取材・文 佐々木 千恵美  


チョコレート色といえば、茶色を濃くしたような色をイメージしますが、近い将来そんな常識はなくなるかもしれません。

なぜかって!?
それはルビー色のチョコレート「カレボー® ルビーチョコレート」が誕生したからです。


カカオが持つ天然の色を出すことに成功し生まれたルビーチョコレート。


ホワイトチョコレートに着色したり、赤いフルーツを混ぜたりもしていない。カカオが持つ天然の色と香りというから驚きです。
大航海時代に中南米からヨーロッパにカカオが運ばれ、はじめに誕生したのがダークチョコレート(1847年)。苦味を抑えて食べやすくするためにミルクチョコレートが作られるようになったのが1875年、カカオマスを使わずカカオバターと砂糖、ミルクで作られるホワイトチョコレートが生まれたのが1930年。
この3つだったチョコレートのカテゴリーに、実に80年ぶりに、新しい仲間が加わることになったのです。

ダーク、ミルク、ホワイトにルビーが仲間入り。


第4のカテゴリー、ルビーチョコレートを開発したのは、スイスに本社を置くグローバルチョコレートメーカーのバリーカレボー社。2017年9月に上海で発表されてからは世界中が大注目。今年1月にはネスレ日本とタイアップし、世界で初めて日本と韓国で商品化し「キットカット ショコラトリー サブリム ルビー」が発売されたことで話題になりました。その発表会の様子はこちら。
 http://www.panaderia.co.jp/event_report/kitkat_ruby/index.html

そしてこの秋、ついにルビーチョコレート(業務用)の販売が日本でスタートすることになりました。同社のベルギーのプレミアムグルメブランド「カレボー® 」が、ショコラティエ・パティシエ向けに開発した初めてのルビーチョコレート、その名も「RB1(アールビーワン)」。
7月19日(木)から先行予約がスタートし、楽天市場での販売も予定されています。

RB1とアプリケーションイメージ。

カレボー® RB1(アールビーワン) 1.5kg カレット形状 10月販売開始予定。


となれば気になるのはクリスマスやバレンタインのスイーツ。どんな形で活かされるのか、パティシエ、ショコラティエの手ごたえが知りたいところ。

そこで東西を代表するお二人のパティシエ、ショコラティエの登場です。

東京・自由が丘の「モンサンクレール」をはじめ、13ブランドを展開する辻口博啓(つじぐち・ひろのぶ)シェフと、兵庫県三田市にある「パティシエ エス コヤマ」代表の小山進(こやま・すすむ)シェフ。

6月29日、ベルギー王国大使館にて行われた「カレボー® ルビーチョコレート」新商品発表・先行試食会では、ルビーチョコレートを使ったレシピを披露。ルビーチョコレートの日本本格展開におけるチョコレート業界への影響や展望などについてお話しいただきました。

考案したルビーのレシピを手にする辻口博啓シェフ(左)と、小山進シェフ(右)。


「本当に天然のルビー色と聞きびっくりしました。」
ギフト向けに開発したという辻口シェフの試食レシピは‘ソシソンショコラ’。
ソーセージに見立てたルビーショコラのチョコレートベースに、クランブル、クランベリー、ピスタチオ、クルミ、ヘーゼルナッツ、パッションフルーツのギモーブ、フリーズドライの苺を練り込んだもの。カットすれば色とりどりの具材が見え、みなが盛り上がりそうな雰囲気。色も香りもベリーを思わせるルビーチョコレートに、胸がきゅんとなる酸味の具材を重ね、ナッツの香ばしさ、軽やかさをプラス。様々な食感の混ざり合う豊かな味わいに、ついもう少しと手がのびてしまいそう。

ソシソンショコラ。ネットで包んでソーセージに見立てている。カットするとルビーが引き立つ。


一方の小山シェフはボンボンショコラ‘エチオピアンルビー’を考案。
「1年前に発表されたときから、早く見て、味わってみたい。早く作りたくてルビーのサンプルが欲しいと思っていました。カカオはフルーツ、同じくフルーツとしてのコーヒーチェリーが浮かび、エチオピアコーヒーと合わせました。」

エチオピアコーヒーの持つアプリコットやチェリーのような果実味と、ルビーチョコレートのベリー系フルーツを思わせるナチュラルな酸味の相性は抜群。ビターでもミルクでも表現できないマリアージュは、繊細さと骨格のあるルビーチョコレートならではのもの。カットしたときの色と味わいのギャップもサプライズです。ぜひとも同じコーヒーと一緒にいただいてみたい。

エチオピアンルビー(タブレットの上)。コーティングトップにはルビーを思わせるデコール。コーヒーと合わせた中の色合いはミルクたっぷりのカフェオレのよう。


続いてお二人に伺います。

パティシエ業界への影響について
「使いたい人が多いだろうから、どのくらいの生産量なのか、安定的な供給できるのか、価格はどうなのか、どの角度からも興味あるでしょう。可能性に満ちた第4のチョコレートだと思う。」(辻口シェフ)。
「想像を外すこともなく、驚きもある。試作も色々したけれど、もっとできると思うし、バウムクーヘン、チーズケーキに使ったら…etc. 可能性は広がっていくだろう。」(小山シェフ)。

ムースにしたら赤い果実と相性が良かった。気を付けることはこれから見つけていくと辻口シェフ。


ではどんなペアリングがいいでしょうか?
「ロゼ・シャンパーニュと合う。ベリー系のものと焼くとショコラ感が出る。かわいい色合いがバレンタインにぴったり。ストーリー感もあり、いろんな素材と合わせられると思う。」(辻口シェフ)
「カカオはフルーツだとイメージしてきたので今回はコーヒーチェリーを連想した。カカオの元を伝えることができるのがコーヒーだった。」(小山シェフ)。

待ってました!という味。カカオもフルーツだと伝えていきたいと語る小山シェフ。


辻口シェフ、小山シェフともに期待と可能性を大いに感じられているようです。

ホワイトチョコレートと違い、カカオマスが含まれるから、チョコレートらしいコクも感じられる。


また、バリーカレボー社からはこんな提案があげられました。

バレンタインはもちろん、ウェディングパーティーやバースデー等の記念日にボンボンやタブレットで。
自分へのご褒美に・・・、ロゼ・シャンパーニュとの相性は抜群!
食前酒と合わせてアペリティフとして・・・チーズ等塩味のある食材とも実はとても良くあいます。
見た目にも楽しいアフタヌーンティーや女子会に・・・インスタ映えも期待できます!
コーヒーにもよくあいます。カカオやコーヒーの産地に思いを馳せながら・・・


ロゼ・シャンパーニュやポップコーンとのペアリングはパーティーにもぴったり。

マスカルポーネはもちろん、ゴルゴンゾーラなど塩味のきいた青かびチーズと組み合わせてアペリティフに。


中でもチーズ等塩味素材とチョコレートの組み合わせは、今とてもニーズが多いのだそうです。お酒に合わせたり、食事と楽しむスタイルが増えたからでしょうか。


シャルティエ氏によるRB1とのペアリングチャート。


となると気になるのは「RB1」のアレンジレシピや取り扱い方。
そこで朗報です。10月予定の日本発売に先駆け、チョコレートアカデミーが特別講習会を、8月8日(大阪)、10日(東京)に開催します。

ルビーの色と味を持ったカカオ豆を世界のカカオ産地からセレクトする技術と、それらをチョコレートに加工する技術でルビーチョコレートは作られます。
青いバラを創り出す夢にも似たルビーチョコレートの開発と商品化。13年の歳月をかけ引き出したピンクの艶、その魅力に迫ってみてはいかがでしょうか。


ルビーチョコレート「RB1」を使って、新たなレシピを創作してみては!?

発表会にて記念撮影。バリーカレボージャパン代表取締役社長・中野文孝氏(右)と同社グルメブランドマネージャー原紅希子氏(左)。



カレボー® チョコレート公式通販 楽天市場
 https://www.rakuten.ne.jp/gold/callebaut/

バリーカレボージャパン株式会社 チョコレートアカデミーセンター東京
 http://www.chocolate-academy.com/jp/jp/




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