取材・文 佐々木 千恵美  


東京は埼玉の玄関口、2つの巨大デパートが東西口にそびえる池袋は、ここ数年で住みたい街の上位にあがってきた人気の街。特に南池袋エリアは再開発によって高層マンションの新築が進み、これから若い世代が増加する見込みです。

このエリアに、去る7月1日(金)、元ミシュランシェフによるヴィーガンココナッツアイスクリーム店「ココナッツグレン」がハワイから上陸、オープンしたと聞き、早速お店を訪ねてきました。

池袋駅の地下出口39番を出て3、4分も歩くと、駅前の喧騒が嘘のように落ち着いた街並みが見えてきます。果たしてこんな通りにハワイの人気店があるのかと疑った瞬間、間口4、5mほどの小さなショップが現れました。


ココナッツグレン南池袋店


日本のアイスクリームショップは10〜15坪が平均的な広さのところ、ここはたった3坪。お客さまが1人か2人入ればいっぱいです。でも、最近よくある街のコーヒースタンドのように、家と学校、オフィス、ショッピングの行き帰りなどに立ち寄れるような気軽さがいいのかもしれません。

店内に入ってみると、アイスクリームケースには7種類のフレーバーと、アイスをサンドしたヴィーガンサンドが並んでいます。無添加で限りなくオーガニックの素材を使い、乳製品、卵、はちみつなどの動物性の材料不使用なヴィーガン仕様のアイスクリームだけあって派手さはありませんが、ナチュラルで温かみを感じる見た目と、フレーバーのネーミングを見るとどれにするか迷ってしまうほど魅力的です。


フレーバーは全7種。オリジナル・バニラ・ジンジャーレモングラス・ピスタチオ・コーヒートフィ・チョコレート・ラムレーズン&バナナ。マウイ本店では30種類くらいのフレーバーがあり、その中から日本人の好みに合うフレーバーをセレクト。
ショーケース左には、国内の人気ヴィーガンショップとコラボしたブッセサンドとカカオニブクッキー&バニラ。それぞれアイスクリームのフレーバーに合わせて作られた南池袋店限定の新商品です。


シーズンによっては、限定フレーバーも出していく予定とのことで、8月1日から9月30日まではハワイでは定番のフルーツとして人気が高いリリコイ(パッションフルーツ)フレーバーも期間限定、南池袋店限定で登場。


ココナッツクリームをベースにした同店の濃厚なヴィーガンアイスは、かつてニューヨークのミシュラン星付きレストランでシェフとして活躍していたグレン・シムキンズ氏が、ハワイ・マウイ島に移住し、開発したヴィーガンココナッツアイスクリームで、2008年、マウイ島に第1号店をオープンさせました。
マウイ島の中でも高級リゾートホテルが並ぶ西海岸とは反対側、険しい東海岸沿いにいくつものカーブが連なるジャングルのようなハナ・ハイウエイ沿いに、突如現れるグレン氏のお店は、地元の人から観光客まで多くの人から支持されているそうです。


マウイ本店


何故シェフをやめてマウイ島に移住したのかはわかりませんが、グレン氏によると、ハワイの子供たちが日常的に食べているハワイのアイスクリームを見て、このヴィーガン アイスクリームを開発しようと決めたとのこと。無添加でヴィーガンなのは、アレルギーも含めて世界の子供たちが心配なく食せるようにという気持ちを込められたからなのですね。


グレン・シムキンズ氏


その想いは今や素材を育てるところまでのびていて、果物などは裏の畑で自ら栽培したものを使うこともあるそうです。

さすがに日本ではそれはかなわないけれど、想いやストーリーは同じでいきたい。それが製法のひとつにも表れていました。日本人が大好きなピスタチオアイスですが、ココナッツグレンではペーストは使わず、ピスタチオの実を砕くところから手作業で行っているのです。またバニラは今現在、沖縄石垣島産の希少な無農薬バニラビーンズを使用し(※2019年初上陸し2021年に閉店した表参道店ではマダガスカル産使用)、香りを煮出すところからはじまります。こうして日本でもオーガニックに限りなく近いヴィーガンココナッツアイスクリームが作られているのです。


伺った日は、3スクープ756円で、オリジナル、バニラ、ピスタチオをチョイス。希望すればヤマキ醸造の有機醤油を使ったフロランタン1個250円や、ヴィーガンクッキー1個350円がトッピングできる。
オリジナルはすべてのアイスのベースであるココナッツの味が堪能できます。中に混ぜられたココナッツの果肉食感も楽しく、ココナッツ好きはもちろん、苦手な方でもこれなら食べられるというほどピュアな味わい。石垣島のバニラの甘くやさしい風味がまろやかでオリジナルとはまた違った美味しさが楽しめ、ピスタチオはナッツそのものを食べているかのような香ばしさが味わえます。いずれもねっとり濃厚なのに後味はさっぱり。


未来を担う子供たちと環境にやさしい想いは提供するカップを見てもわかります。手のひらにのるかわいい本物のココナッツの殻をカップとして使っています。ちょっとした外のスタンドくらいしかその場で食べられるスペースはないのですが、すぐそばには話題のオアシス、南池袋公園があり、持ち込んで食べる人も多いのだとか。ココナッツ殻は返却して繰り返し使いますが、持ち帰って使ってもいいそうです。
もちろん持ち帰り用に蓋のついた紙のカップも用意されていて、こちらはポップでカラフルなデザインがいかにもハワイです。



アイスクリーム

天然のココナッツ殻が容器に。これだけで気分はハワイですね。
1スクープ 540円 / 3スクープ 756円


テイクアウト用のカップ。ナチュラルなアイスクリームがポップなカラーで引き立ちます。南池袋まで行けない人はECサイトからの購入もできます。https://coconutglens.myshopify.com/


カップ詰めしたアイスクリームを専用のBOXに入れて。
4個入り 1,900円 / 6個入り 2,800円 / 8個入り 3,700円  1カップ(540円)での販売も可


実はココナッツグレン、2019年7月に東京・表参道に一度日本1号店を構えていたのですが、コロナウイルスの影響で残念ながら閉店となりました。その後2021年12月沖縄・アメリカンビレッジ店がオープンし、東京再出発となったのが今回の南池袋店です。
同じ都内でも環境、雰囲気が違う新たな立地での新たな試みが、人気ヴィーガンショップとのコラボレーション。アレルギーのある子どもも一緒に食べられるヴィーガンというカテゴリーをもっと盛り上げられたらいいですよね。
ぜひ、一度訪れて感じてみてください。


倉庫だったというお店の左側にはポップに塗装した壁にブランコつきのフォトスポットが! ベビーカーを押して買いに来たお母さんが子供をブランコにのせて楽しそうに遊んでいました。



カスタマイズ

アイスクリームに添えて提供します。

フロランタン
ヤマキ醸造の有機醤油を使ったほんのり塩味がきいたフロランタン。
1個250円

ヴィーガンクッキー
雑司ヶ谷オーガニックフレンチ「エコループ」とのコラボ商品。 フランス人シェフのティモテ氏は、フレンチとパティスリーを兼ねる腕の持ち主。
豆腐ベースを感じさせない生レモンピールと竹炭を使ったレモンクッキーと、ピスタチオを使用したチョコレートクッキー。
1個350円



その他スイーツ

ブッセサンド
2013年に墨田区にオープンした人気ヴィーガンカフェ「SASAYA CAFÉ」とのコラボ商品は、米粉をベースに有機アーモンドを使ったヴィーガンブッセ。プレーンはジンジャーレモングラス、ココアはコーヒートフィ、クロレラはピスタチオのアイスを挟んだ3種類。
1個650円


カカオニブクッキー&バニラ
長野市に拠点を構える人気ヴィーガン&グルテンフリースイーツショップ「CocoChouChou」とのコラボ商品は、米粉、アーモンドの粉を使ったカカオニブクッキーにバニラフレーバーのアイスを挟んで。
1個600円


サンド4種類詰め合わせ。
2,600円 詰め合わせの変更はできません。


※価格はすべて税込みの表示です。



店舗名: COCONUT GLEN'S (ココナッツグレン) 南池袋店

 住所: 東京都豊島区南池袋2-18-6
 営業時間: 平日13:00〜20:00 土日祝 10:00〜20:00
 定休日 : 年末年始
 席数: なし(テイクアウト専門)
 HP : http://coconutglens.jp/
 Instagram: https://www.instagram.com/coconutglens_japan/



おまけのお知らせ

新宿プリンスホテルで、2022年07月01日(金) 〜 2022年08月31日(水)開催の「Hawaiian Fair 2022」で、ココナッツグレン コラボメニューを展開中です。
ビュッフェのココナッツグレンのアイスクリームの食べ放題や、ココナッツグレンのアイスクリームを使用したスイーツやカクテル、イブニングハイティーなどハワイを感じる魅力的なメニューが用意されています。

詳しくは、ホテルのwebサイトなどでご確認ください。
 https://www.princehotels.co.jp/shinjuku/




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