オーストリア

オーストリアの首都・ウィーンは、ハプスブルク家の政策結婚によって領土を拡大していきました。それによって民族も多様化し、ウィーンにはさまざまな国の文化や習慣が伝わってきました。各国から伝わったお菓子は素朴なものでしたが、ウィーンの菓子職人の腕により、それぞれの地域性を残しつつも華やかに変化していきました。そして、それらのお菓子は今度は各地へと広がっていき、またそこで新しいお菓子が生まれていったのです。
なんといってもお菓子の本場のように言われているフランスでさえも、元はと言えば、オーストリアの女帝マリア・テレジアの娘、マリー・アントワネットが、フランスのルイ16世の元に嫁ぐ時に同行した菓子職人たちが伝えたお菓子が大きな役割を果たした・・という話があるほど、ウィーンのお菓子は歴史があるものと言えるでしょう。


カイザーゼンメル
丸く成形したパン生地にカイザー型という押し型で模様をつけて、表面にケシの実や雑穀をつけて焼き上げたテーブルロール。粉の味わいが伝わってくるリーンなパンです。ゼンメルというのは小型のパンを意味し、皇帝のかぶる冠に形が似ていることから皇帝を意味するカイザーという名前がつきました。


ザッハトルテ
ウィーン菓子といえば、ザッハトルテの名前がすぐあがるほど、有名なオーストリアの銘菓。どっしりとした味わいのチョコレートケーキで、しっかりとした重厚な甘さが特徴なので、砂糖を入れずに泡立てた生クリームを添えて食べるのが正統派です。チョコレートスポンジを2枚にスライスし、間にアプリコットジャムをサンド、さらにアプリコットジャムを表面に塗り、チョコレートを全面にかけたものがこのお菓子のオリジナルの作り方。
ザッハトルテの由来は、ウィーン会議が催された時、主催国のオーストリア宰相メッテルニッヒ公のお抱えシェフであったエドワード・ザッハーによって考案されました。後に独立しホテル・ザッハーを開業したことによって、ザッハトルテは世に広められていきました。
そしてその後、ホテル・ザッハーとデメルによって、このお菓子の元祖権を巡って、10年ちかく争われたのは有名な話です。結局はホテル・ザッハーがオリジナル権を獲得したようですが、現在ではそんな争いがあったことも忘れるくらい、デメルもホテル・ザッハーも本家として世界中に名前が知れ渡っています。そして今ではウィーンのカフェ、どこでもこのザッハトルテを食べられるようになりました。

カーディナルシュニッテン
カーディナルとは枢機卿のことで、シュニッテンとは切り菓子の意味を持ちます。卵黄の多い、つまり黄色の強いスポンジ種と卵白を泡立てた白いメレンゲを交互に絞って焼き、間にコーヒー風味のクリームを挟んだ伝統的なウィーン菓子のひとつです。
このお菓子をカットすると、側面が黄色と白の二色になり、これが枢機卿のシンボルとも言えるカトリックの旗のカラーを表すというわけである。いかにもカトリックの国オーストリアらしい。

クグロフ(グーゲルフプフ)
円錐形をひねった形の型で焼き上げるこのお菓子は中心に穴があいていることによって、火通りがよくなります。そもそもは、オーストリアやポーランドに古くから伝わるもので、素朴なお菓子でした。そして、このクグロフはオーストリアのハプスブルグ家の皇女マリー・アントワネットの好物でもあり、彼女がルイ十六世に嫁いだことがきっかけとなってフランスに渡っていきました。現在ではフランスのクグロフはイースト入りの生地が多いが、ウィーンでは一般的にはイーストは使用していません。十八世紀以前はオーストリアやポーランドで使われていたビール酵母を用いて作られていたとのことである。

シュトゥルーデル
シュトゥーデルは中世から伝わるオーストリアの伝統的なお菓子。シュトゥルーデルとは「渦巻き」という意味で、薄くのばした生地を巻くことによって、切り口が渦巻き状になることからついた名前です。小麦粉、バター、卵などを混ぜて練った生地を、下に敷いた新聞紙の文字が透けて読めるほどに薄く薄くのばしてゆく。そしてこの生地の上に果物やナチュラルチーズなどのフィリングを散らして巻き、焼き上げる。りんごを主にした具で作るアプフェルシュトゥルーデルが良く知られています。

リンツァートルテ
このお菓子はオーストリアのリンツ地方の銘菓です。シナモンなど香辛料を効かせて細かく刻んだナッツを入れた生地にラズベリージャムを敷きこみ、その上にまた同じ生地を格子状にかぶせて焼いたもの。ウィーンではお菓子の名前にリンツ風とついたものは、表面を格子状に仕上げたものと決まっています。

オーストリアのお菓子SHOP情報
オーストリア菓子 サイラー
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リリエンベルグ
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