去る8月5日、「第12回 キリ クリームチーズコンクール」の最終審査が日本菓子専門学校において実施され、同日夜には、ウェスティンホテル東京にて、入賞作品の発表ならびに表彰式が行われた。
フランス産クリームチーズとしては、日本での知名度は1番とも言える「キリ クリームチーズ」を使用したプロフェッショナル向けの製菓コンクールであるこの「キリ クリームチーズコンクール」、2000年に開始されてから、早いもので、今回第12回目を迎える。
業界の発展と次世代パティシエの育成という目的も、今ではすっかり定着した形となり、今回も応募総数191作品と、製菓業界を代表するコンクールとしての確かな地位を獲得している。

「生菓子部門」「焼菓子部門」「ファクトリー部門」に加え、前回から創設された「ジュニア部門」と、今回も4部門に分かれての募集となり、7月1日に実施された書類審査にて、4部門各5作品、計20作品が最終審査進出し、8月5日の実技審査へとつながった。
その実技審査を経て、見事受賞された方たちの作品と、当日の表彰式での様子を紹介したいと思う。



日本菓子専門学校にて行われた実技審査の様子


まず、それぞれの部門で最終審査に残った各5名の受賞者たちが壇上に上がり、紹介され、その後、主催者である「株式会社アルカン」代表取締役のロイド・S・ナカノ氏、「ベル ジャポン株式会社」代表取締役、大寛氏からの挨拶と続いた。
そして、「菓子工房 オークウッド」の横田秀夫シェフや「パティシエ エス コヤマ」の小山進シェフなど6名の審査員の紹介が行われた。
また、今回は、「ファクトリー部門」において、規定の部門賞に加え、「Mart 読者審査員 特別賞」を創設し、生活情報誌「Mart」(光文社)の読者層である女性、特に主婦層の目線で、10名の一般審査員に、作品の味や市場性を評価してもらったということで、代表して「Mart」編集長の大給近憲氏が壇上に上りました。

そして、いよいよ結果発表です。


まず、「ジュニア部門」の発表と表彰が、審査員である「菓子工房 アントレ」の高木康裕シェフから行われた。
今回、見事最優秀賞に輝いたのは、「(株)ホテルグランヴィア大阪」の藤野みさとさん。
作品名は「Mellow(メロー)」。

「ジュニア部門」最優秀賞

 藤野 みさとさん
 Mellow(メロー)




賞品のフランス研修旅行の目録を手に高木シェフと記念撮影をする藤野さん

そして、銀賞には「(株)ナカシマ」の小柳由香里さん、銅賞には「(株)ホテルグランヴィア大阪」の竹内雅子さんと女性陣の活躍が目立ったようだ。


次に「生菓子部門」の結果発表と表彰が行われた。
選ばれた最優秀賞は、無所属の寺山直樹さんの「Brigantin(ブリガンタン/帆船)」。
審査員の「アテスウェイ」川村英樹シェフからは、現在無所属という環境である寺山さんについて「道具や食材も限られた中での受賞は素晴らしい」とのスピーチがあった。

「生菓子部門」最優秀賞

 寺山 直樹さん
 Brigantin(ブリガンタン/帆船)




川村シェフと寺山さん

銀賞には「カルチェ・ラタン」の花井優一さん、銅賞には「パティシエ エス コヤマ」の大嶋光野さんが輝いた。


「焼菓子部門」では、「リバーリトリート雅楽倶」の谷脇健太郎さんが「Ballon(バルーン)」という作品で見事、最優秀賞を獲得し、小山進シェフから賞状などが贈られた。

「焼菓子部門」最優秀賞

 谷脇 健太郎さん
 Ballon(バルーン)




小山シェフと谷脇さん

そして、銀賞は「Shangri-La Hotel 東京」の野口ゆきえさんの、銅賞は「(株)ベルべ」の伊藤梢さんの手に。


いよいよ最後の部門となる「ファクトリー部門」は、「ラ メール洋菓子店」の大関博之シェフから発表された。
最優秀賞は、「山崎製パン(株)」の高橋咲耶さんの作品名からしておいしそうな「チーズ好きのためのチーズケーキ」が受賞。

「ファクトリー部門」最優秀賞

 高橋 咲耶さん
 チーズ好きのためのチーズケーキ




大関シェフと高橋さん

続く銀賞には、「(株)ベリーニ」の増田幸平さんが、銅賞には「(株)もりもと」の今伸五さんが選ばれた。
そして、今さんの作品「フロマージュプリン〜マンダリンオレンジ〜」は、「Mart 読者審査員 特別賞」も合わせて受賞という快挙を成し遂げた。

「Mart 読者審査員 特別賞」

 今 伸五さん
 フロマージュプリン〜マンダリンオレンジ〜





最後に、「内海会」会長でもある審査員の横田秀夫シェフから審査総評が語られた。
その中で「ジュニア部門といっても、数年実績を持つ職人と変わらないほどの実力があり、ここ年々、若い人たちの技術の向上がめざましい」と、菓子業界の未来の明るさを思わせるお話があった。
そして、それに続き、「一般社団法人 日本洋菓子協会連合会」の会長、原光雄氏からの乾杯の挨拶があり、それまで結果発表で緊張していた会場も、一気に祝賀会の雰囲気へと変わり、その後は、受賞作品やパーティ料理などが並ぶ華やかで和気あいあいとした時間が繰り広げられた。

選手20名、審査員、主催者などで記念撮影


プロフェッショナルの経験と技術と想像力を競うこの製菓コンクール、今年は191作品の中から、この20作品が受賞となった。次回は、どんな最高レベルのクリームチーズスイーツが登場するのか、気が早くも、もう、第13回の開催が楽しみだ。
次回、腕を試すのは、あなたかもしれない。自身の腕磨きのためにも、そして業界の発展のためにも、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

第12回キリ クリームチーズコンクールの結果報告詳細はこちらから
http://www.arcane-jp.com/style/concours/saishu.html

キリ クリームチーズコンクールの詳細はこちらから
http://www.arcane-jp.com/style/concours/index.html




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