チョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」が今年もやってきました!伊勢丹新宿店を皮切りに、今年は全国7店舗で開催。過去最高となる全16ヶ国、約65ブランド、約40名のパティシエ・ショコラティエが一堂に集結します。チョコレートファンにとっては、興奮せずにはいられないこのイベント。お気に入りのショコラとの再会と、新たなる味わいへの期待を胸に、1月20日に行われたスペシャルプレビューに行ってきました!
第7回となる今回のテーマは「ショコラとアート」。開催のセレモニーが行われた7階バンケットルームには、深紅の壁にたくさんのショコラの写真が飾られ、まさに美術館のようでした。サロン・デュ・ショコラ恒例のファッションショーでは、この"ショコラの美術館"を舞台に巻き起こる、警官に扮した子供と小さな泥棒の追走劇や、ちびっこモデル達の大人顔負けのポージングに、会場は笑顔と拍手に包まれました。



サロン・デュ・ショコラ主宰のフランソワ・ジャンテ氏と、シルヴィ・ドゥース夫人。

「今年も、開催にあたりパティシエ、ショコラティエ達との絆がさらに深まりました。彼らの努力と才能に、賞賛を称えます」



絵本から飛び出したような"ショコラの妖精"は、客席に舞い降り、かごの中からショコラをプレゼント

「アニエス・ベー」「シャーリーテンプル」など人気の子供服ブランドの服を身にまとった、小さなグルマンンディー(食いしん坊)たち


最後は、来場パティシエ、ショコラティエが舞台上に続々と集合。世界から集まった有名シェフが一堂に並ぶ姿は、まさに壮観。みなさん満面の笑顔で、東京でのサロン・デュ・ショコラの開催を心から楽しんでいる様子でした

ファッションショーで、子ども達が顔や頭の上につけていたパーツは全てチョコレート。製作を担当したのはスリジェの和泉光一シェフです。
「モデルの子ども達が、ショーの直前に衣装のチョコレートを食べたい!と言ってきたり、本当に無邪気で。打ち合わせなど大変だったけど、楽しかったです」





「アート」をテーマに、ショコラティエのブースでは共通の角皿をキャンバスに、チョコレートで製作されたアート作品「角皿アート」を展示。作品には、それぞれのシェフの個性や技が光ります。ピエスモンテも多数展示され、買い物に忙しい来場客も、ふと足をとめて見入っている様子でした。


「フランク・フレッソン」では
"ショコラとマカロンの盆栽"を
展示。ショコラの枝の上には、
鮮やかなグリーンなどのマカロンが配され、迫力ある作品に






「ファブリス・ジロット」のブースでは、ファブリス・ジロット氏が最終仕上げの真っ最中。ブルゴーニュ産果実を鮮やかにショコラに忍ばせる、ジロット氏ならでは作品。フランボワーズは本物・・・?と思いきや、ホワイトチョコレートで出来ていました


さながら、美術館のようにショコラのアート作品を多数展示し、注目を集めていたのは「ジャン=ポール・エヴァン」、そして「メゾン・フェルベール」のブース。会場内では、二人のコラボレーションによるショコラデザート「クープ・ドゥ・グラス」がイートインで実現。プライベートでも仲の良いエヴァン氏とフェルベール氏だからこそできる、夢の競演です。



「ジャン=ポール・エヴァン」らしい、繊細さと遊び心を兼ね備えた作品。帽子の質感など、非常に細かい部分まで表現されています。男性の腹筋をイメージしてデザインした新作の「タブレットアブド」も、バレンタインでは話題の中心になりそう。ショコラ界のトレンドを牽引するエヴァン氏。今年も目が離せません!



「メゾン・フェルベール」では、フェルベール氏が長年あたためてきたという"ビジュー"(宝石)のモチーフをショコラに。砂糖漬けの花やアラザンがちりばめられた、スイートな輝きにうっとり・・・。新フレーバー、スミレのガナッシュが加わったアソートにも注目です

毎年、一際大きなピエスモンテで注目を集めるのは、「パティスリー キュブレー」。今回も、浅見欣則氏がストラスブールから来日しました。作品のテーマは、「バレンタイン」。手を合わせ祈るモチーフと、トップにそびえる二人の愛。浅見氏らしい、力強さと温かさが溢れる作品です。


会場内の熱気で溶けないように、冷気を当てながら微調整を。今年の「パティスリー キュブレー」の新作のひとつ「グレデヴォージュ」(\3,465)は、ストラスブールのノートルダム大聖堂に使用されたヴォージュ山脈の砂岩をイメージ。中にはフランボワーズのガナッシュ、そして表面には赤く色づけした粗目糖をまぶし、ヴォージュの砂岩特有のルビー色を表現しています




今年のサロン・デュ・ショコラで、"アート"と共に、もうひとつ注目されているのは、オーガニックやフェアトレードのチョコレート。BIOのクーベルチュール「KAOKA」を紹介するブースが設けられ、ジャン=シャルル・ロシュー氏や小山進氏によるボンボンやキャレが並んで、内容も充実。BIOのカカオが持つ、フルーティーな味覚や独特の野性味を引き出すのは、素材を知り尽くした職人の技があってこそ。



パナデリアでも注目してきた、オーガニックのチョコレートメーカー「KAOKA」のクーベルチュール。高品質でナチュラルな味わいと、独特の野性味を活かし、「ジャン=シャルル・ロシュー」では、11粒全てKAOKAのクーベルチュールで作り上げたアソートが登場


関西を中心に絶大な支持を集める「パティシエ エス コヤマ」の小山進氏。エクアドルのKAOKA農園に出向いた際に出会った少年、ダニエル君への希望と想いを形にした「ダニエルズカカオツリー」(\1,890)。ショコラに込められたストーリーと共に、映像作家の丹下紘希氏とコラボレーションした扇形のパッケージも話題になりそう


「プラリュ」からは、ついにBIOのピラミッドが登場。豆の選別、焙煎、加工まで一貫して手がける"カカオの冒険家"フランソワ・プラリュ氏の情熱が注がれたチョコレート。同じく今年初登場のBIOタブレットは、ドミニカ、エクアドル、ガーナ、マダガスカル、タンザニアの5種類。自然の恵みに感謝しながら、シングルビーンズの味わいを探検してみたい!




今年の、サロン・デュ・ショコラ東京初出店のブランドは、なんと14ブランド。もう既に、世界の有名ショコラトリーを網羅しつくしているのでは・・・と思っていたけど、まだまだ世界は広かった!フランスやベルギーだけでなく、イタリア、スウェーデン、ボリビアなど、各国から新しいショコラトリーが出店。その他にも、おなじみのショコラトリーから新作ショコラが多数登場していました。

イタリアより来日した「ドモーリ」の創始者、ジャン・ルーカ・フランゾーニ氏
「世界のカカオ収穫量の0.01%未満という希少価値のあるクリオロ品種を、より原生品種に近づけ、復活再生することがドモーリの使命」
甘いマスクに秘められた、チョコレートへの熱い眼差しにとろけそう!


芳香豊かな"アロマティックカカオ"の魅力を充分に感じることができるのは、クリオロを使用した「タブレットチュアオ(写真左)」(\1,260)。口の中に広がる長い余韻と、力強いカカオの味わい、そして体験したことのないようなまろやかさに、パナデリアスタッフも即買い!ナショナル種のアッリーバをベースにした塩入りタブレット「ラッテサル(写真右)」(\998)。バナナを思わせるようなまったりとしたミルクチョコレートと絡み合う、ゲランド塩のミネラル溢れる味わいは、従来の「塩チョコ」の固定概念を覆すおいしさ。こちらも、即買いでした!


同じくイタリアより、日本初出店を果たしたのは、爽やかなブルーのパッケージが印象的な「ヴェストリ」。フィレンツエのショップでは行列ができるほどの人気店。ヴェストリ社所有の自家農園で採れた有機栽培カカオを使用した「ヴィスタ・アレグレ」の他、唐辛子を練りこんだ「ペペロンチーノ」などイタリアらしさが溢れるチョコレートも



ボリビアより初出店の「エルセイボ」は、カカオ原産国にて、チョコレート製品まで製造する希少ブランド。チョコレート鑑定家クロエ・ドゥートレ・ルーセル氏が監修し、2年の歳月をかけて開発したこだわりの商品。「ドリンキング・チョコレート(写真左)」(\2,940)は、カカオ85%のチョコレートをそのままミルクに溶かして飲むというユニークなもの。会場でもイートインで楽しめるそうです。その他、エルセイボのショコラを使った3種のコンフィチュールなども


毎年、行列必須の「ベルナシオン」。今年も、内覧会の開始後数分で、「最後尾」の看板が会場内で揺れていました。
「リヨンのお客様は伝統的なものが好きなので、常に変わらないおいしさを提供するのが使命」というフィリップ氏。地元リヨンでは20年前から愛されているタブレット「ペピートス」(\2,100)が今年は日本初登場しています




素敵なポージングをしてくれたのは、「ボナ」のステファン・ボナ氏。栽培が非常に乏しい種である、メキシコ産カカオを使用したタブレット「Xoconuzco(ソコヌスコ)」(\3,570)に注目。皇帝用の貴重な品として伝わるカカオを使用したチョコレートだそうで、その値段にちょっぴり腰が引けてしまうだけでなく、食べる前に深々と頭を下げてしまいそう



フランスの小さな街、モンブリゾンの大きな巨匠「フィリップ・ベル」のフィリップ・ベル氏。カメラを向けると、ササッと手でヘアースタイルを整えてくれました(笑)。
ベル氏の作るショコラは、素材感を大切にした丁寧な作りこみが魅力。オランジェットは、スペイン産ナベル種のオレンジを使用。5日間シロップに漬けて徐々に糖度を上げ、自家製のクーベルチュールで仕上げているそう。クーベルチュールは、自らカカオ豆を仕入れて、全て手作りするというこだわり。甘いチョコレートにほろ苦いオレンジが包まれたオランジェットのように、温かな人柄の芯には、確固たる職人の真髄があるようです


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2009年の「サロン・デュ・ショコラ」。
今年は、「ショコラとアート」がテーマになっていましたが、数千年かけて自然が創りあげた"カカオ"を、いかにおいしいクーベルチュールにし、いかに素晴らしいチョコレートに仕上げるかに全ての力を注いできた職人達の仕事、プロセス・・・それこそ「アート」なのかもしれません。世界のショコラティエ達が集まる、6日間の幸福な祭典。皆様も、一粒でもたくさんの味覚に出会い、新たなるチョコレートの魅力に浸ってみてはいかがですか


【サロン・デュ・ショコラ】 

■期間:2009年1月 21日(水)〜1月26日(月) 10:00〜20:00 最終日18:00終了
■場所:伊勢丹新宿店本館6階=催物場
     東京都新宿区新宿3−14−1
■TEL 03-3352-1111

伊勢丹グループとして新宿店のほか、丸井今井札幌本店(北海道)、三越仙台店(宮城)、静岡伊勢丹(静岡)、名鉄百貨店本店(愛知)、ジェイアール京都伊勢丹(京都)、岩田屋本店(福岡)でも開催を予定。

http://www.isetan.co.jp/icm2/jsp/store/shinjuku/event/chocola/index.jsp


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