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パリでは今年、開催20周年を迎えた「サロン・デュ・ショコラ」。
来年1月21日から開催される東京のサロン・デュ・ショコラは、13回目を迎えます。

今回はなんと、今までの伊勢丹から場所を移すことが明らかになりました。同じ新宿、NSビル地下一階のイベントホールで開催される運びに。
今まで伊勢丹の会場に通い続けた身としては、一瞬、ちょっぴりさみしい気持ちにもなったのですが、でも冷静に毎年のことを思い起こすと、あのスペースにあの人の数は厳しかった(笑)。場所を移すことで、売り場面積が広がり、通路も広く、天井も高くなるそうですから、より快適にお買い物ができそうです。そして、本場パリのサロン・デュ・ショコラの臨場感を再現するそうなので、ますます楽しみ!

さて、13回目のテーマは「ショコラ、パトリモワンヌ ユニヴェルセル 〜 未来へのオマージュ〜」。
古代マヤ文明を起源に神様からの贈り物として誕生したショコラは、今では世界中の人々に喜びや幸福をもたらしています。そんなショコラを「パトリモワンヌ ユニヴェルセル」、つまり世界共有遺産として、未来につなげていきたい。そんな思いが込められています。

今回は、世界16カ国から約100のブランドが会場に集まります。
早速、その中から注目のものをお知らせします。もちろん、気になる今年のセレクションボックスの情報もお届けします。

最初に、誰もが知りたい初上陸の注目ブランドを2つご紹介します。
ひとつは「ショコラ カズナーヴ」。
フランスのショコラ文化発祥の地とも言われているバスク地方のバイヨンヌで、1854年に創業したショコラトリーです。カラフルなタブレットが何種類も発売される予定で、その中には昔の製法をそのまま受け継いでいるものもあって、それらはカカオ豆から製造を手掛けているそうです。つまりBean to Barです。

今回、初上陸となる「ショコラ カズナーヴ」


もうひとつは、「オリヴィエ ・ヴィダル」。
オリヴィエ・ヴィダル氏は、2007年にM.O.F.を取得し、2012年よりブルゴーニュ地方のオクセールに店を構えています。スペシャリテは、地元ブルゴーニュ地方の名物であるエスカルゴをかたどったショコラ。ゴツっと素朴な形で、手にのせるとずっしり。中にはプラリネが入っていて食べ応え十分です。洗練された味わいが好みなら、シンプルなボンボンがお勧め。

期待の新ブランド「オリヴィエ・ヴィダル」


昨年初登場で、パナデリアが取材した、ボルドーの「ダヴィド・カピィ」や、地元のトウガラシなども使ったバスクの「ティエリー・バマス」も今年も出店します。昨年、売り切れで買えなかった人は、今年は狙い目かもしれません。

バスクらしさが伝わる地方色豊かなショコラが魅力の「ティエリー・バマス」。シェフのスペシャリテ、ガトーバスクが今回の目玉

ホテル創立100周年を記念したポスターをタブレットショコラにプリントした色鮮やかなバーが登場する「オテル・デュ・キャップ=エデン=ロック」

日本人が大好きなモンブランをショコラで表現した新作を発表した「アルノー・ラエール」


そのほか、今年注目のキーワードは、やはり「BEAN TO BAR」。
カカオ豆から自分のところで購入し、焙煎の具合も好みにし、どこにもないオリジナルのチョコレートを作るという、ショコラティエなら誰もがやりたいこのBean to Bar。実現させているブランドが一気に増えていてビックリ。

たとえば、フランスでは、新登場の「カズナーヴ」や、老舗の「ボナ」。もちろん「ヴァローナ」もですね。イタリアでは「アメデイ」や「ドモーリ」。このあたりまでは頷くところですが、今回のサロン・デュ・ショコラには、フランスやイタリアのほか、アメリカ、ベルギー、デンマーク、イギリス、リトアニア、エクアドル、ベトナム、ブラジル、そして日本と、たくさんの国のブランドがBean to Barのタブレットを販売します。

出店ブランドを公開したこの日、いくつかものブランドのBean to Barのタブレットの試食ができました。
中で印象的だったのが、ブラジルの「アンマ」。カカオ分85%のものはまるで味噌のような独特の風味。50%のものは、そこにはちみつのような甘さが加わって、優しい印象に。いずれもBean to Barを実現したタブレットらしく個性的で、とてもおいしかった。
日本の「カカオマジック」もユニークな味でした。日本初のローチョコレートとのことで、カカオ豆をローストせず、全工程を48度以下で行っているそうです。とにかく、どこでもあまり食べたことのないような野性的な味で、香ばしさはありませんが、人工的な要素を感じません。チョコレートをいろいろ食べてきた人は、一度口にすると面白いと思います。

2007年に設立した小さなメーカーだが、すでにその実力は広く認められているブラジルの「アンマ」。パナデリアでも注目のタブレットです

ベトナム産カカオを使ったシングルオリジンチョコレートの「マルゥ」


そのほか、今年のC.C.C.に出展した「パティシエ エス コヤマ」小山進シェフや、「ル ショコラ ドゥ アッシュ」辻口博啓シェフのショコラももちろん登場します。銀座の2つ星レストラン「エスキス」成田一世シェフのマカロンなども。普段はレストランでしか食べられない成田シェフのお菓子が食べられる貴重な機会です。
ほかに、「パレ ド オール」や、「トシ ヨロイヅカ」からもBean to Barのタブレットが出店されるなど、日本人パティシエも頑張っています。

さて、最後はお楽しみの「セレクション ボックス」について。毎年大人気のこのボックス、今回は3種類が用意されます。

まず一つは、「パトリモワンヌ ユニヴェルセル」。
今年のテーマと同じネーミングのこのボックスには、18人18粒のボンボンが詰まっています。過去、現在、未来と時空を超えて継承されるショコラへのオマージュを、それぞれのシェフが自分の解釈で、ショコラで表現。その一粒一粒が入っているという、まさに今、食べるべきショコラの詰め合わせです。
パッケージには18の穴があり、シェフの顔が出たり、「SALON DU CHOCOLAT2015」の文字が出たり、ボンボンショコラが見えたりという、仕掛け絵本のような作りになっています。もちろん、参加しているのは、M.O.F.やC.C.C.受賞者など、トップシェフばかり18人! 一番人気のボックスになることは必至かも……。


18粒入りのセレクションボックス「パトリモワンヌ ユニヴェルセル」。18個の穴が仕掛け絵本のようになり、味覚と視覚で楽しめる



2つ目は、「オリジン カカオ」。
ショコラの原点である「カカオ」がテーマです。ワインのテロワールと同じように、カカオの産地のテロワールを楽しめるボックスで、パッケージのイラストは、サロン・デュ・ショコラ主催者のフランソワ・ジャンテ氏が描いたもの。こちらも仕掛け絵本のようになっていて、カカオの実やカカオ豆のイラストから、たくさんのチョコレートに囲まれた子どもの笑顔のイラストへと変わります。こちらも、M.O.FやC.C.C.受賞者など10人のシェフが1粒ずつのボンボンで参加しているのだから、贅沢。素材の味をストレートに楽しみたい人には最高のボックスです。


10粒入りのセレクションボックス「オリジン カカオ」。カカオから子供たちの笑顔に変わっていくボックスから、ジャンテ氏の想いが伝わってくるような気がします


3つ目は、「ワールドチョコレートマスターズボックス」。
パリのサロン・デュ・ショコラで2年に一度決勝大会が行われる、チョコレート職人の世界選手権が「ワールドチョコレートマスターズ」。そこに参加した日本人のボンボンが詰まっているというセレクションボックスで、過去に参加した6名のシェフの渾身の一粒が詰まっています。高い技術力を味わえそうです。

6粒入りの「ワールドチョコレートマスターズボックス」。高い技術を誇る日本人シェフたちの才能が余すところなく発揮されたボックスです


サロン・デュ・ショコラの開催まで、まだ時間はたっぷり。存分に迷って、当日手に入れたいものをじっくり選んでください。出店ブランド一覧など、詳しくは伊勢丹の公式サイトで!
 http://www.salon-du-chocolat.jp/
現在はまだ、2015年の出店ブランドは掲載されていません)

一気に、ショコラのシーズンに突入した気分になった、サロン・デュ・ショコラの出店発表会の報告でした。



開催までに日があるため、実際の開催時には今回の情報内の内容やパッケージなどが変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。





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