取材・文 佐々木 千恵美  


卒業、入学、入社、新学期、新年度、お花見…。
日本の春は何かをはじめる、芽生える、花咲く、心躍る季節。

同じ季節、欧米などキリスト教の国では、キリストの復活、春の訪れを祝うイースター(復活祭)で盛り上がります。

お祝いにはご馳走とお菓子、ゲームがつきもの。
イースターのテーブルには卵を使ったお料理がずらりと並び、絵柄をつけたり紐を通した卵を飾ったり、部屋やお庭のどこかに隠したゆで卵やたまご型チョコレートを子供たちが探すゲーム(エッグハント)をやったりと、集まった家族で楽しく過ごします。卵は古くから生命の誕生・豊穣を意味し、キリストの復活と重なりイースターの象徴となったのですね。

たまごはイースターの象徴


生まれる、新しい生命、躍動感あふれる日本の春とイースターには、どこか重なるイメージがありませんか? ここ数年、イースターのイベントが日本で増えてきたのも、双方の春のイメージが重なり、つながり、宗教のお祭りの意味合いが薄れ、親しみやすくなったからではないでしょうか。


春分の日後の満月の次の日曜日という、移動祝祭日のイースター。クリスマスのように毎年決まった日ではなくカレンダーチェックが必須ですが、桜の開花予測をするようなワクワク感は似ているのでは!? 今年は4月1日。東京では見事に桜の見頃と重なりました。

そのイースター当日を入れて、3月28日(水)から4月1日(日)までの5日間、フランスのチョコレートブランド「ヴァローナ」が「はじめよう、ショコラ de イースター!」イベントを開催しました。

欧米ではポピュラーなイースターエッグを象ったチョコレート


3回目となる今年は代官山・ヒルサイドフォーラムを会場に、共通のたまご型とチョコレートを使用して作られた「イースターアート」作品の展示の他、ワークショップのプログラムも増えてさらに充実した内容に。たまご型のケースにイースターチョコレートを詰め、デコレーションする「イースターエッグデコレーション」、会場内に隠されたイースタークイズに全問正解でチョコレートがもらえる「イースターエッグハント」、風呂敷を使って春の想いを包む「イースターラッピング」、エッグハントやハーバリウムを取り入れた「イースターフラワーアレンジ」等、見るだけ、食べるだけに留まらず、手や頭、五感を使ったプログラムが展開されました。

ショコラ de イースター 会場の展示





かつては本物のゆで卵で行ったエッグハント。時は流れ、たまごを型どったチョコレートを隠すようになって、子供たちは大はしゃぎ。ゆでたまごはそんなにいっぱい食べられないけれど、チョコレートならいつでも、何個も食べられる! キッズだけじゃなく、大人だって一緒に美味しいチョコレートを楽しみたいですものね。

色とりどりのエッグチョコレート

前日のプレス発表会で実際「イースターエッグデコレーション」体験をしてみると、これが意外や意外。チョコレート選びからデコレーション構想と、いつの間に夢中になってしまうではないですか! きれいに中をみせる詰め方とか、ステッカーのチョイスと位置とかリボンとか、周囲の大人もみな真剣。ちなみにこれらのエッグチョコレート、包装の色柄によって味が違います。グアナラやキャラメリア、プラリネ、ジャンドゥージャ、ガナッシュ入り等々、味の楽しみもあるのですよ。







たまご型のケースに緑のクッションを敷き、好きなエッグチョコレートを詰めてデコラッピング






 

「イースターラッピング」のコーナーでは、心奪われる美しい包みがいっぱい。イースターエッグを包んで贈る文化と日本の風呂敷文化を融合させた包みの技と真心。ここでも手を動かしたくなりました。

絵柄もすてきな日本の風呂敷でイースターラッピング


今年は子供たちを対象としたイラストコンテストも行われました。オリジナルイースターエッグの絵を、全国から事前募集したところ100を超えるエントリーがあり、1人のグランプリ受賞者と9人の入賞者が選ばれました。グランプリの副賞はチョコレート1年分が詰まった特大チョコレートエッグ! 5歳のグランプリを勝ち取った女の子、ちゃんと持てたかな? 受賞作を含めた83作のイラストは会場内で掲出されました。

イラストコンテスト受賞者表彰式は3月27日に行われた


そして見逃せないのが国内トップシェフ・パティシエ、ショコラティエによるイースターエッグチョコレートの作品展示会。今年は「うれしい春の心」をテーマに37体の作品が集結。共通のかたちをしたたまご型がどこかしらに使われ、彩り鮮やかに、動きだすような、心躍る作品たち。

プレス会には展示作品を作ったパティシエ、ショコラティエが集合

イースターの伝統的なモチーフ、たまご、ニワトリ、うさぎで表現したものもあれば…

ザ・リッツ・カールトン大阪 松尾浩幸氏

レタンプリュス本店 熊谷治久氏

コンフィチュール アッシュ 旗雅典氏

日本の春、桜の花や新学期とイースター伝統のモチーフを融合させたものもあり…

ベルアメール 小杉和之氏

カカオティエ ゴカン 奥野光氏

さらにはお店の商品やシンボルをイースターと合わせた作品も!

セバスチャン・ブイエ セバスチャン・ブイエ氏

帝国ホテル東京 ガルガンチュワ 市川幸雄氏

パティスリー クグラパン 笹岡鉄兵氏


チョコレートなどの細工で店頭を飾る文化があたりまえのヨーロッパ。人々は立ち止まって眺め、春の訪れに胸をときめかせ、幸せを感じます。こんな風に日本の春らしいエッグチョコレートがお店に飾られるようになったら、さぞや楽しくなるでしょうね。



「はじめよう、ショコラ de イースター」
 Webサイト:http://cdeaster.com
 facebook:https://www.facebook.com/chocolat.de.easter/

 開催日:2018年3月28日(水)〜4月1日(日) ※ 終了しました。
 主催:ヴァローナ ジャポン株式会社

ヴァローナ・オンライン・ブティック
 URL: http://boutique.valrhona.co.jp/
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