取材・文 佐々木 千恵美  


毎年秋に開催される「フランス レストラン ウィーク」に行かれたことはありますか? お得なお値段と内容でフランス料理にもっと親しんでもらおうと、10年前にスタートした日本最大級のレストラン・イベントで、今年の開催予定は10月8日〜31日。
記念すべき10周年を前に、新たな姉妹イベントが開催されることになりました。それが「フランス パティスリーウィーク2021」です。


「フランス パティスリーウィーク2021」のロゴとスイーツのイメージ


このイベントは、オリンピック目前の7月2日(金)から7月18日(日)まで、関東エリアのパティスリー、ホテル、レストランなど52店が参加し、同じテーマのお菓子を一斉に提供するというもので、初のテーマはパリ・ブレストにちなんだ「パリ・トーキョー」。

パリ・ブレストといえばリング状のシューにプラリネを加えたアーモンド風味のバタークリームを挟んだフランス伝統のお菓子。1891年に開催されたパリとフランス西部の街ブレストを往復する自転車ロードレースを記念して作られた自転車の車輪の形から発想を得て作られたといいます。ナッティで濃厚なクリームにアーモンドの香ばしさ、シュー生地の塩気とサックリとした食感が人気のクラッシックなパリ・ブレストは、日本のパティスリーでも見かけることがあります。

そして自転車ロードレースはオリンピックの種目。東京開催から次期オリンピック開催都市パリへのオリンピック開催都市の架け橋となることを願って、今年のテーマは「パリ・トーキョー」に決定されたのです。

参加するパティシエは「トシヨロイヅカ」の鎧塚俊彦氏、「パティスリーカメリア銀座」の遠藤泰介氏、「アディクト オ シュクル」の石井英美氏、「パティスリー サロン・ドゥ・テ アミティエ 神楽坂」の三谷智恵氏、またレストラン「ピエール・ガニェール」のルーカス・デュマルスキ氏や「ベージュ アラン・デュカス 東京」のドゥグラス・オベルソン氏など、ベテランから今話題の若手シェフまで多数。


「パリ・トーキョー」スイーツ(上)とシェフ(下)
左から「トシヨロイヅカ」鎧塚俊彦氏、「パリ セヴェイユ」金子美明氏、「パティスリー イーズ」大山恵介氏、「アンフィニ」金井史章氏、「ル・ショコラ・アラン・デュカス 東京工房」ジュリアン・キンツラー氏、「ピエール・ガニェール」ルーカス・デュマルスキ氏


クラシックスタイルから創作スタイルまで、それぞれのシェフが思い描いた十人十色の「パリ・トーキョー」。2週間の開催中、スイーツファンなら何種類食べられるでしょうか。食べ比べも楽しみですし、フランス菓子の魅力を新たに発見できる機会にもなりそうですね。


左上から「トシヨロイヅカ」「アディクト オ シュクル」「パティスリー サロン・ドゥ・テ アミティエ 神楽坂」「ピエール・ガニェール」「ベージュ アラン・デュカス 東京」、左下から「ル・ショコラ・アラン・デュカス」「ロートンヌ」「パティスリーカメリア銀座」「アヴランシュ・ゲネー」「菓子工房グリューネベルク」
店舗によってテイクアウト、イートインでの提供となります


イベントに先駆けて先日、麻布にある株式会社フジマックの本社にて開催されたフランス パティスリーウィークのメディア発表会に伺いました。

参加するパティシエの中からパティスリーカメリア銀座の遠藤泰介シェフと ベージュ アラン・デュカス 東京のドッグラス・オベルソン シェフ、お二人のデモンストレーションと、アドバイザーのフランス菓子・料理研究家の大森由紀子先生によるMCで、パリ・ブレストのこと、最近のフランスのパティシエ動向などのお話しをまじえながら進めていただきました。


「パティスリーカメリア銀座」遠藤泰介シェフ

「ベージュ アラン・デュカス 東京」ドッグラス・オベルソン シェフ

デモの進行をする大森由紀子先生


遠藤シェフの「パリブレストノワゼットエラブル」は、アーモンドプラリネをヘーゼルナッツプラリネに置き換え、キャラメルとマスカルポーネのコクにエラブル(メイプルシロップ)の香りでナッツ感をひきたたせたもの。シュー生地のトップと間に、ヘーゼルナッツをロースト、ペースト、プラリネといろんな味と食感で楽しめるように、たくさんのパーツが組み立てられています。高さのあるゴージャスな一品を頬張れば、濃厚でナッティな風味とサクサク食感が口の中で奏でられます。


クレームプラリネ、クレームマスカルポーネエラブル、キャラメルエラブルを絞る遠藤シェフ。食感や風味を重ねてヘーゼルナッツの様々な表情をパリ・ブレストで表現

パティスリーカメリア銀座:パリブレスト ノワゼット エラブル 販売価格:1,000円(プティガトー、税込) テイクアウトで提供


オベルソン シェフの「パリ・トーキョー」は、日本の素材、千葉産の落花生を使ったクリームのパリ・ブレストに、フランス・パリ産のウィスキーで風味付けしたキャラメルを合わせたもの。パリと東京を素材でつないだストーリー性と、シンプルに見えてとても洗練された味わいが印象に残る一品です。


日本の落花生とパリのウィスキーを素材にしてつないだと語るオベルソン シェフ

樽の香りが心地よいパリのウィスキー入りキャラメルを重ねる。ちょっと変わった絞りが目を引く

パリ・トーキョー 販売価格:2,000円(税・サ込) イートインで提供


こんな形で作り手の想いと内容を知ると、52店全部の「パリ・トーキョー」に興味がわいてきます。SNSなどで見映えのするスイーツが主流になっている今ですが、今回の「パリ・トーキョー」は創作的、伝統に近いもの、どちらもありなので、気分や好みに合わせてトライするのもいいですね。テーマにちなんで自転車で巡るなんてこともありでしょう。 オリンピック目前ならではの期間限定スイーツを、ぜひお楽しみください。


デモの後の試食会場にて記念撮影


フランス パティスリー ウィーク2021イベント概要

 開催期間:2021年7月2日(金)〜7月18日(日)の17日間
 主催:フランス パティスリー ウィーク事務局
 協賛:ヴァローナ ジャポン株式会社
 サンペレグリノ
 Groupe PSA Japan株式会社
 日仏商事株式会社
 エールフランス航空
 株式会社フジマック
 ルイレゾン
 Lactalis Japon
 ブラガール
 G.E.マスネ社
 antenna*

パティスリーなど参加52店舗はこちら: https://www.francepatisserieweek.com/pastryshops
イベント公式サイト:https://www.francepatisserieweek.com
公式Instagram:https://www.instagram.com/france_patisserie_week



左上から時計回りに「フレデリック・カッセル」「パッション ドゥ ローズ」「洋菓子店クリオロ」「ザ ストリングス 表参道 カフェ&ダイニング ゼルコヴァ」



そして気に入った「パリ・トーキョー」を撮影して Instagram に投稿してみましょう。フォトコンテストとして優れた6 作品には、すてきなプレゼントがあります。詳しくは下記をご覧ください。

映えるスイーツ写真を投稿しよう! 「フォトコンテスト」の概要

<応募期間>
2021年7月2日(金)から 7月18日(日)まで

<応募方法>
1. 当イベントの参加店で提供販売されている「パリ・トーキョー」商品を注文し、画像を撮影します。
2. インスタグラム公式アカウント「 @france_patisserie_week 」をフォローの上、ハッシュタグ「#フランスパティスリーウィーク」をつけ、撮影地情報やスイーツやお店の説明などを入れて、インスタグラムに投稿してください。

インスタグラム以外の SNS(Twitter や Facebook など)はコンテスト応募の対象になりませんが、ぜひ一緒にご投稿ください。

<応募資格>
年齢、性別、国籍、住所地、プロ・アマ不問。ただし、自分自身の Instagram アカウントを持ち、かつ公式アカウント「 @france_patisserie_week 」をフォローしている方で、賞品のお届け先が日本国内である方に限ります。Instagram にてアカウント非公開、ハッシュタグがついていない投稿は、審査対象外となりますのでご注意ください。画像は一人何点でも投稿(=応募)可能です。

<審査方法と当選発表>
イベント事務局内の審査委員会による厳選なる審査の末、7月下旬にエントリー者を選出し、当イベントの公式サイトに掲載することで発表いたします。さらにエントリー作品の中から、6作品を優秀賞に決定します。選ばれた方には Instagram のイベント公式アカウントからダイレクトメッセージでその旨をご連絡いたします。
お知らせを送った後、5日以内に連絡が取れなかった場合、または入賞作品の応募者が入賞を拒否した場合は、入賞は取り消しとなりますのでご注意ください。6名の受賞者にはイベント事務局パートナー企業の素敵な景品が送られます。さらに 7月下旬(予定)に都内で開催される洋菓子料理教室に無料招待されます。



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