産者を取材。自身の目と心で感じたことだからこそ、絵本ながら奥の深い一冊になっているのです。






ガーナでのようすはかなり詳しく紹介。ちなみに、保育士でもあるはんださん。子供が喜ぶ“ツボ”もよく心得ています



チョコレートに秘められた、たくさんの人の想い。
チョコレートの魅力を通じて、食べ物の大切さにふと気付く、そんなきっかけになるかもしれません。





このショコラティエのモデルはダレでしょう? 絵を見てピンときた方は、さすが!



お子さんのいる方はもちろん、チョコレート好きの方にもぜひ。
もちろん、傍らにはお気に入りのチョコレートを忘れずに!
読み終わった後には、きっとほっこり温かい気持に包まれているはずですよ。





チョコレートがおいしいわけ

著者:はんだのどか
発行所:アリス館
定価:¥1,500(税別)