取材・文 佐々木 千恵美  


サロン・デュ・ショコラまであと少し。バレンタインまであと1か月となった1月半ば。イタリアの高級ブランド、ブルガリのチョコレートブランド、ブルガリ イル・チョコラートが新作発表会として、ブルガリ銀座タワーを会場にフェスタ・ディ・チョコラート(チョコレート・パーティー)を開催しました。

2部構成のフェスタ。前半に楠田枝里子さん×メートルショコラティエ齋藤香南子さんのトークショー 。後半はスペシャルチョコレートボックス試食会という豪華な内容。

チョコレート・ジェムズ(宝石)と呼ばれる職人の手仕事によるチョコレートのクリエーション、サロン・デュ・ショコラ東京のイートインのために創作されたデザートなど、ブルガリとシェフのこだわりや製作工程のお話しなどをたっぷりと伺ってきました。

まずはトークショー。
チョコレートカラーのドレスを纏った楠田枝里子さんが登場すると会場からは大きな拍手が。チョコレートアンバサダーとしても有名な楠田さんは、生れてこのかた大病を患ったことがないのは、お母さまが理論的な食育を厳しくされ育ったことに加え、毎日チョコレートを食べているからではないかと考え、論文を読みあさるなどして研究を重ねてこられたそうです。



楠田枝里子さん
司会者、エッセイスト、チョコレート研究家。「物心ついた頃から現在に至るまで、チョコレートを食べなかった日はない」というほどのチョコレート好き。3000年以上にも及ぶ歴史や文化、ショコラティエの世界、チョコレートの健康効果についての科学的研究など造詣が深く、日本の高カカオチョコレート・ブームをリードした。著書は「チョコレートの奇跡」他多数。


最初の本を出した2000年初めには、日本にまだカカオ70%以上のハイカカオチョコレートは全く一般的ではなく、説得力がもう一歩だったといいます。ところがここ数年、状況は変わってきました。コンビニでもハイカカオチョコレートが買えるようになりました。世間がようやく楠田さんに追いついてきたのですね。
元来薬として扱われていたチョコレートが、様々な成分、効能が科学的に解明され、技術革新が起こり、ショコラティエに会うのも楽しみのひとつになったという楠田さん。

ブルガリのチョコレートの位置づけは?との質問に「4つの驚きがありました。」と答えました。
「1つ目は、ブルガリがチョコレートを!? 2つ目はブルガリの美学。3つ目はイタリアならではの食材を贅沢に使うゴージャス感。4つ目はショコラティエが若い女性で、しかも軽やかで明るい! こんな時代になったんだという驚きです。」

ここでメートルショコラティエ齋藤香南子さんの登場です。2007年ブルガリ イル・チョコラート立ち上げの時から在籍し、2016年にメートルショコラティエに就任した齋藤さん。言われたときは怖かったけれど、やるしかないと決意したそう。


齋藤香南子さん
ブルガリ イル・チョコラート メートルショコラティエ
短大で食物栄養学を専攻し、2002年卒業。その後6年間に渡って飲食店の厨房で経験を積む。2007年9月にブルガリ 東京・大阪レストランに入社。表参道イル・カフェ内に併設された、ブルガリ初のチョコレートショップ「イル・チョコラート」の開業に携わる。2016年1月、メートルショコラティエに就任。

楠田さんがメートルショコラティエ齋藤香南子さんからチョコレートの魅力をひき出します。


そもそもブルガリのチョコレートを日本で、日本人に作らせようとしたのはイタリアの本社。世界中の顧客のために、日本人の繊細な感性と丁寧な手仕事が求められたのだから、齋藤さんが怖いと思ったのも当然のこと。
そんな10年をブルガリ イル・チョコラートと共に歩んだ齋藤さんから、100種類を超えるチョコレート・ジェムズのコレクションをいくつか映像で紹介いただきました。白トリュフ×和栗、パルメジャーノレッジャーノチーズ×ポルチーニ茸、ゴルゴンゾーラ×くるみ、白いんげん×はちみつ等、イタリアらしい食材に日本食材をかけ合わせたり、お料理を思わせるイメージで作ったりと、チョコレートや食材の国境を越えたクリエーションに、楠田さんも会場も大興奮。

そして今季のバレンタイン新作4種。中でも一番苦労したのがオリーブオイルのチョコレート・ジェムズ。オイルの選択、オイルとチョコレートの相性、バターを使わず固める配合プロセスに生みの苦しみを味わったそう。しかしそれだけに、口の中でのなめらかさと香りの広がりは今までにないほど。


オリーブオイルの入った4粒入りSan Valentino 2018(奥)と、San Valentino 2018 "Lui e Lei"(手前)。


齋藤さん入魂の4品。バレンタインに贈るだけでなく、ぜひ自分へのご褒美として食べて欲しいといいます。
バレンタイン限定品についてはこちらの記事もあわせてご覧ください。

後半は階を移動してイル・バールへ。スペシャルチョコレートボックス試食会のはじまりです。

フランチャコルタ(瓶内二次発酵させた高級スパークリングワイン)が振る舞われた後は、ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティンのペストリーシェフ、ファブリツィオ・フィオラーニ氏による「キャラメリア・グラニータ」のプレゼンテーション&デモンストレーション。
なんとこちら、今年の「サロン・デュ・ショコラ」会場内で唯一の着席イートインで供される限定スイーツなのだそう。


ブルガリ銀座タワー10階の「イル・バール」は、天井が高くガラス張りの優雅な空間。


この特別スイーツを作るにあたって、フィオラーニ氏は2つのテーマを考えたそう。ひとつは「時間」。ショーケースのデザートはある程度時間が経っても同じ状態だけれど、レストランのデザートはそのときだけ。出来立てでなければ味わえない美味しさを会場で作りたい。二つ目、味はもちろん「チョコレート」が主役であること。

そこで、チョコレートを4種類、それぞれ温度、手法を変え、アクセントに赤く甘酸っぱいラズベリーを加え球形のグラスに組み立てていくことに。


ファブリツィオ・フィオラーニ氏
2015年ブルガリ 東京・大阪レストランのペストリーシェフに就任。


まずグラスの底にカカオ70%のビターチョコレート〜グアナラで作ったクリームを絞り、ラズベリーをのせ、キャラメルソース、食感のアクセントにパールクラッカンを散らし、サイフォンと液体窒素で凍らせたキャラメル風味の36%ミルクチョコレート〜キャラメリアのグラニータをトッピング。トップには、カカオ55%のビターチョコレート〜エクアトリアルを使ったタルトが添えられ立体的な一皿となりました。
「チョコレートトルタは、イタリア人が子供の頃から慣れ親しんでいるスイーツ。」というフィオラーニ氏。イタリア伝統の家庭の味をさりげなく盛り込むのに、金箔をのせておめかしするあたりがブルガリの洒落でしょうか。
ゴージャスかつ懐かしいトルタでブルガリの洗礼を受けてから、キャラメルがやさしく口で溶けるグラニータとラズベリーのハーモニーを楽しむ。チョコレートの様々な表情が見え隠れする優雅で麗しいスイーツ。グラニータと聞くとシャリシャリひんやりと想像していましたが、含まれるカカオバターのおかげでうっとりするほどソフト。舌が感じる冷たさもマイルド。溶けにくいのにあっさりなのです。


「キャラメリア・グラニータ」の組み立てをデモンストレーション。金箔がひらりと飾られて完成。

使用したチョコレートたち。

「キャラメリア・グラニータ」。ブルガリのロゴ入りチョコレートがきいています。


持ち帰りのできない、時間とチョコレートを楽しむ特別スイーツ。先日、新宿NSビルで開催されたサロン・デュ・ショコラの会場で、この貴重なスイーツを楽しんだ方も多いと思います。
また、サロン・デュ・ショコラ終了後の2月1日〜14日まで、ブルガリ銀座タワー10階の「イル・バール」でも期間限定メニューとして登場します。サロン・デュ・ショコラを逃した方はこちらでどうぞ。

そしてメートルショコラティエ齋藤香南子さんによるチョコレート・ジェムズ3種(オリーブ、アマレット、ルイ)の紹介でフェスタ・ディ・チョコラートは終了。オープン当初から作り続けている大人気のアマレットと最新作を並べていただき、ブルガリ イル・チョコラートの歩みも一緒に味わった、素敵なひとときとなりました。


バレンタイン限定オリーブ(シチリア産エキストラヴァージンオリーブオイルをガナッシュにしてビターチョコレートでコーティング)

定番のアマレット(マジパンとアマレット入りのソフトなチョコレート)

バレンタイン限定ルイ(レモンピール入りローチョコのガナッシュを黒糖入りホワイトチョコレートでコーティング)


チョコレートを知ればショコラティエに会いたくなる気持ち、わかりますね。

もうすぐバレンタイン本番です。特別な時間と美味しさを味わうため、ブルガリ イル・バールにぜひお出かけください。


販売期間、店舗など詳細は下記サイト等でご確認ください。


ブルガリ イル・チョコラート
 お問い合わせ先:ブルガリ イル・チョコラート 03-6362-0510
 http://gourmet.bulgari.com

 BVLGARIのWEBサイト
 https://www.bulgari.com/ja-jp/




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