ラ・フーガス 仁礼 正男 さん
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みんなが高校に行くから自分も高校に行こう、みんなが大学に行くから自分も大学に行こう、という感じで流されて生きてきた。大学を卒業するとき、このままだとなんとなくサラリーマンになってしまう、このあたりでしっかり自分のやりたいことを考えようと思ったんです。そうしたら、"作る"ことが好きというのが見えてきた。
![]() 最初はね、靴職人になろうと思ったんですよ。イギリスに留学して学びたかったんだけれど、英語もできないから無理かなあというのと、親の反対とで諦めました。次に考えたのが、食べ物を作ること。学生時代からいくつかの飲食店でアルバイトをしていたこともあって、「食」って身近だったんですね。特にお菓子屋でのバイトが楽しかった。それでお菓子かパンかと思って、パン屋に入社したんです。ここで2年。そのあと『ハナ・コウジ』という店に移りました。 ![]() ![]() その日から今日まで、毎日、「もっと美味しく、もっと美味しく」と思いながらパンを作っています。自分で店を持ってからのほうが、パンや素材について勉強していますね。柔軟に受入れようとする頭を作ると、いろいろな情報や知識がどんどん入ってくるもんなんですよ。 実は、一見するとオープン当時から変わらないように見えかもしれませんが、どのパンをとっても配合とか製法とか、どんどん変わっているんです。現状維持っていうのは後退にしかならないから、そうやって味を進化させていくことはずっとし続けなくてはいけないと思っています。だからね、「ここが終着点」だなんて思うことは絶対にないんですよ。
取材日 2001.10.18
ラ・フーガス |