暑かった夏にもやっと秋らしさを感じられるようになった9月19日、フランス大使公邸で、フォション日本上陸40周年のプレスカンファレンスが行われました。


誰もが知るあのフォションが、パリのマドレーヌ広場に果物や野菜の屋台を構えたのは1880年のこと。フランスでも屈指の農家から仕入れた、品質の高い食材が好評を博し、6年後には同広場に店を構えるまでになったそうです。その後、ワイン、パン、お菓子と取り扱う商品を増やし、さらにはレストランやティーサロンの併設と、拡大してきました。
そして1972年に東京の島屋に売り場が設けられ、初の海外進出である日本上陸を果たしました。当時、爆発的に売れた「アップルティー」は、いまでもフォションの顔の一つ。のちに紹介しますが、今回は日本上陸40周年を記念した商品が多数登場しました。アップルジャムに抹茶を入れるなど、日本の食材とのコラボレーションで、その親愛を示しています。

さて、在日フランス大使館の方が、フォションの40周年を祝う挨拶の中でこんな話をされました。
「みなさん、歴代在日フランス大使の名前を知らなくても、フォションの名はご存知でしょう。この40年、フォションは、いわばフランス大使のような役目を果たしてきたと言えるのではないでしょうか」
聞いていた一同も納得顔。確かに、その通りかも……!
ある調査によれば、フォションの日本での知名度は、女性70%、男性40%で、海外高級ファッションブランドに匹敵するそうです。また、日本での売り上げは、フォション全体の約半分を占めているとのこと。知名度の高さと共に、重要なマーケットであることも事実です。こんなご時世であっても、現在フォションは、世界のどこかに月に一店のペースで出店し、拡大を続けていると聞けば、2004年から同社の会長兼CEOを務めるミッシェル・デュクロ氏の手腕が知れるところですよね。

プレスカンファレンスの間に、隣ではフォションらしいしつらえのパーティー会場が用意されていました


そして、デュクロ氏や、2年前からフォション日本責任者を務めるフィリップ・ジャルダン氏の話の後は、日本、そしてアジアの味をすべて決めている、在日16年のアジアパシフィック デベロップメント エグゼクティブシェフのニコラ・ジャンベール氏からお話しがありました。

「味覚の優れた日本の方を裏切らないということを肝に銘じて商品作りをしてきました。パリそのままの味を届けること。これを念頭に、伝統をフレッシュにモダンに仕立て上げるべく、ちょっとのひねりを加えて新商品を開発しています。今回、40周年を記念して、日本の食材を積極的に使いました。日本人は季節感を大切にしているので、そのあたりにも気を使いました。フランスと日本のいい食材の出会いで、日仏の愛情の申し子とも言うべき商品が誕生したと思っています」

お話しの後は、部屋をうつして、それら新商品の試食を兼ねた立食パーティに突入!
40周年を記念して、お誕生日ケーキとシャンパーニュのお披露目で会はスタートしました。 さて、どんな新商品が誕生したのでしょう。

フォションのミッシェル・デュクロ会長兼CEOと
島屋の常務取締役内野幸夫氏


フォションの40周年を記念したケーキに飾られたキャンドルを、お二人が吹き消し、パーティがスタートしました


数年前から力を入れているエクレア。今回は、双方の国の絵画の傑作がエクレアの表面を飾りました。インパクト大。プレゼントにすれば、あっと驚かれそうです。

葛飾北斎の富嶽三十六景 神奈川沖浪裏を描いた「ラ・ヴァーグ」

「モナリザ」の瞳の部分をモチーフにしたエクレア「ジョーコンド」は、パリのみならず、日本でも話題に

シーズンごとに新たなデザイン、新たなフレーバーが生み出されるフォションのエクレアが、会場を彩りました



マンダリンオレンジと、日本らしい柚子をイメージした香りづけをした紅茶。ホットでも、アイスティーでも楽しめます。
その他にも香り豊かなフレーバー、ラズベリーやマカロン・フランボワーズなどが登場しました。

アップルジャムには抹茶を入れて。紅茶と同じく、マンダリンと柚子の組み合わせもあります。



マカロン オランジュ
マカロン フレーズ
マカロン ショコラ
マカロン ア・ラ・
ピスターシュ

日本へのオマージュとして誕生した「果樹園のアップル」や、バラ色のラズベリーマカロンをイメージしてブレンドされた「マカロン フランボワーズ」など、手に取るだけでも華やかな気分になるパッケージの紅茶が揃います

苺の産地として有名なペリゴール産の最高品質の苺に、桜の花びらを入れた「ブラックチェリージャム」や、みかんに似た甘いオレンジと日本のユズを合わせた「マンダリン&ユズ」など、ギフトにぴったりのジャムや、どんな料理にも相性のいいフォションの定番シャンパン「シャンパン・ブリュ」なども紹介されました


スモーク商品各種は、フランスでは大人気。今回は日本へのオマージュとして、日本限定のアップルティーでマリネしたスモークサーモンなどフォションならではのユニークなものも。クリスマスの食卓に、フォションのシャンパーニュとともに是非。日本ではあまり知られていないところですが、パーティでもこれらのフードは人気でした。

アップルティーでマリネしたスモークサーモンは、パーティの主役になりそう


そして、パンのイチオシは、赤味噌をいれたカンパーニュ。フランスの食卓に欠かせないパンと、日本の食卓に欠かせない味噌が融合した味は、かみしめるほど味わい深く、コンテチーズやスモークサーモンにもぴったり。そのほか、日本の秋を意識してかぼちゃやマロンを入れたカンパーニュやクロワッサンも登場です。

40周年記念商品の一つ、メイド・イン・F赤味噌カンパーニュ。フランスと日本のマリアージュを楽しみたい

会場にはかぼちゃやマロンのクロワッサンも並びました

レモンの果皮と果肉を煮詰めたレモンペーストと、レモン果汁で煮込んだりんごジャムをたっぷりと使った「ル・フォション」は、ロゴと日の丸が目をひきます

クリスマスシーズンには「シュトーレン・フォション」も登場!レーズンやパパイヤ、パイン、クランベリーなどのドライフルーツや、ピスタチオ、ヘーゼルナッツなどのナッツ類もたっぷりで、贅沢な味わいに仕上がっています


他にもいくつか新商品があり、また、40周年記念商品の開発は、現在も鋭意進行中とのこと。
この秋、フォションのブティックをのぞくのが楽しみですね。





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