ホテルニューオータニにブティックを構えるピエール・エルメ。先日9月12日(木)に、同ホテルで2002年秋冬コレクションが行われた。 …と書くと、まるで洋服の話のようではないか。 もちろんそれは違って、ケーキである。 ピエール・エルメの作るケーキには3つのラインがある。ひとつはミルフィーユやモンブランといった"クラシック"。もうひとつは定番を表す"シナチュール"。残る一つが"コレクション"だ。"クラシック"と"シナチュール"はパリと日本で品揃えが違うのだが、"コレクション"はパリと時差なく発表され発売される、いわば今のピエール・エルメを味わえるライン。その発表会が行われたのだ。 |
||||
|
![]() |
![]() |
今期コレクションのテーマは、"手織りの白"。 白いマカロン、ホワイトチョコレート、白いクリーム、白いムース…。入り口を入ってすぐの空間にまずこれらが美しく並べられ、カメラを向ける人も多い。 左右にケーキの並んだテーブルがあるパーティー会場だ。エルメ氏の挨拶を聞いた後、これをバイキング形式で味わったのだが、その中からいくつかを紹介しようと思う。 |
最初に、エルメ氏が特に勧めていた2つを。 まずは、白いマカロン。白トリュフと、ヘーゼルナッツのマカロンで、口にいれるとまずトリュフの香り、そしてヘーゼルナッツの深い味。「主役はヘーゼルナッツです。白トリュフはナッツの強い香りを引き立てるのです」とはエルメ氏の言葉。ううん、なんと贅沢な!『ヘーゼルナッツとホワイト・トリュフ入りのマカロン』、至福の数十秒を約束してくれるお菓子だ。 |
![]() |
![]() |
『キャレ・ブラン』(白い四角)は柔らかい舌ざわりの中に、さまざまな味が入り混じったケーキ。ナッツとフルーツの食感も感じる。「これは食べてのお楽しみ」と、エルメ氏は内容を言わない。店で販売するときも『キャレ・ブラン』とだけ表示し、どんなケーキかは書かないという。だからここでも内容を明かす訳にはいかなのだが、説明するのもは容易ではない味だ。言葉にしようとするほど、するりと逃げてしまうような、そしてもうひとくち、もうひとくち、と食べ進めてしまうような不思議な魅力のあるケーキである。 他、チョコレートと塩味がきいたカラメルの力強い味の『プレニチュード』(充溢)、サブレ生地、オレンジママレード、パッションフルーツとチーズクリームの、フルーツの味わい豊かななめらかなチーズケーキ『サティネ』(サテンの光沢)、薄いホワイトチョコレートの食感を楽しみながらライスプディング、マスカルポーネのクリーム、バルサミコ酢で砂糖煮したフルーツが隠されている『イボワール』(象牙)など、ボンボンショコラまで、新作お菓子は計10種類。 これらは9月15日から発売開始で、3月14日まで。さあ、ニューオータニに急いで! |
プレニチュード | |
![]() |
|
イボワール |