六角形の三辺を海に、三辺を山脈と8つの国境に接するフランスは、一言では言い表せないほど多彩な魅力をかかえた国。その豊かな魅力をアピールするフランス観光親善大使には、2000年よりフランスに縁のある著名人が就任してきました。そして、今年2013年度は女優の川島なお美さんと、夫でパティシエの鎧塚俊彦さんが就任しました。その任命式が、ワインとスイーツに縁のあるカップルにぴったりのホワイトデーに、広尾のフランス大使公邸で行われるというので伺ってきました。


まずはクリスチアン・マセ駐日フランス大使が登壇、任命式に向けてお話しをされました。
「みなさんは今更フランス観光のプロモーションを何故?と思われるかもしれません。しかし、フランスにはまだまだ伝えきれていない魅力があります。年間8千万人の観光客の中には日本人も多数いるわけですが、好奇心旺盛な日本人に更なる発見と感動をしてもらいたく、この3年来「感動大国フランス」をテーマに、フランスと日本の心をつなぐ感動体験をアピールしています。感動とは、人の気持ちに訴えること。例えばエトルタやアルデーシュ渓谷など自然の絶景、モンサンミシェルやルーヴル美術館などの文化遺産、ワインやガストロノミー、それに生きた文化遺産〜日本で言えば人間国宝、無形文化財に出会い感動することです。ぜひ、フランスを旅して感動に出会ってください」。

そうして川島なお美さん、鎧塚俊彦さん、お一人ずつに任命状を授与されました。

クリスチアン・マセ駐日フランス大使

マセ大使と任命状を手にする川島&鎧塚ご夫妻

右からマセ大使、エールフランス航空日本支社長、川島&鎧塚ご夫妻

続いてエールフランス航空日本支社長, リュック・ドラプラス氏より、旅の記録を綴ってくださいと、記念の万年筆を贈呈。
その後、この式のために来日されたフランスの人間国宝で、彫刻芸術家ジェラール・デカン氏が紹介され、ご自身の仕事について語られました。デカン氏は歴史の痕跡を「刻みつける」という媒体表現において、古代メソポタミアの印章彫刻に魅せられ、2006年からは金属シリンダーに、印を刻み、磁器に焼き付ける新しい試みをはじめられました。会場入り口付近に、展示されていた美しく神秘的な作品は、この任命式のために製作した限定ものなのだそう。世界に三つだけの真っ白い磁器に焼き付けたシリンダー印鑑、その二つが、フランス観光親善大使になられる川島&鎧塚ご夫妻にひとつずつ贈られたのです。

「グラン・ザトリエ・ド・フランス」会長を経て、現在は国立工芸学校副会長を務めるジェラール・デカン氏


展示されていたデカン氏のシリンダー印鑑とそれを焼き付けた磁器。麺棒のように磁器にくるくる伸していく感じなのでしょうか!?


デカン氏のような人間国宝とパティシエである鎧塚さん、手から感動を生み出すお二人にはどこか通じるものがありますね。日本でもフランスでも、こういった方とのふれあいは旅の貴重なお土産になると思います。


さて、いよいよお二人の登場です。
フランスのワイン産地より4つの騎士号を受けたワイン通でもある川島さんは、フランス語でユーモアを交えながら軽快なスピーチをされました。
「初めて仕事で行ったヨーロッパが19のときのニースとパリ、彼にプロポーズされたのもフランスで、またフランスに帰ることができるのはうれしい。日本とフランスの架け橋になれれば」と、意気込みを語ってくれました。
また、夫である鎧塚さんの名前は、スペイン語(yo=私)、フランス語(roi=王様)、ドイツ語(zuka=ズッカー=砂糖)と、3つの言語の組み合わせで「砂糖の王様」になるのだから、これほどぴったりな名前はないと称えると会場は笑いに包まれました。

一方の鎧塚さんは、自分はパティシエなので100の話をするより、お菓子で気持ちを表現したいと、自ら製作したピエスモンテを披露。ホワイトデーにちなんででしょうか、下はフランスのホワイトチョコレートで、上は飴細工、真ん中にフランスの象徴マリアンヌ、そして一輪の桜の花で日本をイメージ、透明感のあるシンプルな線で、フランスと日本が輝かしく未来にのびて行く感じを表現したのだそう。
「ヨーロッパに全部で8年滞在したうち、2年間をフランスで過ごした修業時代、コンクールで製作したことを懐かしく思いながら作りました。これから1年間、パティシエとしてフランスを目一杯PRしていきたいと思います」こう抱負を語られました。
そういえば、最近はスイーツを巡るフランスの旅も注目されていますね。鎧塚シェフのおすすめスイーツ紀行なんて、トピックやお菓子が案内されたら面白そうです。

この日のために製作した鎧塚シェフのピエスモンテ


フランス観光開発機構在日代表フレデリック・メイエール氏による乾杯の後は、お待ちかねのビュッフェパーティー。別室にセッティングされたテーブルには、目にも鮮やかなアペリティフの数々・・・。高低差で立体感を出したプレゼンテーションに、みなさんの食指も活発に動きます。さすがにフランス、料理もデザートも種類の多さに圧倒されます。こういう雰囲気を体験するにつけ、本場に行きたくなってきます。
そして、伝統的なフレンチに気持ちもお腹も満たされ、会場を後にしたのでした。
そうそう、帰り際に頂いた袋の中には、さりげなく鎧塚シェフのお店の焼き菓子が、ホワイトデー仕様で入っていました! さすがの心遣いにうっとり。
お二人にぴったりな仕掛けの数々、おかげさまで素敵なホワイトデーの夜を過ごすことができました。ありがとうございました。

一同揃って乾杯


色とりどりのアペリティフ


フランボワーズとローズのマカロン、ムース・ショコラ、フルーツサラダなどが会場を彩ります


乾杯のシャンパーニュは
ローラン・ぺリエ
デザートにはフランスらしい
ベリーのタルトも登場
フランスのチョコレートケーキといえば
オペラ!



◆フランス観光開発機構のサイト
http://www.francekando.com/

その中でお菓子好きには心弾むサイトも展開しています。
「フランス スイーツ巡りの旅へ」
http://jp.franceguide.com/home.html?nodeID=2793

電子パンフレット「フランス スイーツを巡る旅」
http://francejoshikai.com/leaflet_sweet/






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