ブルターニュの旅はレンヌからスタートし、キブロンやカンペールへと半島南部を西へ西へと移動しました。そして遂に、ブルターニュ半島の最西端の「ラ岬(Pointe du Raz)」に着きました。 近くまで車で行き、その後は一本道をひたすら海の方へと向かって歩いていきます。 |
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ラ岬の看板。フランス語に加え、ブルトン語の文字も |
この日も晴天に恵まれて美しい青い空にエニシダの黄色い花やヒースの赤い花の可憐な様子がとても美しく見えました。どことなくフランスとはまた違った光景のように見えるな、と感じたのですが、こういった植物はイギリスやアイルランドの荒地に群生することが多いようですね。ラ岬は地理的にイギリスにも近いので、気候が似ている部分もあるのかもしれませんね。 |
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エニシダ | ヒース |
この一本道を歩いて行くと、途中マリア像がありました。 ラ岬周辺は波が荒く船の事故が多いらしく、漁師を守るという意味で建てられたそうです。 |
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そして、遂にラ岬の先端近くまでやってきました! 荒々しくゴツゴツした岩が大西洋に突き出すように続いています。 この日はお天気に恵まれたのでとても穏やかな光景でしたが、この険しい岩場の様子から普段の海の荒々しさを感じることができました。 |
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ついにラ岬の先端に! |
しばらくこの岩場の周辺を歩いていて景色を楽しんでいたとき、ふと2羽のカモメが目に入りました。2羽仲良く岩の上に座り日光浴をしているようで、心が和みました。 |
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大西洋とカモメの心和むショット |
ラ岬を後にして向かったのは「ドゥアルヌネ(Douarnenez)」という町。 ドゥアルヌネ湾の奥に位置するドゥアルヌネは、イワシ漁が盛んなことで有名。 なぜここに向かったかというと、ドゥアルヌネは「クイニー・アマン」発祥の地、と言われるからです。 1865年頃小麦粉が不作でバターが豊富な年がありました。その際に考えだされたクイニー・アマンは、非常にバターリッチな発酵菓子。是非ドゥアルヌネでクイニー・アマンを食べよう!と向かったのですがなかなかお菓子屋さんが見つからず、町の中を探しているとやっと一軒のパティスリーを見つけることができました。お店の壁にはクイニー・アマンのマークが大きく描かれたボードがつけられています! |
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どうやら、ドゥアルヌネにはクイニー・アマン協会なるものがあるようで、その協会に入っているお店はおそらくこのボードをつけているのでしょうね。
マークには大きなクイニー・アマンにヨットのイラスト。ブルターニュのスペシャリテが記載されていますが、クイニー・アマン、ガトー・ブルトン、ファー、リ・オ・レ、パン・オ・ブレ・ノワール、パン・ド・セーグルの文字が。お菓子は大体わかりますが、そば粉のパンもブルターニュで作られているのですね。そしてライ麦パンもブルターニュらしいパンだということを初めて知りました。昔はブルターニュの土地は痩せていて小麦の栽培が難しく、そば粉の栽培が盛んになったという話はきいていましたが、その土地柄からライ麦の栽培も多いようですね。 |
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クイニー・アマンとヨットのマーク | ブルターニュのスペシャリテ |
早速お店に入ると、最初に出迎えてくれたのが四角いガトー・ブルトン。 ガトー・ブルトンは丸いものだと思っていたので、この四角に切り分けたスタイルはとても新鮮!大きく焼いて切り分けていますね。 味はプルーンとフランボワーズの2種。 アーモンドの味が濃く、しっとりした食感でした。中のプルーンはあまり酸味がなくねっとりした食感でした。 |
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その他に丸く焼いたガトー・ブルトンや豪快にバットで焼成したファー・ブルトンも。 日本では小さく丸いファー・ブルトンが一般的ですが、こうやって大きく焼いて切り分けるスタイルはブルターニュでは定番ですね。 |
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ガトー・ブルトン | ファー・ブルトン |
そして、お目当てのクイニー・アマンはちゃんとありました! 大きく平ぺったく、多分日本でしか見たこと無い方には、これがクイニー・アマンだとは気づかれないかも…、という姿。 1つが直径18〜20cmくらいでとても大きいのですが、嬉しいことにハーフカットでも販売してくれます。表面がパリッとした香ばしい食感で、中はしっとりそしてバターがじゅわっと出てきそうなリッチ感です。塩味がしっかりきいているのもブルターニュらしい! |
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ドゥアルヌネのクイニー・アマン | 茶色い生地は砂糖や粉の色によるもの? |
本命のクイニー・アマンに出会えて、ほっと一安心。 実はドゥアルヌネではまさにこのクイニー・アマンだけを目的として訪れたので他の場所は全く寄っていません。もし機会があればドゥアルヌネ漁港近くでいわし料理を食べてみたいものですね。 |
◆ ドゥアルヌネ クイニーアマン協会のHP http://didier.lemasle.free.fr/ |