エメラルドグリーンの大きな粒、芳醇な香りと上品な甘さから「果物の女王」と評される《マスカット・オブ・アレキサンドリア》。 高級フルーツ店のちょっと敷居が高い感じの棚に、燦然と輝いているあの高級ぶどうの代名詞ともいえるフルーツです。 マスカットといえば、岡山県・・・というのは、フルーツ好きなら誰でも周知の事実ではありますが、なんとその生産量は全国の生産量の90%以上を占めるそうです。 そもそも、岡山県でマスカットの栽培が開始されたのは明治19年。当初は岡山県以外でも全国各地で栽培が試みられたものの、マスカットの原産地であるエジプトは高温・乾燥の地であり、気候の合わない日本での栽培は困難を極めました。その中で、岡山県は「晴れの国」と呼ばれるほどの温暖で長い日照時間、そして小雨という瀬戸内の恵まれた環境の下、先人たちの栽培技術の研究にかける並々ならぬ努力によって、130年に渡る長い歴史を持つ国内生産量90%を超えるマスカット王国となりました。 そして今年は、岡山県でマスカット栽培が開始されてから130周年という記念の年となります。 去る6月11日(土)と12日(日)の2日間に渡り、この130周年を記念した「岡山ぶどうマスカットフェア」が千疋屋総本店の12店舗において開催されました。 各店の店頭では、《マスカット・オブ・アレキサンドリア》が大々的にフィーチャーされ、日本橋本店では、期間中岡山県から生産者や県職員、フレッシュおかやまキャンペーンガールなども応援に駆け付け、《マスカット・オブ・アレキサンドリア》の至極の美味しさを伝えるべく、試食販売が行われました。 |
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フェアでの販売は一房4,320円と比較的手ごろでしたが、店内には桐の箱に入った一房17,280円という超高級な《マスカット・オブ・アレキサンドリア》も |
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ちなみに、今年の《マスカット・オブ・アレキサンドリア》の生育状況は、春から天候に恵まれ、非常に良いそうです。 先月、5月30日に大田市場で行われた《マスカット・オブ・アレキサンドリア》の2016年初競りでは、30,000円で落札されました。 また、初競直前に1粒の糖度を計測すると、平均糖度は18度程度と言われているのに対し、なんと糖度計が22度を指し示し、今年は評判以上の出来栄えであることを窺がわせました。 |
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天候に恵まれ、大切に育てられすくすくと育ったマスカット・オブ・アレキサンドリアの収穫の様子 |
最後に《マスカット・オブ・アレキサンドリア》の食べ頃の見分け方と、美味しい食べ方をご紹介します。 まず、食べ頃の粒は、エメラルドグリーンに琥珀色がかかったような、澄んだ黄緑色の粒。 そして、美味しい食べ方は、 果実を皮ごと軽く水洗いして(水に浸けず、流水で洗う)、少し冷やしてから、皮ごと粒のまま口の中に入れます。皮と果肉の間にうま味があるので、果実を噛んだ瞬間に広がる芳香は格別です。 |
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粒表面の白い粉はぶどう自身のミネラル成分である「果粉」で、これが新鮮さの証明となっています。果粉がとれると商品価値も下がるそうです |
美味しい食べ方のところにも書いてありますが、果実は皮ごと食べるのがおススメです。なぜなら、皮には「アントシアニン」が多く含まれており、視力回復・活性酸素の除去効果が高いなどの効能があるからです。 クレオパトラも愛した果物《マスカット・オブ・アレキサンドリア》は、リンゴ、梨など他のフルーツに比べ、糖分の吸収率が高いため、夏バテぎみの方、疲労回復や産前産後の妊婦さんにも良い食べ物だそうです。 そして、血の巡りをよくしたり、肌の酸化を防いだりと、うれしい効能も期待できる素晴らしいフルーツなのです。 これから夏に向けて、お中元にも最適な《マスカット・オブ・アレキサンドリア》 “マスカット”という名前は、「マスク MUSK=麝香(じゃこう)の香りがする」という意味。高級フルーツの双璧のもう片方とも言える「マスクメロン」も同じ語源です。 味よし、香りよし、そして体にもやさしい《マスカット・オブ・アレキサンドリア》を、あなたの大切な方に、この夏、ぜひ贈ってみてはいかがですか。 |
◆ 千疋屋総本店 http://www.sembikiya.co.jp/ ◆ JA全農おかやま 園芸部 マスカット・オブ・アレキサンドリア http://www.014okayama.jp/fruits/alex/ |