シニフィアン・シニフィエ。ちょっと不思議な響きを持つこの店名は、フランス語の哲学用語に由来しているもの。そこには、素材や季節と語り合いながら物語のあるパンを提供していきたい、という気持ちが込められているのだそう。そして、ここで腕を振るっているのが、あの志賀勝栄シェフ!自由で独創的なパン作りで知られ、パン好きたちを魅了してやまない、あのシェフなのです。新たな地に移り、今度はどんなパンを披露してくれるのか−気になっているのはパナデリアだけではないはず。それでは早速、新たなるパンの世界を覗いてみましょう! (2006.10) |
シニフィアン・シニフィエがあるのは、世田谷公園の近く。大通りから一歩入った路地の半地下にひっそりと佇んでいます。まさに隠れ家的パン屋さんといった感じ。いや、それどころか、パン屋らしき趣もないから、知らない人は通り過ぎてしまいそう。でも、これくらいで驚いてはいけません。階段を下りて中に入ると、更なるサプライズが用意されていました。 「え、これがパン屋?!」 広々とした店内に、ダークブラウンを基調としたシンプルでモダンなインテリア、作り付けの棚に整然と並ぶパンたち、そしてチーズ専用棚からワインセラーまで!まるでワインバーを思わせる素敵な空間が広がっています。パンとワインとチーズ。ここでは買うだけではない、パンの楽しみ方も教えてくれるのです。時間の許す方は、是非店内のテイスティングスペースで「本日のおすすめプレート」を。数種類のパンとチーズとドライフルーツが盛られたプレートにワインなどの飲み物を合わせてサーブしてくれます。旨みたっぷりのパンに食べごろの芳醇なチーズ、しっとりやわらかなドライフルーツ、そして、ワイン・・・ 豊かななひとときを心ゆくまでどうぞ。 |
さて、志賀シェフといえばハード系、ですよね。店内には国産のライ麦を使った大型パンやオーガニック小麦を使ったバゲット、アマニがたっぷり入ったローフ型のパン、季節のフィリングを入れたものなどたくさんのハード系のパンが揃っています。どれもひと言では語りつくせない、こだわりがぎゅっと詰まったものばかり。もちろん、ハード系以外にも、クロワッサンやアッフェルシュトゥルーデル、それから週末限定の「パン・ジャポネーズ(あんぱん)」などもあります。粉と水と酵母。たったこれだけの材料とは思えないほど、シェフが作り上げるパンは滋味豊か。それぞれの素材が自分の役割を意識しながら、おいしさという音楽を奏でているのです・・・そう、志賀シェフという指揮者のもとに。 シェフの演奏はまだ始まったばかり。これからどんなシーンが繰り広げられるのかとても楽しみです。 |
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北海道小麦のパンペイザン ハーフ¥700(ホール¥1,400 スライス¥150/100g) 北海道産小麦の強さと甘みを活かして作られたパン。クラストはパリパリでクラムはしっとり。ほんのり感じる酸味と雑穀ご飯のような旨みのバランスが心地よく、何もつけなくても充分おいしい。スープや肉料理と合わせても。 |
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ドイチェ ヴァイスハイト ハーフ¥700(ホール¥1,400 スライス¥170/100g) 北海道産ライ麦、オーガニックの小麦とオーツ麦、そしてパン粉入り。パン粉を入れることで風味やしっとり感が増すのだそう。ふっくらもっちりとした生地は口に入れるとほろっと崩れすっと溶けていくような食感。力強い香りと滋味深い味わいが楽しめます。 |
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ピカン ¥200 カシューナッツがたっぷり!ほろっと口当たり良くほのかな甘みのある生地に、コクのあるナッツが良く合います。アクセントに胡椒がピリリ!ワインのお供にも良さそうです。 |
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クロワッサン・オ・ルヴァン ¥200 自家製酵母を使用したクロワッサンは、ほのかな酸味が特徴。さっくり香ばしい外側に対して、内側は比較的しっかりとした生地。噛み締めていくと、じんわりと旨みの余韻が続きます。 |
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ビュヴール ¥220 ルヴァン生地にレバーペーストとエルブ・ド・プロヴァンスを塗って焼き上げたもの。レバーの濃厚なコクと生地の旨みの中に、ハーブと酵母の香りがふわっと漂い、口の中で料理を味わっているような感覚に。自然とワインに手が伸びてしまう、罪なパンです。 |
シニフィアン・シニフィエ
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住所 |
東京都世田谷区下馬2−43−11 |
Tel&Fax | 03−3422−0030 |
営業時間 | 11:00〜19:00 |
定休日 | 不定休 |
アクセス | 東急田園都市線三軒茶屋駅または池尻大橋駅より徒歩約20分 または渋谷駅より東急バス渋31〜34系統「自衛隊中央病院」下車徒歩1分 |
URL | http://artandcraft.jp/ss |