ブルターニュの南方に細長く伸びた半島「キブロン半島」があります。 地図で見ると、こんなに細いの!?とびっくりするほどなのですが、もともとキブロンは大西洋に浮かぶ小さな島だったそうです。それが時を経てブルターニュ半島と陸続きになった土地だそうです。海に囲まれているので夏はバカンスを楽しむ人々で賑わうリゾート地でもあります。 日本のスイーツファンの中で「キブロン」というと、真っ先に出てくるのはきっとショコラティエ・キャラメリエの「アンリ・ルルー」だと思いますが、ルルーさんのお店についてはまた今後紹介するとして、今回は「Maison Riguidel (メゾン・リギデル)」という地方色豊かなお店を紹介したいと思います。 |
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メゾン・リギデルを目指して |
キブロン半島の南部、アンリ・ルルー本店からほど近く歩いていける場所にメゾン・リギデルがあります。お店の白い壁に大きな楕円のマークとRiguidelの文字があります。 |
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白×青が爽やかな外観 | 入り口のモザイクタイルが素敵 |
お店の正面にまわると、思っていたよりも大きなお店でした。 白い壁に青いテントが爽やかに眩しく、ブルターニュの海を感じる外観です。 入り口に近づくと、タイルで「1893年創業」とデザインされています。このタイルの雰囲気がとてもレトロで民俗的な雰囲気もあり素敵だなぁと思わず写真をパチリ。 |
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ショーソン・ポンムやコンベルサシオンなどの小さな焼き菓子 | ファー・ブルトン |
お店に入る前に、外からガラス越しにどんなお菓子があるのか興味津々で覗き込む私達。フランスのお店は、大抵外からもよくお菓子やパンが見えるように陳列されているので、美味しいもの探しのアンテナがピピピッと反応しちゃいますね。
ガラス越しに見えるお菓子たちは、基本茶色い「焼き菓子」。 しかも、ブルターニュのスペシャリテをメインに品揃えしています。ファー・ブルトンやクイニー・アマンなどフランス地方菓子を探求する旅をしている私達にとっては興奮ものです! |
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キャトルキャール・ブルトン | ガレット・リギデル |
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焼きっぱなしのお菓子が並びます |
お店に入り、どのお菓子を買おうか迷いつつ、フランスならではの大きなサイズで並んでいるのを見て、こんなにたくさん食べられないな…と思っていたのですが、切り分けてもらうことも可能(1ピースでも1/2カットでも)なので、ファー・ブルトンとクイニー・アマンを購入しました。 |
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ファー・ブルトン | クイニー・アマン |
ファー・ブルトンは珍しくプルーンがはいっていない生地だけのタイプ。粉が少ないのか、とても軽くソフトな食感で美味しかったです。このファー・ブルトンはもう一度食べてみたいな、と今でも時々思い出します。 クイニー・アマンは大きく平たい形。パリッというよりは少ししんなりした食感で、よく噛み締めながら食べるとバターの風味がじんわりと広がってきます。 |
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ガレット・リギデルのラッピング |
そして一番気になったのは四角い形の「ガレット」。そもそも「ガレット」は丸くて平たいという意味があるのですが、こちらは四角いけどガレット。丸いバージョンもありましたが、珍しい四角のタイプを購入。 「Galette Riguidel(ガレット・リギデル)」と名付けられたお菓子です。お店オリジナルの包装紙で何気なく包まれていますが、この包装紙よく見ると、キブロンの漁師さんや働く女性が力強いタッチで描かれています。キブロンはイワシ漁が盛んということなので、それに携わる人達を表しているのかな? |
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ガレット・リギデル | ガレット・リギデル断面 |
このガレット・リギデルは大切に日本に持ち帰って頂きました。もちろん包装紙も大切に保管。食べてみると、思っていたよりもソフトな食感でバターと粉の香りがふわりと優しく広がる素朴な味でした。出来立ての食感とは違うものかもしれませんが、とても穏やかで優しい味。キブロンの町のようなほのぼのした雰囲気があります。
今回キブロンへの滞在は少しだったのですが、海に囲まれて潮風がとても気持ちがいいところでした。海沿いを散歩しながら、こういう素朴なお菓子をほおばるのもいいですね。 |
◆ Maison Riguidel 38 rue de Pont MariaBP 90579 56070 Quiberon http://www.patisserie-bretonne-riguidel.fr/ |