始めに言っておきますが、『ねいろ屋』さんは、らーめん店です。 雰囲気のある個人店が立ち並ぶ、荻窪の“教会通り”にあります。 |
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店頭にはらーめんと氷の2つの文字が。そして曜日や時間帯によっては行列も |
10年くらい前までは、らーめんの食べ歩きもしていた私ですが、ここ数年は歳のせいか胃に重く感じるようになって、ほとんど食べなくなってしまいました。 そんな私が『ねいろ屋』さんに伺うきっかけになったのが、“かき氷を提供しているから”。(初訪問の日のtweet“今日のBGMはOASISです”も背中を押してくれた(笑)) とはいえ、「らーめん食べた後にかき氷食べられるかなぁ・・・」と一抹の不安はありました。 オーダーしたのは塩らーめん。澄んだスープに余計な脂を取り除いたチャーシュー・やわらかそうな穂先メンマ・・全体的にさっぱりしていそう! スープを一口、二口・・・すんなりと胃に染み込み、モチッとした太麺も味わいがあり、あっという間に食べきってしまいました。麺の量はやや少なめなのでしょうか。ちょうどいい量でした。 (らーめんに詳しい方ならもっとうまく表現できるのでしょうが・・・これでお許しを!) お腹いっぱいになったというより、さらに食欲がわいてきた感じ?! かき氷を食べるための胃の準備は完璧です。 |
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入って右側のテーブルに座ると、削氷機が見えます |
ふと視線を上げると、6席(現在7席)ほどの小さいお店の壁にはギターが飾られています。 実は店主はミュージシャン(バンド“ハイバナ”のギタリスト)でもあるのです。 お1人で店を切り盛りし(8月の営業時間内だけは増員して2人)、仕込みをし、作詞作曲活動やライブ活動もこなし、日光まで天然氷を取りに行き、シロップも手づくり! そんな忙しい日々の合間を縫うようにらーめんやかき氷の食べ歩きもしてしまう! いったいどれが“主”なのかな?と思いますが、らーめんも音楽もどちらも本気! もちろんかき氷からも「本気」ビシビシ伝わってきます(かき氷業界全体の事まで考えている! いろいろなかき氷店とも進んで交流を持とうとしていらっしゃいます)。 |
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いちごのかき氷。濃厚に見えるシロップですが、意外とすっきり! |
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いちごの夏バージョン。さっぱり仕上げにしたそうです。個人的には以前の方が好きです |
まずは定番のいちご。 甘酸っぱくて美味しい!・・・あれ、この雰囲気・・・愛媛の今治にある『登泉堂』の味にちょっと似ているかも。 「いちごは愛媛の実家から送ってもらっているのですが、今治に近いところなんですよ。だから、もしかすると使っているいちごの種類が同じなのかもしれないですね。でも自分自身は登泉堂のかき氷は食べたことないんです」。 へぇ、そうだったんですね! 他の果実系シロップは、さっぱりとしたグレープフルーツやレモン、ブルーベリーなど。仕込んだシロップがなくなると新しい味のものが登場したりと、目が放せません(過去にはマンゴーやチェリーなども)。 |
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比較的初期の頃に食べたレモン。酸味より皮のほろ苦さを感じさせるシロップです |
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ブルーベリーヨーグルト。今はヨーグルト無しで提供。というのも、しっかり酸味のある理想のヨーグルトが手に入らないので・・と。自分で作ろうかとも考えたそうですが、忙しくてそこまで手がまわらない?! |
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今はメニューにないマンゴー |
またここならではの品として“ピスタチオミルク”があります。 ナッツが大好きという店主の思いが詰まった一品。ただ、原価が高いのと手間がかかるので(最初の頃は殻をむくところからやっていたそうですが、今は殻無しのものを。ピスタチオの皮を取り除くのが手間なようです)、こればかりに注文が集中してしまうと店主の体力が心配になってしまうので・・・皆様ほどほどに(笑) |
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ピスタチオがかき氷になるなんて! ピスタチオのお値段が高いことはよく知っているので、なんて贅沢なかき氷だろうと思いました。ピンクペッパーをあしらっています |
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ナッツシリーズ(?)で、もうひとつ。“アーモンドミルクココア” 粒々感の残るアーモンドミルクシロップと、隠し味に塩を入れた甘くないブラックココアシロップをかけ、見た目はかなりシック。 味は“ちょっと大人のアーモンドキャラメル”という印象。これも人気があるようで、私は2回ふられて、3回目にしてやっと食べることができました。 |
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アーモンドミルクココア。この日は店内満席で、外で食べさせていただきました。ちょっと恥ずかしいけれど、かき氷だけなら外で食べたほうが美味しい! |
それから今までで度肝を抜かれたのが、“ウルトラジンジャー” ジンジャーのかき氷を出す店は最近とても多いのですが、ほとんどは自家製ジンジャーエールの元的なシロップ(生姜をベースに、店によってはカルダモン・シナモン・クローブ・ペッパーなどのスパイス類を入れたり)。 ところがこちらはらーめん店ならではのアプローチという感じで、花椒(山椒)・唐辛子・青胡椒などを使用。さらに油も使っているのです(ラー油とかネギ油を作る要領で、香辛料の味を引き出したオイルを作る)。 氷(水)と油を大胆にも合わせるという発想にびっくり。そして食べ進むにつれ、ビリビリ&ヒリヒリと痺れと辛さがたまる! 冷たいのに身体の中心からポカポカしてくるという、脳が混乱しそうな状態(笑) ちなみにこれは売り切れじまいで、今は提供していません。 |
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他にも“ハニーキューカンバー”(プリン+醤油=ウニと同じような感じで、胡瓜+蜂蜜=メロンの味というのがあるではないですか。発想はソコ!)も意外な美味しさ。 私の印象は、メロンというよりスイカに近い味。途中から添えられたシークワーサーを絞ると、青い香りが抑えられて雰囲気が変わります。 私は食べていないのですが気になって仕方ない“バターミルク”は、マルセイバターサンドから着想を得たとか! バターをしっかり乳化させてシロップを作るそうですが、言われなければ普通のミルクのかき氷と思う方もいるかも・・・と。ぜひ自分の舌で確かめてみなくては。 美味しいだけでなく楽しいかき氷って、意外となかったかもしれないなぁと、新鮮な印象を受けています。 |
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氷の削りもご本人は「まだまだ」とおっしゃるけれど、確実に進化しています。 やはり“好きこそ物の上手なれ”ですね。 |
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ある日のかき氷メニュー |
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キウイ。グリーンとゴールドの2種類を使うことで、色合いと甘さのバランスが取れているように感じました |
話を少し戻して・・・らーめんは太麺だけでなく細麺もあり、スープによって使い分けています。 濃厚鶏そばや、定番ではないけれど煮干らーめん、つけ麺もあり、行く度に迷いますが、お気に入りは塩らーめん☆ ちなみにらーめんを食べた方は、かき氷100円引きです。これは嬉しいサービス。 |
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ある日のらーめんメニュー |
かき氷の提供期間はまだ決めていないそうですが、1年中通してという可能性は低そう。とりあえず9月いっぱいは提供されるようです。 らーめん店だけに、8月は店内にしっかり冷房がきいていたので、かき氷を食べるにはちょっぴり寒かった。 なので、かき氷を食べるなら真夏の前と後がベストシーズンかも。 以前、「多忙なのに、日光まで行くのは大変では?」とお聞きしたことがあります。 「あちらの方面に美味しいらーめん屋さんもあるし、食べに行くついでなので!」と。 うーん、ポジティブ☆とにかく知れば知るほど応援したくなります。 |
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塩らーめんの細麺バージョン。この日は豚肉のチャーシューと、低温調理の鶏肉が1枚ずつ添えられていました。この鶏肉がうまかった〜 | 濃厚鶏そばに卵をプラス。濃さも調節できるとのことで、少し薄めにしてもらいました |
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限定商品の煮干しょうゆ | 帆立オイルのつけ麺。鼻から抜ける帆立の繊細な香りが心地いい。むしろスープに入っている刻んだチャーシューさえもいらないと思いました |
ねいろ屋 | ||||
住所:東京都杉並区天沼3-26-14 | ||||
Tel:03-3392-2878 | ||||
定休日:火曜日・第2,4水曜日 | ||||
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※変更がある場合はtwitterで告知されます この時間割は、以前からのらーめんファンの方、そしてかき氷目当ての方にも配慮した結果だと思います。 らーめん好きの方にはかき氷の美味しさを、またかき氷だけ食べにいらっしゃった方も「らーめんも美味しそう・・食べてみようか!」と、客層が広がっていくといいのですが。 実際、隣でかき氷を食べていた女性2人が「次に来る時はらーめん食べようね!」と話しているのを聞いて、嬉しくなってしまいました。 |
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