ブルターニュで、絶対行きたいと思っていたところの1つがLe Coquillage(ル・コキヤージュ)です。ル・コキヤージュは、スパイスの魔術師と呼ばれる料理人オリヴィエ・ロランジェ氏のレストラン。 氏は、以前カンカルの3つ星レストラン「Les Maisons de Bricourt(ラ・メゾン・ド・ブリクール)」のシェフでした。しかし2008年突然レストランをクローズしフランス料理界では大きなニュースになりました。健康上の理由と言われていますが、それでもやはり氏はカンカルの土地と料理を愛していたのでしょうね、その後カンカルの岬にある大豪邸を購入し、ホテル「Le Chateau Richeux(ル・シャトー・リシュー)」として改装しました。そして、その中にレストラン「Le Coquillage(ル・コキヤージュ)」をつくりました。現在はここで彼の料理をいただくことができます。 私自身それほど星付きのレストランというものに憧れがあるわけではないのですが、そんな話をきいていて、一度ル・コキヤージュでお料理を食べてみたいと思ったのです。 |
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レストランの入り口 | シャトー・リシューの名の通りまさにお城! |
お店のあるカンカルはモンサンミッシェル湾の中央に位置し、牡蠣の養殖や貝や海老、カニなど豊富な魚介類が多いことで有名な土地です。そのため、カンカルにはたくさんの魚介料理を食べられるレストランとそれを食べようという観光客で賑わっています。
ル・コキヤージュはそんな賑やかなところから少し離れた高台にあるので、とても静かで穏やか。 そして、庭からは美しいモンサンミッシェル湾を望むことができます。 私達が訪れた日は、ラッキーな事にとても天気に恵まれました。 青い空と太陽の光が輝く海、そして美しい緑とシャトー。まるで夢の様なシチュエーションですね。 |
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ル・コキヤージュに着いて、まずは庭のテーブルでシャンパンとアミューズを頂きました。 こんな風にお天気がいい日は、お庭でお食事をスタートさせるのも素敵ですね。 街を散策し、忙しくあちらこちらに動き回っていた私達にとってはとても優雅なひとときです。 |
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お庭でシャンパンをいただきます | 一口サイズの可愛いお料理、アミューズ |
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シャンパンとアミューズを楽しんだ後、ドキドキしながらレストランに入りました。中は風が気持よく通り、ゆったりと落ち着いた空間。白いテーブルクロスが清々しく料理を引き立たせてくれます。 まずはパン・オ・ルヴァンと海藻入のパンを頂きます。海藻入り!というのがとてもユニークですね。ほんのり磯の香りが漂うブルターニュらしいパンでした。パン・オ・ルヴァンは、しっかり噛みしめると、じわじわと旨味が広がる味。素敵な石の器に盛りつけられたバターをたっぷり塗っていただきます。 |
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鰯とトマトの前菜 | メインの魚料理は鱈を選択 |
フランスで食事をするときには、大体お肉料理をいただくことがほとんどです。 それは、日本の魚介類の新鮮な美味しさを知っているから。 どうしても魚介類の美味しさは日本のレベルが高いので、敢えてフランスで食べる事はしなくてもいいかなと思ってしまうからです。 しかし、ブルターニュに限っては違います! 周囲を海に囲まれ、新鮮な魚介類が手に入る土地、ということで、ここでは前菜もメインも魚料理を選択。 前菜には鰯のマリネと3色のトマトを使ったお料理を、メインには鱈のポワレに、お野菜とスパイスをきかせたソースを頂きました。日本で「スパイス」というと胡椒やシナモン等とても強く個性的なイメージがあるのですが、こちらの料理ではスパイスが主張すること無くとても優しく寄り添っている印象でした。 でも、単にスパイス使いが優しいというだけではなく、ついまた食べたくなる食欲を刺激してくれる微妙な塩梅のスパイスの使い方が素晴らしいと思います。 |
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チーズを盛り付ける様子 |
メイン料理の後はお楽しみのデザートタイム。 その頃私達の隣のテーブルでは、ちょうどチーズのワゴンが運ばれ、サービスされているところでした。そのテーブルのお客さんも観光客らしい雰囲気でしたが、たくさんのチーズを前に興奮しつつとても喜んでいる様子でした。好きなチーズを少しずつ切り分けてもらっていただくことは、チーズ好きにはたまらないでしょうね! |
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デザートワゴン |
一方私達はというと、もちろんデザートワゴン! 美しいお菓子が並んだ大きなワゴンに、私達も興奮。 あれも、これも食べてみたい!…と結局全て少しずついただくことに。 こんな食いしん坊なお客さん一体他にいらっしゃるのかしら…とちょっと恥ずかしく思いつつも、せっかくここまできたのだからと頂きました。 |
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ちょっと欲張りなデザート盛り合わせ | フルーツのコンポートやアイス、ブリュレなど |
ワゴンの上にはピスタチオのシュー菓子やフレジェ、ミルフィーユが並び、好きなだけ切り分けてくれます。その他にプロフィットロールやピーマンのコンポート、チョコレートのムース、ヌガー、キャラメルのタルト、グリオットを使ったヴェリーヌ、生姜のメレンゲ、ギモーブなどたくさんのお菓子がありました。
欲張りにも全種類頂きましたが、クリームやバター、生地の美味しさがストレートに出るシンプルなお菓子が多く、とても美味しく頂きました。グラスに入っているものは、フルーツやお野菜、スパイスの香りが活かされたフレッシュ感ある味わいでした。 入る前は緊張したレストランでしたが、サービスの方も優しく丁寧で、お料理も美味しかったので、ブルターニュを訪れる機会があれば是非また伺いたいレストランです。 欲をいえば、レストランだけではなく、ホテルLe Chateau Richeux(ル・シャトー・リシュー)に宿泊して、ゆっくりとカンカルの空気を楽しみたいですね。 |
■ http://www.maisons-de-bricourt.com/ |