![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ORIGINES CACAO オリジンーヌ・カカオ 後編 川口 行彦 さん ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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昨年12月にオリジンーヌ・カカオをオープン。 自分で店をやるからには"今まで以上に良いものを"と考えています。 お店の種別として、チョコが中心という店は他に多くはない。だからこそ、オンリーワン的な要素を強くしたい。簡単には真似できない、メゾンの味というものをしっかりと作っていきたいと考えています。 例えば、アーモンドやピスタチオもホールで買って加工する。ピスタチオのペーストは軽くローストして作るのですが、その場合どこまでローストしたらいいのかを判断することが必要になる。しかも、最終的な味の組み立てを考えながらやらなくてはいけない。それこそ配合を見ただけでは決して真似できない、メゾンの味だと考えています。 素材はそのままの形でないとわからないこともあるんです。今年のピスタチオは、一般に良いとされるシシリー産よりもイラン産の方が質が良い。また、今年のマルコナアーモンドは通常より小さい。ホールの状態から扱っていればそういう事がわかるけれど、ペーストやプードルではわからないこと。そういう事を知識に振り回されず、きちっとわかっていることが大切です。 | ![]() |
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チョコレートは取扱になれているバローナのものをメインに使っています。他のメーカーのチョコレートも試していますが、実際は非常に不安定なものが多いですね。バローナは安定度、メッシュの細かさという点で非常に質が高いです。 自分の求める上品な味と言うものは、口の中で溶けながら香りを引っ張っていき、最後に良い感じのキレがあるもの。最近、個性的でインパクトの強いチョコレートも多いですが、終わり方に品がないような感じがしています。どちらがいいのだろう、と思うところもありますが、メゾンのあり方は終わり方にもあると考えているので、それを考えるとバローナでしょうか。 私の場合、素材の組合せをガトーでテスト的に味をみることもあります。常に考えているのはボンボンの味の組合せ。ガトーで良ければ、もちろんボンボンでもおいしい。あとは組合せ方の問題です。ビターチョコと合わせるにはどうしよう、ホワイトチョコだったらこうしてみよう、と言う風に味の強弱や、色も含めた濃淡を考えて合わせます。 でも一番大切なのは素材の美味しさ。美味しい素材との出会いから発想が生まれる。それが一番自然なことです。美味しくないものから美味しいものは決して生まれない、それは加工業である自分にはよくわかっています。 |
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今までいたのが"店"ではなく"仕事場"だったこともあり、売上など商売的なことはあまり考えていません。オーナーとしては良くない事だと思いますが。 ボンボンショコラのようにガトーにも飾りなど余分なものはなるべく取り外し、シンプルな姿を求めます。デコレーションに手間をかけるんだったら、その分中をおいしくすることに時間をかけたい。 見た目には頭に残らないけれど、食べて心に残るものを作りたい、そう思っています。 今は店の裏に厨房があるので、作ったものをすぐショーケースに並べられる。これは、ボンボンにとっても一番良い環境なので嬉しいですね。 |
約17年間を見てきて、チョコレートに関して日本人の嗜好は変ってきているとは思います。でもやはり流行から入る部分は多いですね。 うちがちょうどその時期にオープンしたのは、ブームをねらった訳ではありません。 欧州でチョコレートを学んできた人は沢山いますが、チョコレート屋にいてチョコレートというものををわかっているという人間はほとんどいない。 だから自分は、おいしいと思うものを作っていくだけです。おいしいものを探し、作って提供するのが僕の仕事。自分は"作ること"が出来る、そしてお客さまは"食べること"ができる。そこで半分ずつ喜びを分かち合うことが出来る、そう思っています。 お客さまが何度もお店に来てくれたり、「おいしかった」と言っていただけるのは本当に嬉しいです。そのためにやっているようなもの。それは自分の店になって強く感じます。 | ![]() |
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最終的には、仕事場でスタッフみんなが楽しく仕事ができ、そして作るだけではなく、片や研究的なことも極めながら、みんながチームとしてレベルを上げるのが理想です。 作って食べてみて「これは良い」、「これは良くない」ということを話し合う。それぞれ味やデコレーションに好みがあるのは当然です。「これはどう思う?」「どうしたらいい?」と言う意見を引き出しながら、自分のやりたいことをわかってもらう。自分としては、最終的に"良い仕事場"の環境で仕事をやり"良い商品が作れる"ことが理想。そういう意味では良いスタッフが揃ったのは素晴らしいこと、まだ4ヶ月と日が浅いので今後はチームとしてレベルアップしていかれるようにしていきたいですね。 |
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