〜 3/14(初日)〜


3月14日、ホワイトデー。いよいよ「世界パティスリー 2009」の幕が切って落とされました!
フランス「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」、アメリカ「WPTC(World Pastry Team Championship)」といったパティシエの2大世界大会に続く、アジア初の大会として生まれた「世界パティスリー」。その記念すべき第1回目を飾る大会だけに、会場となった東京ドームシティーJCBホールは、報道各社と観客の熱気、そして各国から集結した選手達の緊張感に包まれていました。

巨大スクリーンの袂には、全8カ国の厨房ブースが。これからどんな戦いが繰り広げられるのでしょうか


開幕式には、選手チームが自国の旗を掲げて続々と登場。フランス、イタリア、アメリカ、オーストリア、シンガポール、マレーシア、中国、そして日本。選手たちそれぞれの、真剣な眼差しと引き締まった表情に、この日に向けて重ねてきた練習と努力が顕れています。

トリコロールを颯爽となびかせて登場するフランスチーム。先頭から、キャプテンのアントワーヌ・サントス氏、ローラン・ポワルヴェ氏、ブルノー・ルデルフ氏

緊張の面持ちの日本チーム。左からキャプテンの秋城俊徳さん、鍋田幸宏さん、野田朋宏さん


「特定の国が有利になることが無く、選手がストレスなく戦えるようなクリーンなジャッジ」を目指すべく、審査員は自国の審査には参加しないルールを導入。さらに、オープンジャッジにして公平性を大切にし、審査を審査する“ジャッジ・オブ・ジャッジ”を取り入れたことも、今大会の特徴のひとつ。

各国の作業審査員、及び味覚審査員は錚々たるメンバー。前列左から、ステファン・トレアン氏、中島眞介氏、喜島立也氏、イジニオ・マッサーリ氏

大会特別実行委員及び、審査委員長を担ったのは、オーボンヴュータン オーナーシェフ河田勝彦氏


開会の挨拶は、世界パティスリー2009大会組織委員会総裁を務める、森 嘉朗衆議院議員(元内閣総理大臣)から。
「故郷の石川県から上京して初めてケーキを食べた時は、東京の文化を感じたものです。それから仕事でヨーロッパ各国を巡る中で、様々なケーキと出会うたび、その大きさにびっくりしました。洋の文化、そして和の文化を取り入れた日本の洋菓子は、まさに“わび”の世界。これからもさらなる日本のケーキ産業の発展を願います」

森 嘉朗衆議院議員(元内閣総理大臣)からの挨拶


競技のスタートは、12:00ちょうどから。カウントダウンの声が響く中、選手は全員腕を組み、スタートの瞬間を待ちます。ピンと張り詰めた空気に、ビリビリと高揚感と緊張感が伝わってきます。

目を閉じて口を真一文字に結び、または満面の笑顔で・・・それぞれの表情で、世紀の瞬間を待つパティシエ達


今大会のテーマは「エコロジー」。パティシエたちはこのテーマの元、2日間13時間という時間内で、アメ細工ピエスモンテ、チョコレートピエスモンテ、皿盛りデザート1種類(10皿)、アントルメ1種類(3台)、ボンボンショコラ2種類(各16個)、ガトー・ド・ボワイヤージュ(3台)、プティガトー3種類(各13個)を作り上げていきます。

まず初日に行なわれたのは、皿盛りデザート、アントルメの競技。各ブースでパティシエたちが作品を作り上げていく間には、小山進シェフや、辻口博啓シェフなど、大会特別協力委員を務めるパティシエ達による、競技の説明やトークセッションなどが繰り広げられました。

三嶋隆夫氏(フランス菓子16区 オーナーシェフ)、大橋健二氏(夢菓子工房ププリエ オーナーシェフ)のトークセッション


また、会場内の大きなスクリーンには、オンタイムで選手の手元が移され、技術の説明や、各国の特徴がわかりやすく解説される場面も。この素材とパーツから、いったいどんな作品に仕上がっていくのだろう・・と想像が膨らみます。会場にはスイーツ好きはもちろん、ご自身でお店をされている方なども来場されていて、普段はなかなか目にすることのない作業工程を熱心に見つめていました。

“ピッ、ピッ、ブーッ”
競技開始から2時間が経過すると、皿盛りデザートの終了を知らせる合図が。いよいよ次は、8ヶ国の味覚審査員による試食へと移ります。試食といっても、当然、真剣勝負。審査員席は一列に並んでいますが、席と席の間が完全に仕切られていて、隣の様子が一切わからないような仕組みになっています。

うなずいたり、首をかしげたり・・・さあ、どんな判断が下されたのでしょう?


作品が前に運ばれてくると、一品一品の薫りを確かめ、断面を観察し、そしてゆっくり味わう審査員たち。皿盛りデザートとアントルメの審査基準は、仕上げの芸術性、技術的な完成度、全体のバランス、素材感、そしてオリジナリティ。多角的な視点で、審査が行われます。

味覚審査を行うイヴ・チュリエス氏


それでは、気になる初日の結果をご紹介します。まず、皿盛りデザートの結果は、フランスとシンガポール共360ポイントと同順1位。その後に続いたのは335ポイントの日本でした。
そして、アントルメ部門。なんと、またまたフランスが1位!日本が2位、シンガポールが3位となり、フランス、日本、シンガポールが優勢という内容になりました。

つややかでシックな装いのフランスチームのアントルメ。シンガポールチームは、赤と緑のコントラストが華やかです。どんな味がするのでしょうか・・・?食べられないのが残念です

日本チームのアントルメ。中央に穴の開いた個性的なスタイルです


とはいえ、本番はまだまだこれから!翌日は、今大会一番の見所であるアメやチョコレートのピエスモンテ、さらに、チョコレートボンボンなどの審査も行われます。
このままフランスが快進撃を続けるのでしょうか、それとも・・・!?






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