2008年4月9日〜11日の3日間、東京ビッグサイトにて、惣菜デリカ・弁当・外食・給食などの業務用食品の専門展「ファベックス2008」が開催されました。見逃せないのが、同時開催された「デザート・スイーツ&ドリンク展」。今までよりもさらに新しい技法や発想の元で開発された和・洋菓子、デザート&飲料の新素材から、機器や器具、容器まで最新トレンドが一同に展示されました。
今回は、「スイーツ ニッポン 新“味”来」をテーマに、和素材や野菜などヘルシー素材に着目。そして、気になったのはバター代替油脂。以前は、価格面でバターより安価なバター代替油脂を使う傾向にありましたが、最近では、価格だけではなく、カロリーなど健康面を重視して、バター代替油脂に切り替えていくようになってきました。現代の深刻なバター不足の問題も受け、今回の展示では、バター代替油脂や香料が注目を集めるなど、時代を反映した商品が多く見受けられました。
期間中は、有名シェフもゲストで登場し、メーカーとトークセッションを行うセミナーも目白押し。今年で第2回を迎える「グラス(氷菓)を使ったアシェットデセール・コンテスト」など、見所満載でした。パナデリアは、初日の4月9日に参加。セミナーの様子や、新商品など、会場で発見した「ニッポンの新“味”来」をレポートします!




-- INDEX --


・アサヒビール梶@「コアントロー」
・オエノングループ合同酒精梶@「カワセミの旅」
・宏洋梶@「ルッソ・リモンチェッロ」


・カルピスフーズサービス梶@「カルピス叶カクリーム」
・中沢乳業梶@「ナイスホイップE」


・潟Cワセ・エスタ 「ラ・ブルターニュ」
・月島食品 「ラ・ブール」
・横山香料梶@「バタレックス」


・石橋工業梶@「大麦スイーツ」
・群馬製粉梶@「白月・J麺」
・且O栄コーポレーション 「モッフル」
・日新製糖梶@「フルーツシュガー」
・朋和商事梶@「藻塩スイーツ」


・お菓子研究家 西山朗子氏セミナー 
   「お菓子の素材をもっと知りたい!〜バター・油脂〜」
・群馬製粉梶@辻口シェフ&植竹シェフ スペシャル対談 
・第2回 グラス(氷菓)を使ったアシェットデセール・コンテスト








◆アサヒビール株式会社

お菓子作りでおなじみの「コアントロー」は、実はアサヒビールの商品。コアントローの効果を確かめるため、コアントロー使用&不使用のパウンドケーキを食べ比べしました。

コアントロー入りのものは、甘さにキレがあり、しっとりした食感でした

最近の傾向として、全体的に洋酒を控えたお菓子が増えているとのこと。今回の試食のように、洋酒そのものの味を活かすというより、アサヒビールは、保湿性や保存性、甘味の調整など“リキュールの機能面”にスポットを当てて提案。特に、日本人には甘すぎると思われがちなマカロンには、クリームに微量使うと、効果的に甘さが抑えられるそうです。また、「ピニャコラーダ」や「カイピリーニャ」など、カクテルをイメージしたスイーツのレシピを、ステファン・グラシエ氏や杉野英美シェフ協力の元で作成。たとえば、クランベリージュースとウォッカ、レモンのカクテル「コスモポリタン」のコンビネーションを、マカロンにアレンジ。このように、カクテルの数だけ、スイーツが生まれると思うと夢が広がりますね。7月には、MOFの会長を招き、コアントローを使った洋菓子講習会を行う予定だそうです。




◆オエノングループ合同酒精

製菓用の洋酒として、「ネプチューン」シリーズを主力商品に持つ合同酒精。ブースでは、リキュールの効用を体験。「ドライジン」を使用・不使用のオレンジゼリーの食べくらべをしました。オレンジゼリーは、柑橘類に熱を加えた時に発生する独特のイモ臭をマスキングし、果実本来の香りや味わいを引き立たせます。甘みもすっきりして、後味が軽くなります。

バター不使用ケーキの代表格、シフォンケーキの食べ比べも。こちらも、リキュール使用の方が、奥行きのある味わいに

清酒「カワセミの旅」の紹介も。スイーツに、清酒?と少し不思議な気もしますが、あのジャン=ポール・エヴァン氏が「ショコラに最も合う日本酒」と認めたお酒だそう。パリの「ジャン=ポール・エヴァン」にも店頭に置かれており、パリ、そして東京のサロン・デュ・ショコラでも“カワセミ&ショコラ”のマリアージュが紹介されました。

手作り風のラベルがかわいい「カワセミの旅」(越の華酒造)

気になるのがその味。純米酒独特の丸みは無く、喉越しが良くシャープな味わい。まさにワインのような華やかなアロマの広がりに、ショコラとの相性の良さも納得です。今度は是非、ショコラと合わせて(もちろん、エヴァンの!)試飲してみたいもの・・・なんて贅沢すぎますね。




◆宏洋株式会社

輸入のリキュールを販売する宏洋鰍ゥらは、イタリアのソレント半島で作られた「ルッソ・リモンチェッロ」の紹介。一般的に流通しているリモンチェッロは、香料使用や機械生産が多い中、「ルッソ・リモンチェッロ」は、工場に皮むき専門の熟練職人がいるほど、手作りにこだわっています。機械剥きだと、果実の白い部分が入ってしまうので余計な渋みが出てしまい、味わいに大きく影響するのです。リモンチェッロは、素材が持つクセをマスキングしたり、加熱した果物の退色を防ぐ効果があります。たとえば、柑橘系やイチゴのジャムを炊く時に、リモンチェッロを少し入れると鮮やかな色に仕上がるので、そのまま飲む以外に、お菓子作りにも活躍します。

手作りならではの味わい「ルッソ・リモンチェッロ」

ソレント半島一体でも、特にアマルフィー産の厳選されたレモンで作ったその味わいは、鮮やかな香気と心地よい苦み、そしてすっきりとした甘さが溶け合います。アルコール度数34°とかなり高めですが、それを忘れてしまうほど、ストレートでおいしく飲めます。

あまりのまろやかな飲み口についつい試飲しすぎて、その後がちょっと大変でした(笑)


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◆カルピスフーズサービス株式会社

いつもなら、カルピスバターがずらり!と並ぶ、カルピスのブースですが、今回は時代を反映して、生クリームが主役に。

バターを使わず、生クリームのみで作った焼き菓子の提案も

カルピスの生クリームは、一般には販売していませんが、業務用としては広く流通しています。岩手県北部の酪農地域で生産された生乳は、絞りたての牛乳そのままのフレッシュな味わい。そして、高脂肪の47%でも光沢のある“白さ”が特徴です。この白さは、栄養バランスの良い飼料によるものだそう。また、37%は低脂肪なのに、ホイップした時に立ちが良く、軽い口どけと自然な乳風味が魅力的でした。




◆中沢乳業株式会社
北海道産地限定の生クリーム!おいしそう!

新製品の「フレッシュクリーム43%」は、北海道内屈指の酪農地帯、阿寒エリアのクリームを使用した純乳脂肪43%のフレッシュクリーム。クリーム本来の味わいを最大限に活かした豊かな乳風味と口溶けが特徴。一方、乳製品の高騰により、大手向けとして需要が高まっているのがコンパウンドクリームです。

低脂肪コンパウンドナイスホイップEと、コンパウンドの特性を活かした「たんかんの生チョコ」の提案

味の面では、純脂肪クリームに劣るものの、コンパウンドクリームは「作業性のよさ」や「ライトな食感、すっきりとした口どけ」という利点があります。乳化しやすく、ムースの練りこみや柑橘系など酸の強い素材とも相性が良いそうです。特徴を活かし、用途によって使い分けるというのもよいかもしれませんね。



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◆株式会社イワセ・エスタ

取り扱う和洋菓子材料はなんと4000種(!)という、大手材料卸のイワセ・エスタ。ブースで一番目立つところに展示していたのはやはり、バター代替油脂。

発酵バターのコクが活きる、コンパウンドマーガリン「ラ・ブルターニュ」

コンパウンドといっても侮るなかれ、こちらの「ラ・ブルターニュ」はフランスのブルターニュ地方の発酵バター「ル・ガール」がブレンドされています。使用したガレット・ブルトンヌを試食しましたが、独特なマーガリン臭は少なく、コクもあって後味もマイルド。作業面では、クリーミング性と乳化性が高く、安定した生地作りが出来るとのことです。




◆月島食品工業株式会社

マーガリンやショートニングなど、食品加工油脂を多数開発している月島食品。バターやチーズの代替商品を多数紹介し、注目を集めていました。オリジナルの発酵乳を使って、バターのおいしさを追求したというノンコンパウンドマーガリン「ラ・ブール」を使った焼き菓子を紹介。

「ラ・ブール」を使った豆腐のケーキは、あっさりした味わい。ヘルシー感も魅力


雑穀と木綿豆腐を使ったケーク「焼き十富」は、豆腐とバニラの効果でマーガリン臭と油っぽさをマスキング。また、同じく豆腐を使ったチーズケーキも提案されており、こちらもかなりライトな味わい。ダイエットが気になる人にはぴったりですね。




◆横山香料株式会社 

コンパウンドやマーガリンなど、バターの代替油脂さえも使わず、バターの味わいが実現!?そんな魔法のような商品を見つけました。その名も、「バタレックス」。しかも、天然のクリームを酵素処理して、風味を強化した食品素材なので、従来のような「香料」といった添加物表記ではなく、「乳脂肪」として原料表記できるのです。

「バタレックス」は、わずか0.1〜0.5%でバターの風味が出るそう。す、すごい・・・!

「ミルロンパウダー」は4種類。耐熱性にもすぐれているので、焼き菓子やパンにも

ローファット、ローカロリー食品への需要が高く、スープやダイエット食品にも4〜5年前から使用されているそうです。発酵バターやチーズタイプ、焦がしバターのものなど味のバリエーションも豊富。その他、「ミルロンパウダー」という、コンデンスミルクやヨーグルトの香味料パウダーなども。まるで未来食や宇宙食のようです。この魔法の粉があれば、乳製品不足も乗り切れる・・・のかな??



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◆石橋工業株式会社

石橋工業鰍ヘ、「麦のいしばし」として、大麦を主原料とした様々な食品を提案。今回は「大麦スイーツ物語」をテーマに、自社の大麦粉を使ったシフォンケーキやマフィンなどを紹介。

大麦は水分や油分を吸収しやすいので、しっとりした食感


大麦には、食物繊維が豊富で、コレステロールを下げる働きや糖尿病予防にも役立つ健康食品。ヘルシー志向が現代にぴったりの穀物だそう。グルテンが含まれていないので、パンや麺には不向きですが、ケーキやクッキーに混ぜ込んだり、麦煎餅にしたりと、用途は広そう。中でも、注目なのは「麦美人」という大麦で作ったアイスクリーム。大麦独特の素朴な甘さと香ばしさは、意外にも乳製品と相性がいいもの。おいしくて健康にもいいなら、一石二鳥ですね!

黒酢入りのタイプは酸味がさっぱりとして身体に良さそう。ラズベリー味、マンゴー味など果物とあわせるとさらに食べやすくなります



◆群馬製粉株式会社

会場のどこにいても群馬製粉のブースが見える!?というほど、ランドマーク的に目立っていたのが群馬製粉梶B新商品として大々的に紹介していたのは、新餅粉「白月(はくつき)」と、米の麺「J麺」。

金ピカの「白月」の文字が派手!!

「白月」は、火をいれないでそのまま練ることができるという新素材の餅粉。従来の餅粉のように、蒸したり杵でついたりする必要が無いため、牛乳や水に混ぜるだけで餅が出来る作業性のよさが魅力。
そして、「J麺」は国産米100%を使用した、新しい製麺用素材。今まで、国産米は粘りが強い為、麺に成形することが不可能でしたが、群馬製粉は、静岡大学の教授や「モンサンクレール」辻口シェフ、「カノビアーノ」植竹シェフと共に、グルテンを加えず、米と水だけで作る麺の開発に成功。シェフご本人を招いてのキッチンセミナーも大反響でした。群馬製粉が“主食革命”と銘打つ程の「J麺」へかける情熱、このブースの大きさから、しっかり伝わりました・・・!

植竹シェフによる、J麺を使ったリングイネやカッペリーニなどを紹介



◆株式会社三栄コーポレーション
話題の「モッフル」は注目の的。お餅のワッフル・・・いったいどんな味なのでしょう?


テレビや雑誌など、マスコミで話題になっている「モッフル」。作り方は簡単。専用のモッフルメーカーに、市販の切り餅をセットして焼くだけ。

サンドして3分〜5分待つだけ。お手軽な調理法が魅力


また、しゃぶしゃぶ用の薄いお餅を使えば、具材をサンドしたホットサンド感覚のモッフルも。アンコやクリームをはさんでデザートにしたり、コロッケなどお惣菜をサンドして主食にしたりと用途は色々。餅なので重たい食感なのかと思いきや、意外にも軽い味わい。表面の凸凹によって、サクサク・モチモチと食感に表情もあり、まさに新食感!カフェのメニューなどで、既に出始めているそうで、これは今後さらにブレイクしそうな予感。




◆日新製糖株式会社 
オーボンヴュータンのシュークリームに誘われて・・・


日新製糖鰍フブースでは、シュークリームが試食として配られていました。何と「オーボンヴュータン」河田シェフのレシピだとか。なんて贅沢なのでしょう!一口食べてみると、ショコラクリームのキレのある甘さに驚き。すっきりとした味わいの中に、カカオの香りが引き立っています。こちらのシュークリームに使っているのが「フルーツシュガー」。

「フルーツシュガー」は、お菓子の材料に使う他、紅茶やコーヒーなどに直接使ってもOK


フルーツシュガーは、果物や野菜などに含まれている糖分で、砂糖と同じ天然の甘味料。爽やかでキレのある甘さが特徴で、素材の風味を引き立てます。河田シェフは、これに注目し、コンフィやコンフィチュールに活用。フルーツシュガーのもうひとつの特徴である浸透圧の高さも利用し、シロップ漬けの時間を短縮し、フルーツ本来の新鮮な味わいを残すのだそう。会場には、今回の為に特別に作られたという河田シェフのコンフィも展示してありました。

フルーツシュガーを使ったコンフィは、中までしっかり糖が浸透するので、宝石のような輝きです



◆朋和商事株式会社

ずらりならんだ藻塩スイーツ。どれもおいしそう!


瀬戸内の美しい海水と愛媛県産の「ホンダワラ」という海草を原料とし、伝統的な製塩技法で作り上げた「海人の藻塩」。ミネラルを含んだまろやかな味わいは、スイーツにもぴったり!ということで、フードコーディネーターの石井久子さんのレシピによる、様々な「藻塩スイーツ」が紹介されていました。

「ミルクジャムは、添加物を一切加えず、新鮮な材料でひとつひとつ手作りしています。パンやアイスクリームにぴったり。ほんのり塩気がくせになりますよ」
と、石井さん。

フードコーディネーターの石井久子さん


塩ヨーグルトパフェや、塩ごまあんみつ・・・など和洋問わず、デザートと相性抜群の藻塩。実際に商品化も進んでおり、アイスクリームやパウンドケーキ、ミルクジャムなどは広島の空港で売られているのだそうです。

空口ママのみるく工房「藻塩ミルクジャム」



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◆お菓子研究家 西山朗子氏 セミナー 
   「お菓子の素材をもっと知りたい!〜バター・油脂〜」
お菓子研究家の西山朗子さん



ブースを見ても、「バター不足」をテーマにした商品が目立った今会場で、まさに時代を反映したセミナーが開催されていました。
お菓子教室も主催する、お菓子研究家の西山朗子さんが講師となり、油脂を置き換えて作ったマドレーヌとサブレを食べ比べするもの。使用したのは以下7種。

・無塩バター(四ツ葉乳業)
・有塩バター(明治乳業)
・海塩結晶入り発酵バター「セル・ドゥ・メール」(フランス・ユーリアル社)
・「エシレAOC発酵バター」(エシレ酪農協同組合)
・コンパウンドマーガリン「リラナチュラル オーベルニュCF40」(日本油脂)
・ショートニング「オーガニック トランスファットフリーショートニング」(オーガニックマウンテン)
・オリーブオイルスプレッド「イーガー エキストラバージンオリーブオイルスプレッド」(ボレイ)


色分けされたマドレーヌとサブレ。比べて食べると、驚くほど味わいが違います!


驚いたのが、意外にもコンパウンドがバターと同じようにおいしく感じたこと。今回使っているものは40%もブルターニュ産の発酵バターを使い、無添加のもの。焼き菓子に使うと、食べやすく軽い仕上がりになります。他の素材の邪魔をすることなく、粉の旨みもしっかり感じられました。
「今回は、油脂の味をストレートに感じるために、レシピは全て同量。おいしくするための工夫はしていません」
と、西山さん。
それぞれの油脂の性質と商品の特徴を知り、レシピに工夫することでバター不足の時代でもおいしいお菓子作りが出来るというわけですね。西山さん、ありがとうございました!




◆群馬製粉梶@辻口シェフ&植竹シェフ スペシャル対談 

J麺の仕掛け人、辻口シェフ、群馬製粉の山口代表取締役社長、植竹シェフの強力タッグ


群馬製粉の新製品「J麺」をテーマに、辻口シェフ、群馬製粉の山口社長、植竹シェフの3人がトークセッション。今注目の人気シェフが間近で見られるとあって、セミナー会場は立ち見も出ました。

「2分くらいでアルデンテになるから、調理時間の短縮にも。パスタとして使う他、カリッと揚げてフリットにしてもおいしいです。機械の導入が必要なので、業態開発して専門店化しても面白いですね」
と、植竹氏。J麺の可能性の大きさに期待を寄せます。

「国産の米を使っているので、やはり和の素材と相性がいいですね。黒蜜・生クリームと組み合わせて、くずきり風の和風スイーツにしても。アシェットにして、“箸を使って食べるスイーツ”っていうのも面白いかもしれません。麺タイプだけでなく、チップ状のJ麺もあるので、ボイル後コンフィチュールとあえて、ムースのセンターにしても食感の変化が楽しめて良さそうです。」
と、次々とアイディアが出る辻口シェフ。

セミナーでは、辻口シェフ提案の生クリーム・黒蜜とあわせたJ麺スイーツも。もちもちと弾力のある食感は、まるでフォーのようでした


「米に比べて10%もカロリーが低いJ麺は、塩も一切使っていないので、糖尿病や人工透析をしている人でも安心して食べられる素材。病院や学校給食などにも提案していきたいですね」
と、山口社長も意欲を燃やしていました。今後の展開に期待!




◆第2回
    グラス(氷菓)を使ったアシェットデセール・コンテスト


期間中の9日・10日の2日間、会場内の特設ステージにて「グラス(氷菓)を使ったアシェットデセール・コンテスト」が行われました。コンテストは、全国の地区予選を勝ち抜いた12名のパティシエが、制限時間内に一皿の中にグラス(氷菓)を組み入れたデセールを製作します。

司会は、スイーツ・コーディネーターの平岩理緒さん


一人当たりの制限時間は2時間半。グラスを使ったアシェットは、まさに時間との勝負。バーナーを使ったり、繊細な飴細工を取り入れるなどア・ラ・ミニッツだからこそ表現できる技を駆使します。「3・2・1・・・!」とカウントダウンする中、時間終了ギリギリまでアシェットに向かい合う姿は、見ている側も手に汗握る臨場感でした。

ザ・リッツ・カールトン徳永さんは、アイスコロッケをあしらった独創的なデ・セールを。出来上がった作品はすぐに、審査員に自らサーブします。


審査員は「ツッカベッカライカヤヌマ」の栢沼 稔シェフに、「ピエール・エルメ・パリ」のリシャール・ルデュ氏、クープ・ドゥ・モンド2007で優勝を納めた帝国ホテルの市川幸雄氏など錚々たるメンバー。審査基準は組み合わせのバランスや味覚、独創性、そしてデザイン性など。もちろん、作るまでの作業手順も、得点のうち。選手は一秒たりとも気が抜けません。

審査する側も真剣そのもの・・・!

今回の優勝者は、ホテルメトロポリタンの生井雄治さん。タイトルは“enrouler”


一皿の上で素材が織り成すデザインと技、そして味わい。アシェット・デ・セールの魅力と難しさを垣間見ることができたコンテストでした。ひとつ残念なのは、どんな味かわからなかったこと。優勝作品、ホテルメトロポリタンで出してくれないかなぁ・・・!






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