〜 3/12 前夜祭〜


アジア初、日本発となる世界大会「世界パティスリー」に、世界各国最新スイーツを発信する「スイート・スイーツ ジャパン」という話題性たっぷりのイベントは、3月12日の前夜祭で幕を開けました。会場は、東京ドームシティの敷地内にあるプリズムホール。中に入ると、たくさんのブースがお出迎え。海外や国内のパティスリー、製粉会社や乳業会社などの材料メーカーや機材メーカーが並んでいて、さながらミニ見本市のようです。さ〜て、どこから攻めようかな・・・なんて見渡すと、一番奥のステージ前に、もう人だかりができています。なんと、壇上に、元文部・農林水産大臣の島村宜伸氏の姿を発見!

ずらりと並ぶ企業ブース。新製品や珍しい品など、新たな出会いがあるかも?!

トップバッターを飾るのは、衆議院議員の島村宜伸氏


「洋菓子の世界では、現在、フランスのクープ・デュ・モンドやアメリカのWPTCなどの世界大会が開かれています。それらに続いてアジア初の世界大会がもたれるのは、非常に喜ばしいこと。これを機に世界のパティシエたちの技術がますます高まり、スイーツ業界も活性化されることを願っています」
厳かで重みのあるエールをいただいて前夜祭はスタートしました。それにしても、なぜ、議員さんが挨拶を? 実は、世界パティスリーは、国を挙げての一大プロジェクト。パティシエたちが競演する場であると同時に、世界の食と文化の交流を通じて国際親善をはかろうという大きな理念をも掲げているのです。大会組織委員会の名簿には、名誉総裁に常陸宮正仁親王殿下、総裁に元内閣総理大臣の森 喜朗氏、会長に島村宜伸氏など、錚々たるメンバーが並んでいます。これはすごい大会になりそうです!

“日本生まれの「スイーツの世界顕彰」を”と意気込む、日本食糧新聞社の今野正義社長


「いよいよ、ホワイトデーに贈る、アジア発の頂上決戦の場を迎えることになりました。クープ・デュ・モンド、WPTCに続く、世界3大大会のひとつになることを確信しております。今大会で日本チームの力強いパワーを発揮してもらいましょう。乾杯!」
乾杯の音頭で盛り上げてくれたのは、日本食糧新聞社の今野正義社長。大会実行委員会の委員長を務めています。

モンサンクレールの辻口博啓シェフ。スポンサーにとらわれない、クリーンなコンクールを主張


皆がグラスを掲げて会の成功を祈り、気持ちがひとつになった頃、特別協力委員であるモンサンクレールの辻口博啓シェフが登場しました。
「この大会では審査が厳密に行われるように、“ジャッジ・オブ・ジャッジ”を掲げています。そして素材選びについても、全く制約のないようにと考えました。パティシエの情熱や仕事ぶりを日本の皆さんにも知っていただける革命的なコンクールになると思います」
各界の著名な方が次々とステージ上で紹介されるから、目が離せません。辻口シェフに続いては、イタリアチームを率いる監督のイジニオ・マッサーリ氏が挨拶をしました。そして次なる人物は・・・?

見るからに包容力がありそうなイジニオ・マッサーリ氏

パナデリア主宰の三宅 清。フランスからパティシエやブーランジェを招待しています


「それでは、三宅 清さん、お願いいたします!」
・・・え?!三宅さんってもしかして・・・?
「えー、私からは、海外からお呼びしたパティシエやお店を紹介させていただきます。まずは・・・」

フランス・ロアンヌのショコラティエ、フランソワ・プラリュさん

パリで大人気のパン屋「ル・カルティエ・デュ・パン」を構える、フレデリック・ラロさん

フランス産オーガニックチョコレートメーカーのアンドレ・ディベール社長


このイベントのために来日した職人を、順番に紹介する三宅。そうです、パナデリアも、ちょっとしたお手伝いをしていたのです。これまで培ってきたパン&スイーツの知識を活かし、海外ブースのいくつかをセレクトしたのでした。もちろんどこも自信を持ってお薦めできる店ばかりですが、中でも、
「一押しは、フランス・ノルマンディ地方からきた『ラ・メゾン・デュ・ビスキュイ』です。パリでも買えない門外不出のクッキーで、これはすごいですよ。今日は販売ブースの一部をオープンしていますので是非どうぞ!」
一枚食べたその時から、パナデリアがすっかり虜になってしまった、ラ・メゾン・デュ・ビスキュイ。どうか、皆さんにもこのおいしさが伝わりますように!

石田純一さんはテレビで見るお洒落なイメージそのまま!


ふう、三宅の紹介も終わってほっとひと息・・・なんてついてはいられません。華々しくライトを浴びながらついに、スペシャルサポーターのあの人が!
「こんばんは、石田純一です。皆さん、スイーツは文化です!最近はテレビや雑誌でもスイーツの話題は事欠かないですが、ただおいしく食べておしまい、という時代は終わったと思うんです。今は、作る側がアーティストとして注目される時代。だから日本選手も大いに頑張って欲しい!そんな気持ちも込めて、大会では靴下を履いて応援しようと思っています。なんだか“20年ぶりに”なんて言われて大層な話になっちゃいましたけど(笑)。今、何色にするか考え中です。日の丸の赤がいいのか、それともチョコレート色がいいのか・・・」
テレビを介して聞いているときよりも、もっと甘くてソフトな声が印象的。もちろん、女性陣は熱心に聞き入っています。会場中がふわっと優しい空気に包まれた瞬間でした。

優しい笑顔の服部幸應先生


そうかと思えば、
「いやあ、石田さんの後だと随分やりにくいですねえ(笑)」
といきなり笑いをとっていたのは、服部学園の理事長で、今大会の理事である服部幸應先生。穏やかながら独特のオーラで、皆の気持ちをぐっと惹きつけます。
「今から1ヶ月くらい前に、料理サミットというのをやりました。いわゆる料理学会というやつですね。そして今大会はコンペティション、競い合いです。これも必要で、こうしたところから文化が発展していくんだと思います。今、すごい不況ですが、乗り切れば必ず春がきますよ。そうそう、20日前後には桜も咲くそうです。今夜これだけ人が集まっていれば、もう成功は間違いなしですよ!」

「Wings to Fly 〜翼をください」「明日への鼓動」などが人気のKanonさん


さて、服部先生の掛け声に勇気をもらったところで、Kanon(カノン)さんのミニライブへと突入。カノンさんはクラシックとポップスを融合させた「クラシカル・クロスオーバー」アーティストとして注目を集めています。
「皆さん、こんばんは。今日は世界パティスリーのテーマソング『虹』と、それからアイススケーターの荒川静香さんがエキシビジョンで使った『You Raise Me Up』の2曲を歌います。大会にはもってこいの曲かなあと思ってセレクトしました」  清涼感があって力強く美しい歌声は、広い会場中の誰をも一瞬で魅了してしまうほど。まさに“ヒーリングを超えた聖なる歌声”という表現がぴったりで、歌の持つ力を改めて教えてくれました。

艶やかな羽の正体はゼラチン!見る角度で色合いが変わってとても綺麗


ミニライブで盛り上がった前夜祭もいよいよ大詰め!トリを飾ったのはTOKYO SWEETS COLLECTION。昨年の11月に開催された時にパナデリアでもご紹介したので、ご存知の人も多いはず。日本発の「パティシエ+スイーツ+ファッションショー」として話題をさらったイベントで、ようはスイーツとファッションをコラボしてしまおうというもの。「TSUMORI CHISATO」のコレクションにパティシエたちがお菓子を組み合わせて華を添えます。今回は、11月のイベント時に参加したシェフの中から、モンサンクレールの辻口博啓シェフ、トシ ヨロイヅカの鎧塚俊彦シェフ、ロートンヌの神田広達シェフの3人のシェフが登場し、ショーの一部を再現してくれました。ゼラチンや飴、チョコレートなどのスイーツを身に付けたモデルさんたちが登場すると、参加者のテンションも最高潮に。華やかな衣装に甘〜いスイーツの組み合わせは、五感を刺激する効果もあるようです。

「全て食べられる素材でテキスタイルを作り上げました。ゼラチンで固めた薄いシートを使っているんです。苦労したのは、モデルさんが歩いた時に美しく見えるようにデザインすること。それから、このコレクションのために“ゼラチン部屋”を作って、冷やして乾かして・・・といった具合で時間がすごくかかりましたね」(辻口シェフ)

色鮮やかなワンピースに合わせたのは、貝や真珠を思わせるブーケ。飴で作られています


「美しいものも大切ですが、お菓子っぽいことも大切。それをどう表現したらいいかをずい分考えました。普段は厨房にいるので、衣装と組み合わせたときのことを想像しながら作るのが難しくもあり、すごく面白い部分でした。モデルさんに着ける時にちょっと触れてしまったりして、ドキドキしましたけれど(笑)」(鎧塚シェフ)

頭には、ホワイトチョコレートとマカロンのさんご礁が!深海をイメージしているそう


「僕はわざと触ってましたよ(笑)。・・・というのは冗談ですが。えー、僕は頭につける素材としてチョコを選びました。ところが、初めは体温で溶けて壊れてしまって。考えたテーマに近づけるのも難しかったですね」
普段から仲のいい3人だから、息もぴったり。

パティシエとモデルさんの組合せが新鮮です

神田シェフのキャップにはキラキラのマカロンが。なんてゴージャス!


「ファッションとのコラボだけではなく、そこに音楽も組み合わせたりして、メディアミックスさせながら広げていくと面白いかなと。スイーツ業界のフィールドを広げていくひとつのきっかけになると思います。それにやっぱり楽しまないと!若いときはひたすらクリームばかり詰めていたり、マカロンばかり焼いている、そんな修業時代を経て、最後は楽しくやることが大切だと思うんです」(辻口シェフ)
確かに、パティシエもお客さんも楽しめる新しいスイーツの時代は、もうそこまで来ているのかも!スイーツの可能性はまだまだ無限大、そんな期待が膨らむコレクションでした。

締めくくりは、筆頭理事を務める、エーデルワイスの比屋根毅氏より

ちょっとしたイートインスペースもあるのが嬉しい


わずか1時間半という中、休む間もなく盛りだくさんの内容で繰り広げられた前夜祭。ちなみに、肝心のブースはというと、三宅の一押しの効果があったのか、ラ・メゾン・デュ・ビスキュイが大人気。皆、試食しては次々と購入していました。これは明日からの本番も期待できそうですよ!

無事に前夜祭も終わり、シェフたちもほっとひと息?






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