11月20日(火)


松の実のタルト、ファーブルトン

今日はTarte aux pignons(松の実のタルト)、Far Breton(ファーブルトン)を仕上げ、後は明日のためにりんごのコンポートを作り、パイ生地を伸ばす。

Tarte aux pignonsはProvince地方のお菓子、Far Bretonは名前通りBretagne地方のお菓子だ。Tarte aux pignonsは松の実がたっぷり入るのでしつこい味かなと思ったけれど、アパレイユがシンプルな味なので、食べやすい味に仕上がっていた。心配して最後に少ししか松の実を散らさなかった私のは、見た目が淋しいケーキになってしまった。

Far Bretonはブルターニュ地方を旅行したときはもちろん、パリでもたまに見かけるお菓子だ。少し似ているお菓子にFlanというのがあるけれど、プルーンを必ず入れるFar Bretonと違ってこれはもう少し固くて、中に何も入っていないのが一般的なよう。プルーンはAgenというフランス南西部の特産物なのに、どうして北西部のブルターニュのお菓子に使われるようになったのか聞いてみたが、恐らく初めはやはり北が産地のりんごなどを使っていたと考えられるけれど、なぜプルーンに変わったのか、詳しいことはわからない、とのことだった。
バターが分離しやすいお菓子だけれど、一生懸命混ぜたかいがあり、とてもきれいに焼けていた。ほどよい柔らかさで、優しい味は朝食にもよさそうだ。

2台のお菓子を半分ずつに包んで、一つは友達に、一つは家に持って帰ろうと思い、せっせと包んでいたら、シェフが知らない間にTarte aux pignonsの表面にグレーズを塗り、まわりにココナッツをつけていた。「地方菓子はあまりデコレーションせずに素朴な感じに仕上げます。」なんて言っていたのに!いつもきれいにケーキを飾りつけるシェフだから、焼きっぱなしのままでは物足りなかったのだろうか。最後にはいちごとグロゼイユまでのせて豪華なお菓子に仕上がっていた。