カカオの樹
チョコレートの原料となるカカオの樹は高温多湿の気候を好むため、起源地である中南米をはじめカリブ海周辺の島々、アフリカや東南アジアなどで栽培されています。7〜8年で成木となり、高さは8〜10メートルにもなります。カカオは一年中薄桃色の花をたくさん咲かせますが、成熟した果実にまで育つのはそのうちのごく一部の花のみです。
10〜30cmくらいのラグビーボール型をしているカカオの実は"ポッド"と呼ばれ、硬い殻の内部には白い果肉があります。その果肉に包まれて種子・カカオ豆が入っています。1つの実に30〜40個のカカオ豆が入っており、1キロのカカオ豆を得るためには約20個のカカオポッドが必要です。


カカオ豆について
カカオ豆の味は産地によって異なります。それは、カカオの品種、栽培する土地の環境、醗酵方法の違いなどからきます。同じ品種でも栽培される国によって味が違ってきます。カカオの起源地は、アマゾン川上流地帯とも、メキシコなど中米地帯とも言われ、その結果でしょうか、パナマ運河あたりを境にして、北部のカカオ豆は白っぽく、南部のものは紫がかったものになったのです。

◎品種  大きく分けて3つの種類になります。
クリオロ種 "自分の国のもの"という意味で、カカオ豆のオリジナルの品種です。カカオ豆を栽培して初めてヨーロッパに輸出したのはベネズエラで、パナマ運河北に原生していた白っぽい豆を自国で栽培して輸出したのでこの名前がつきました。病虫害にも弱く、1本の樹から取れる豆の収穫量は少量なので、今では貴重品です。 全体の1%程の生産量です。
生産地:トリニダード、カリブ、赤道付近、中南北
特徴:香り高く、苦み・甘みが強い。酸味はありません。
フォラステロ種 "外国のもの"という意味。クリオロ種以外のものをこう呼んでいました。病虫害にも強く生産性にもすぐれており、世界中の生産量の90%を占めています。
生産地:ブラジル、コートジボアール、赤道付近
特徴:香りは弱く、苦み、酸味が強い。
トリニタリオ種 カリブ海のトリニダード島でできた、クリオロ種とフォラステロ種の交配でできた品種。全体の約10%程の生産量を占めています。
生産地:コロンビア、ベネズエラ、メキシコ、カリブ、トリニダード、赤道付近
特徴:クリオロ種とフォラステロ種の中間の性質を持っています。

《その他》
アリバ種

エクアドルで栽培されているフォラステロ系の品種。
特徴:フローラルな香り。マイルドでソフトなスパイシーフレーバーがあります。

◎主な生産地域
ベネズエラ、エクアドル、ブラジル、パプアニューギニア、インドネシア、ガーナ、アイボリーコースト、ナイジェリアなど。
*同じ品種でも、生産される地域・土地によって味が異なるため、「〜産の〜種」という形で表示されます。メーカーはこれらの豆をそのまま、又はブレンドして独自の味を作り出しています。