好きな味を好きなだけ! エルメスイーツ好きにはたまらない、「ピエール・エルメ・パリ」の「フェティッシュ パーティ」。 「フェティッシュ(好きでたまらない!)」という意味の通り、例えば“イスパハン”だったら、ミルフィユからマカロン、ショコラまで全部イスパハン味にして食べちゃおう!という、甘美なるパーティです。 青山店では毎月開催されている人気のイベントなのですが、今回はスペシャルバージョンとのこと。 なんと、ピエール・エルメ氏本人が出席するだけでなく、フェティッシュ自体も趣向を凝らしてあるのだとか・・・。 これは、エルメファンとして絶対に逃せない!!ということで、パナデリアも参加させていただきました。 それでは、伊勢丹新宿店の食品フロアリフレッシュオープン一周年を記念した特別イベントとして開催されたスペシャルな「フェティッシュ パーティ」のようすをご紹介します。 場所は、伊勢丹新宿店 本館7Fのバンケットルーム。サロン・ド・ショコラのセミナー会場として、足繁く通った人も多いはず。この日は、ムーディなライティングにシャンパンやワインが並べられ、パーティらしいしつらえに。 |
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スイーツに合うようにと選ばれたのは、「PIPER-HEIDSIECK」のブリュット・ロゼ・ソヴァージュ。ほかにも、赤・白ワインやオリジナルティーが並びました |
さっそく、ウェルカムドリンクを手に奥へ進むと、長いテーブルいっぱいにプティガトーやマカロン、そしてショコラがずらり。 「あれはイスパハン?あ、プレニチュードも!ヴァニーユも!?」 そう。今回のフェティッシュがすごいのは、これまでの「フェティッシュ」に登場したテーマがずらりと勢ぞろいすること。その数なんと20種類以上!好きな味わいをとことん食べ尽くせるフェティッシュも良いけれど、あれこれ食べてみたいのが食いしん坊の性。食いしん坊度200%のパナデリアにはまさに夢のようなテーブルです! |
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これが全部いただけるなんて。生きていてよかった! |
「コンバンハ!今日はフェティッシュパーティにご参加いただき、どうもありがとうございます」 ピエール・エルメ氏の挨拶に、会場のテンションも一気に盛り上がります。 |
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ピエール・エルメ氏 |
「今回は、これまでのフェティッシュに登場したアイテムを並べてみました。それから、“アントル”も2種用意しています。トマトとオリーブを使った“アントル レヴェラシオン”と、わさびの“アントル デリシューズ”ですが、この“わさび”は今夏の新作としても取り入れている素材です。実は、以前から・・・。あ、皆さんも早く食べたいでしょうから、話はこれくらいにしておきましょうか」 と、まだまだ話足りなさそうなエルメ氏。貴重なお話を聞いていたい気持ちもありますが、皆の顔には“早く食べたい!”と書いてあったのかもしれません・・・。 今回の目玉はなんといっても“ENTRE(アントル)"。 完全注文生産の限定作品となっている上に、1つ33,600円(ベルナルド製のオリジナル磁器入り)と、かなりの高級品なので、エルメファンといえども、なかなか手が出せない幻の一品なのです。 |
アントル レヴェラシオン |
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トマトとオリーブという斬新な組合せに与えられたのは、Revelation=啓示という意味深なネーミング。フルーティで力強いトマトの風味に、オリーブオイルを加えフレッシュ感を増したマスカルポーネクリーム、さらにブラックオリーブの濃厚なコクと塩気が絶妙な味わいを生み出しています。上に添えられたパイにも一工夫。トマトのパウダーが練りこまれており、チーズを加えたかのようなコクのある味わいに。
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アントル デリシューズ |
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口の中で広がるのは、クリーミーなコクに包まれた、わさびの上品な香りとピリッとした辛さ。マルカルポーネクリームとこんなに相性が良いなんて!と意外な発見に驚くはず。さらに、グレープフルーツのフレッシュな酸味とほろ苦さが加わることで、わさびが完全にスイーツの素材になりえています。改めて、エルメ氏の才能を思い知らされる一品。
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ところで、気になるのが“わさび”。 抹茶や柚子などの和素材はもちろん、常に世界各国の素材に目を光らせているエルメ氏とはいえ、スイーツにわさびを使うというのはかなり斬新な発想に思えますが・・・。 「実は、“わさび”を使ったものは、1998年に発表しています。このときは、ソルベでした。でも当時フランスでは、フレッシュなわさびを手に入れるのが難しくて断念。味の組合せの面で納得がいかない部分があったのも事実です。最近になって、やっとフレッシュなわさびが手に入るようになり、味のアイデアもまとまったという訳です。今回合わせたのは、グレープフルーツ。わさびを食べると、最初に甘みが来て、その後に、ピリッとした辛さやほろ苦さが広がります。この風味をいかす素材としてグレープフルーツを選びました」 エルメ氏が最初にわさびに出会ったのは、わさびソルベよりもさらに10年ほど前のこと。未知の味覚を自分の中で消化し、表現するには、時間も必要ということなのでしょう。 |
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じゃがいもを使った新作「エモーション・エクストラヴァガントゥ」 |
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苺のパスタにバルサミコ酢を合わせた「エモーション フラゴラ」 |
“わさび”シリーズは、今回のアントルのほかにも、“わさび” のクリーム、グレープフルーツのコンフィを入れた“マカロン・わさび”や、わさびのジュレとわさびマスカルポーネのクリームにグレープフルーツの実とコンフィ、抹茶のギモーブを合わせた“エモーション・デリシューズ”があり、今夏の期間限定で発売中。実際に口にすると、エルメ氏が日本人とは異なる感覚でわさびを捕らえていることがわかります。強く感じるのは、辛みではなく、上品で清涼感のある香り。“わさび=からい薬味”という固定概念がないからこその発想といえるかもしれません。 |
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華やかなアントルメ仕立てのサラも登場 |
「昨日は、伊豆のわさび田に行ってきました。とても面白かったですよ」 実際にわさびがどんなところで、どんなふうに育っているかを見学したほか、現地では、生産者の家でわさび漬けやもち料理など、わさびを使った田舎料理に舌鼓を打ったとのこと。 現在、「ピエール・エルメ・パリ」の厨房では、1本ずつ生のわさびをすりおろして使っているそうですが、現地で味わった新鮮なわさびの香りと風味を再現するため、採れたてを現地ですりおろして冷凍にすることも検討しているそうです。 |
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まさにフェティッシュなひと時! |
会場には、フィンガーサイズのサンドウィッチや、マカロン生地にアイスクリームを挟んだ「ミス グラグラ」も登場。 エルメ氏が素材やパティスリーに抱く想いに耳を傾けながらいただく味わいは、何にも代えがたいものがありました。 |
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今日のパーティにも並んだショコラ3種類のボックスのお土産までいただき、大満足! |
今回はスペシャルバージョンでしたが、通常のフェティッシュパーティでも、好きなものを好きなだけいただけるというスタイルは同じ。好きなものに囲まれて過ごす、まるで夢のようなひと時を味わうことができます。 尽きることのないエルメワールドの魅力。 あなたもフェティッシュの魅惑に溺れてみませんか? |
チーズケーキ イスパハン | Ph3 イスパハン | プレニチュード |
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ローズ、フランボワーズとクリームチーズを合わせ、イスパハンよりもコクのある味わいに。酸味と香りが際立つ華やかな一品。 |
キュートな“Ph3”の文字入りホワイトチョコレートから飛び出すのは、“イスパハン”の味わい。マスカルポーネ入りローズクリームに、フランボワーズとライチのコンポートを合わせています。 |
ビターチョコレートムースとカラメル入りチョコレートガナッシュ、そしてフルールドセル入りチョコレートを合わせたプレニチュード。マカロン生地の上に乗せたひと口サイズで登場です。 |
キャレマンショコラ | エルメ キャレ エデン | ミルフィユ ヴァニーユ |
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ビスキュイショコラ、チョコレートクリーム、チョコレートムース、カカオチップ入りプラリネと、チョコレート好きにはたまらないキャレマンショコラ。プラリネのコクが濃厚さを深めています。 |
ザクザクとしたサブレブルトン生地の上は、ホワイトチョコレートのキューブ。中には、サフラン風味のクレーム・ブリュレとアプリコットコンポートが入っています。 |
キャラメリゼしたパイ(アンベルセ)生地はザクザクと主張があるのに、ハラハラと繊細な口どけ。焼きすぎないことでバターの旨みと香りが閉じ込められ、塩気がそれを引き立てています。会場ではその場で、マダガスカル産バニラ入りマスカルポーネクリームをサンドしてくれました。 |
パートドフリュイ モザイク | パートドフリュイ サティネ |
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ピスタチオのグリーンとグリオットチェリーの赤、2層のコントラストが美しいパートドフリュイ。ナッティなコクと香ばしさ、そして初夏を思わせる甘酸っぱさが爽やか。 |
オレンジとアプリコット、パッションフルーツの組合せ。本来“サティネ”はチーズが加わりますが、それがない分、清涼感が増し清々しい味わいに。 |
マカロン プレニチュード | マカロン サティネ | マカロン ヴァニーユ |
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カラメルのほろ苦さと、ビターチョコレートの苦み。 似て非なる2種類のほろ苦さに加えて、フルールドセルによってその味わいと甘みに深みが与えられているよう。やっぱりプレニチュードは名作です。 |
オレンジとパッションフルーツのパートドフリュイと、クリームチーズのムースリーヌクリームをサンド。これからのシーズンにぴったりの爽やかな味わい。 |
バニラ風味のホワイトチョコレートガナッシュをサンドしたマカロンは、シンプルながらエルメらしさを感じる一品。というのも、エルメ氏は大のバニラ好き。他の素材と組合せず、単独で使う唯一の素材でもあります。 |
マカロン エデン | マカロン イスパハン |
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最初に広がるのはサフランの風味。白桃のガナッシュの甘い香りと、アプリコットの甘酸っぱさが口の中で調和し、甘美な味わいに。 |
鮮やかなピンク色のコックにローズに、ローズ、ライチ、フランボワーズの香り。イスパハンフェティッシュにはたまらない一品です。 |
左:ショックショコラ / 右:ボンボンショコラ イスパハン |
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ショックショコラ: 眼の覚めるような力強いカカオの苦み。ビターチョコレートガナッシュに、砕いたカカオ豆入りヌガティーヌを合わせたパンチのある味わいです。薄く大きな形なので、コーティングに使われているブラックチョコレートの苦みも効いています。 ボンボンショコラ イスパハン: あのイスパハンがボンボンに?!フランボワーズ風味のガナッシュとライチとローズのパートドフリュイが層をなし、まさにイスパハンの味わい。ライチとローズの華やかな香りが美しい余韻となって広がります。 |
ショコラ サティネ |
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口に入れた途端に広がる爽やかな味わい。パッションフルーツ風味のガナッシュに、オレンジとアプリコットのパードドフリュイを重ねることで、フレッシュ感がいっそう増しています。ビターチョコレートコーティングのほろ苦さも好相性。
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