ある時はおやつに、ある時は手土産に。そしてクリスマスの夜にはキレイにお化粧されてビュッシュ・ド・ノエルに…。様々な顔を持つロールケーキ。その起源をたどると、フランスのビッシュ・ド・ノエルを始まりとする説、南蛮菓子のタルタを始まりとする説・・・と、諸説あるようですが、日本に定着したのは昭和30年のこと。山崎製パンがスイスの「ルーラード」を参考に、スポンジ生地にバタークリームを巻き込んだ「スイスロール」を発売し、これを契機にロールケーキは一気に全国区となったそうです。 薄く延ばしたスポンジ生地と、クリーム。そのシンプルな構成が、作り手の研究心と、食べ手の食指を刺激したのでしょうか。最近ではロールケーキの専門店が登場したり、ヘルシーな野菜や和素材を使ったり、米粉を使ったアレルギーフリーのものが人気を博すなど、“国民的おやつ”は、時代と共にさらなる進化を遂げているようです。 そうそう、6月6日は、「ロールケーキの日」だそう。今回は、ロールケーキの日を記念して、シンプルロールを中心に、パナデリアおすすめのロールケーキを集めてみました。パティシエのこだわりがクルクルと巻かれたロールケーキ、あなたはどれを選びますか? (2008.5) |
|
オ・グルマン・カプリシュー | |||||||
![]() 天使のおやつ \1,000 「小麦アレルギーのお子様も安心して食べられるように」と、生地には小麦粉を使わず、米粉を使用。キメが細かく、サラサラと口の中で溶けるよう。「カステラが好きなので、カステラのようなしっとりとした食感を目指しました」と、杉本シェフ。“天使のおやつ”という名前の通り、優しい味わいと軽い食感が魅力です。ふんわりと巻かれた生クリームが、中心部にたっぷり。タカナシ乳業の47%を使用し、砂糖の量は8%。豊かな乳風味と、コクのあるクリームがあっさりとした甘さの生地とマッチしています。 |
|||||||
|
↑目次へ戻る |
自由が丘ロール屋 | |||||||
![]() 自由が丘ロール \1,890 那須の御養卵を使用し、素材のフレッシュ感が伝わる素直な味わい。ジェノワーズ生地は、ふんわりしっとりと軽い食感で、たっぷりのクリームを引き立てます。クリームは、生クリームとクレーム パティシエールの2層タイプ。数種類の異なる乳脂肪分のものを使用して作ったオリジナルの生クリームは、コクを感じつつすっきりとした後味。米粉を使用したクレーム パティシエールには、タヒチ産バニラビーンズを使用。しっかりと甘さを主張しつつも、口当たりの軽さが魅力的。シンプルだからこそ、こだわりぬいた味わいが光るロールケーキです。 |
|||||||
|
↑目次へ戻る |
シュークルダール | |||||
![]() ロールケーキ \1,050 明るい黄色味の美しい生地は、しっとり柔らか。ジェノワーズ生地は、バターでコクを出し、バニラで優しい香りをプラス。「スタンダードでシンプルな配合だからこそ、材料の新鮮さが命。卵はフレッシュなものを使い、黄身を多めにすることで、卵の風味が引き立つようにしています」と熊坂シェフ。生クリームは、オーム乳業の35%。乳の香りの良さと、ミルキーな生地の軽さにあわせて、クリームも軽めに。口の中で同時に溶け合うバランスが絶妙です。トップのバニラシュガーが、食感と甘みのアクセントに。「カステラのざらめ糖」をイメージしたのだそうで、どこか懐かしさも感じさせます。 |
|||||
|
↑目次へ戻る |
セ・ラ・セゾン! | |||||
![]() トライフルロール \2,200 清水シェフがキハチ時代に考案し、大ヒットとなったトライフルロール。しっとりとして弾力のあるジェノワーズ生地は、南蛮窯で焼きあげたもの。薄く焼きあげ、あっさりとした味わいの生地がクリームとフルーツを引き立てます。持つとずっしりと重さを感じるほど、たっぷりのクリームが嬉しい限り。中沢乳業の42%の生クリームとパティシエールを合わせ、キウイ、イチゴ、マンゴーなど旬のフルーツがちりばめられています。2種のクリームは濃厚すぎず甘さも控えめで、新鮮なフルーツの甘さや酸味を活かします。「パクパクと安心して食べられる素直においしいケーキ」「旬の素材が持つ力を最大限に活かしたケーキ」・・・その想いすべてが巻き込まれた、清水シェフの代表作です。 |
|||||
|
↑目次へ戻る |
パティスリーマナ | |||||
![]() マナロール \850 卵の香りが優しく、カステラのような懐かしい味わいの生地は、卵・砂糖・粉のみのシンプルな配合。砂糖と粉は少なめの配合、卵の力でふんわりと焼き上げています。「栃木県那須の御養卵を使用することにより、ボリュームと弾力のある生地ができます。夏場は、水分の多い卵ができてしまうので、なるべく元気な若い鶏の卵に切り替えるなど、配慮しています」と、松原シェフ。クリームは、中沢乳業の35%を使用。砂糖は使わず、シタデールのメープルシロップで優しい甘みを付けています。店では1日2回の焼き上げで、出来たてのロールケーキを提供。「僕自身は1日目のふんわり感が好きですが、2日目のしっとり感が好きとおっしゃる方もいます」とのこと。甘さが控えめで、優しい口当たりのマナロール。1本でもペロッと食べられるので、2日目まで取っておくのが難しそう・・・。 |
|||||
|
↑目次へ戻る |
プレリアル成城 | |||||
![]() 生ロール \900 成城アルプスの「モカロール」に対し、生クリームを使ったシンプルなものを・・・と、プレリアル成城用に開発されたロールケーキ。生地色の鮮やかなイエローと、生クリームの美しいホワイトのコントラストが綺麗。キメが細かく、やわらかなジェノワーズ生地は、卵が多めで粉が少なめの配合。伊達巻を思わせるような、しっとりとした口当たりと、甘い卵の香りが心地良い。焼成には、機密性の高さに定評がある久電舎のセラミックオーブンを使用。パサ付かないように、焼き加減に一番気を使うそう。「生クリームは中沢乳業の42%を使っています。クリームのコクと軽さを兼ね備え、美しい白さが特徴的。また、冷えると固まるため保形性の良さも利点です」と、太田シェフ。口の中に入れると、生地とクリームが同時に溶けていく感じが、とても上品な味わいのロールケーキです。 |
|||||
|
↑目次へ戻る |
マ・プリエール | |||||||
![]() マプリ純生ロール \1,450 焼き目を上にしてふわりと優しく巻き、粉糖で仕上げた見た目がとてもおいしそう。生地の特徴は、爽やかなレモン風味。「ボリュームがあるが、最後の一口までさっぱりと食べられるように」と、猿館シェフ。レモンオイルを用いることで、焼成してもしっかり香りが残っています。また、サラサラ・・・と溶けるような口どけも魅力。「少量のお湯を入れて、しっかりと卵を立てることで、キメが細かく口当たりの良いジェノワーズに仕上げています」とのこと。クリームは、タカナシ乳業の35% と、森永乳業の47%を合わせて使用。2種のクリームを使うことで、北海道生乳の乳風味とコクと、低脂肪クリームの軽さを活かしています。クリームに加える砂糖は、フロストシュガーを使って優しい甘さにしているのだそう。純生タイプ以外は、季節のフルーツを巻いたフルーツロール、ショコラロール、米粉ロールの4タイプも販売。 |
|||||||
|
↑目次へ戻る |
ラ・レーヌ | |||||||
![]() 王妃のロール \1,050 南蛮窯で焼きあげたカステラ風の生地が魅力のロールケーキ。表面の焼き目から薫る、ハチミツと卵の優しい薫りに思わず笑顔がこぼれます。生地には米粉を使っているのだそうで、「小麦アレルギーのお客様にも食べていただけるように」と、本間シェフ。しっとりふっくらボリューム感のある生地は、食感は軽いのに卵のコクをしっかり感じさせます。クリームには森永乳業の45%を使用。生地のボリュームに対し、クリームが比較的少なめですが、高脂肪でコクがあるので物足りなさを感じさせません。 |
|||||||
![]() 季節のロール(フレ−ズ) \1,350 ※季節限定 小金井の農家から仕入れる旬のイチゴを巻き込んだ、期間限定のロールケーキ。「小麦粉の量を抑え、ふんわりとさせています」と、シェフがこだわるジェノワーズ生地は、キメが細かく、口どけの良さが特徴的。森永乳業の45%の生クリームとパティシエールの2層のクリームが、まろやかに生地と一体化し、イチゴの甘みと酸味を引き立てます。イチゴが終わったら、トロピカルフルーツを使った「季節のロール」を販売する予定だそう。こちらも、楽しみです! |
|||||||
|
↑目次へ戻る |
リリエンベルグ | |||||||
![]() キャラメルバナナのロールケーキ \1,260 ※季節限定 リリエンベルグならではの、こだわりが光るロールケーキ。「讃岐で作られる、和三盆の材料“白下糖(しろしたとう)”から作ったシロップをジェノワーズ生地に使用しています」と、横溝シェフ。 全卵、粉、バターとあわせた生地は、南蛮窯でふんわりと焼きあげ、焼成後も白下糖のシロップを打ち、さらにしっとりとした食感に。コクと温かみのある優しい甘さは、どこか懐かしい味わいです。クリームはタカナシの42%を使用し、自家製のキャラメルコンフィでソテーした完熟バナナを巻き込んでいます。バナナのねっとりと濃厚な味わいと、甘さ控えめのクリームが、生地とのバランスが抜群。こちらは季節限定の商品ですが、レギュラー商品の「リリエンベルグのロールケーキ」もおすすめ。びわのハチミツと生クリームが入ったカステラタイプの生地に、生クリームを巻き込んだシンプルなロールケーキ。どちらにしようか迷ってしまいそう! |
|||||||
|
↑目次へ戻る |
ル・パティシエ・ヨコヤマ | |||||||
![]() 谷津ロール \850 明るいクリーム色の生地でふんわりとクリームを巻き込んだ、見るからに優しさあふれるロールケーキ。絹のようにキメこまやかな生地は、口の中に入れた瞬間に溶けていくようななめらかさ。「小麦粉には、粒子の細かさが特徴の『宝笠ゴールド』を使用しています。卵黄を少し多めにし、粉は控えめ。ごく少量の気泡剤を使用し、軽い口当たりに仕上げています。」と、横山シェフ。南蛮窯で焼きあげ、中までしっかりと火が入った生地は、翌日もふんわりとしています。クリームは中沢乳業の35%。空気を含んだ軽い食感のクリームには10%の砂糖を加え、しっかりと甘さをつけています。素直なおいしさと優しい味わいに、1日400本の売り上げを誇るという人気もうなずけます。その他、カステラ生地のタイプもあり、こちらは全卵で仕上げた甘めの生地。両方買って食べ比べもできてしまう、リーズナブルなお値段もうれしいところ。 |
|||||||
|
↑目次へ戻る |
ル・ププラン | |||||
![]() ロールケーキ \600 綺麗なクリーム色が上品な佇まいのロールケーキ。スルスルと体の中を流れていくような、心地よい軽さと優しい味わいは、一度食べたらとりこになってしまいそう。厚さ1cmほどの生地は、シフォンのようなしっとりふわふわの食感が魅力。「ポイントは時間をかけてしっかり卵を立てること。コンベクションオーブンで焼いているのですが、生地が薄いので焼き加減に気を付けています」と、岡本シェフ。180℃で6分と、短めに焼き上げます。生クリームはタカナシの「クレームフルーレット北海道35」を使用し、甘さは控えめに。ジェノワーズは普通よりもやや砂糖を多めにしているとのことですが、全体的にはすっきりとした印象の味わいとなっています。300円のハーフサイズも人気。2人分・・・とはいわず、ぜひ独り占めして食べたいもの。 |
|||||
|
↑目次へ戻る |
レジオン | |||||||
![]() ルーロ・レジオン \1,080 素朴な色合いの生地は、焙煎した玄米粉と米粉を使用。「小麦アレルギーのお子様も食べられるように、小麦粉は使用していません。普通のジェノワーズと同じ製法ですが、小麦粉に比べてたんぱく量が少ない粉を使っているので、生地にボリュームを出すために、少しコツがいります」と、藤巻シェフ。奥深い粉の旨みと、無精製の砂糖によるコクのある甘さが凝縮された生地は、普通のジェノワーズと一線を画すもの。しっとりとした食感に、表面の焼き色が香ばしさを添え、生地のおいしさを引き立てています。クリームは、有機卵で炊き上げたパティシエールとタカナシの34%の軽い生クリームをマーブル状にあわせたもの。優しい味わいと自然な甘みに、口だけでなく体も喜ぶロールケーキです。 |
|||||||
|
↑目次へ戻る |