ブルターニュ半島は4つの県からなります。コート=ダルモール県、フィニステール県、イル=エ=ヴィレーヌ県、モルビアン県がありますが、今回紹介するヴァンヌとカルナックは「モルビアン県」に属します。 「モルビアン」とはブルターニュの言葉で『小さな海』を意味するそうです。モルビアン県は大西洋に面しており、モルビアン湾があります。その湾の名前が由来になっているそうです。 モルビアン県の県庁所在地は「ヴァンヌ(Vannnes)」です。 この旅では、数時間ですがヴァンヌの街歩きをしました。ヴァンヌはパリからTGVで3時間ちょっとで行くことができますので、パリを拠点にここまで遊びにくるというのも可能ですね。 ヴァンヌは紀元前5世紀にこの土地にやってきたケルト人の一派「ヴェネト人」によって治められました。9世紀にはブルターニュ公国の首都に定められ商業都市として栄えました。 |
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城壁の一部が今も残る |
静かで広い公園には、旧市街をとりかこむように造られた城壁の一部が見られます。城壁の手前には大きな整備された公園があり、丁寧に手入れされたと思われる芝生と美しい花々が咲いていました。時間があればここをゆっくりと散歩するのもいいですね。 |
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横に長い洗濯場 | この川で洗濯をしていた |
そして、その城壁に堀沿いには細長い2階建ての建物が見られます。 こちらはなんと屋根付きの洗濯場!ここを流れるマール川に女性が集まって洗濯をしていたそうです。どうやら1階で洗濯して、2階で洗濯物を干していたようです。 17世紀の洗濯場がそのまま保存されているということに驚きました。 |
サン・ヴァンサン門 | ![]() |
旧市街への入り口にはSt.Vincent門(サン・ヴァンサン門)があります。 ここから旧市街へと入って散歩をしました。 |
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ヴァンヌの旧市街 |
旧市街に入ると、木骨組の建物を見かけます。レンヌでもそうでしたが、旧市街は趣ある雰囲気で歴史を感じます。現在はそれを利用したレストランやカフェなどもあるので中に入って昔ながらの建物が醸し出す空気感を楽しめるというところが嬉しいですね。 |
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よく見ると壁から人形が突き出しています | ヴァンヌ名物の「ヴァンヌとその妻」 |
ヴァンヌの旧市街名物なのが、壁からぴょこっと突き出たユニークな人形が目を引くレストラン「Vannnes et sa femme」(ヴァンヌとその妻)。大きくて強そうなマダムと、ちょっと小さめのムッシューがなんともひょうきんな感じで思わず笑ってしまいます。この人形の由来は分からないのですが、ガイドブックにもよく載っているそうで、観光客で賑わっているレストランです。 |
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旧市街のパティスリー |
旧市街を散歩しながら探すのはやっぱりパティスリー! カップケーキ型の看板が目印です。昔ながらのお菓子屋さん、といった雰囲気のお店を見つけたので入ってみました。 |
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クラシックなお菓子が並びます | シュー菓子「サランボ」を発見 |
フランスにしては珍しくシュークリームがありました。それからサヴァランやりんごのパイ、エクレア、ミルフィーユ、サランボ(エクレアの右にある白いフォンダンのシュー菓子)、サントノーレなど。 今時の軽やかなムース類はあまりなく、シューやパイ生地などを主体とした親しみやすいお菓子が多いですね。 |
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アラン・シャルティエ外観 |
お菓子好きな方にはチェックしていただきたいのがAlain CHARTIER(アラン・シャルティエ)。グラシエ(アイスの職人部門)M.O.F(国家最優秀職人章)の称号を持つアラン・シャルティエ氏のお店です。残念ながら、この日はバカンスでお休みだったので外観を見ただけ。ぜひこちらでアイスをいただきたいものですね! アラン・シャルティエさんはエコール・デ・デセール(お菓子教室)も、開いているそうです。HPに日程やお菓子のテーマが紹介されているので、是非作るのが好きな方はチェックしてみてくださいね。1レッスン3時間なので旅の途中で参加することも可能ですね。 |
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木骨組の建物が並び石畳の道を歩きながら、城門の外に出ると、港にたどり着きました。 青空のもとたくさんのヨットが並ぶ風景は、旧市街とはガラッとイメージが変わり、「あぁここは港町なんだ」、ということに気づかせてくれます。 |
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ヴァンヌを拠点にして訪れる人も多いのが、巨石群が有名な「カルナック」。 ヴァンヌから南西方向にあるカルナックは先史時代の遺跡の中心地です。 紀元前4500〜2000年には存在していたと言われ、東西を数キロに渡り大きな石が無数に並べられています。宗教的な意味合いがあるのではとか、誰がどのようにして何の目的で並べたのか、というのは未だに謎が多く、神秘的な場所です。日本では認知度が高くないのですが、これだけの巨石群が長い時を経て、自分の目の前にあると思うと不思議な感覚でした。 ヴァンヌとカルナック、どちらも歴史を感じる見所がありました。 日本ではあまり知られていないエリアですが、レンヌのような都市とはまた違った魅力があるので、興味のある方にはぜひ足をのばしてもらいたいなと思います。 |
◆アラン・シャルティエ http://www.alainchartier.fr/ 25 Place des Lices 56000 Vannes, France ◆エコール・デ・デセール http://www.ecoledesdesserts.com/ |