取材・文 佐々木 千恵美  


10月はじめ、明治通りに面したフレデリック・カッセルの広尾アトリエにて、恒例のフレデリック・カッセル新作発表会が開催されました。

今年のテーマ「25周年」の月替わりインスピレーションが飾られた会場の入り口。

会場で出迎えてくれたのはフランスから来日したフレデリック・カッセル氏と、今年7月から日本においてのフレデリック・カッセル シェフに就任した宮川知子氏。宮川シェフは京都、東京でのパティシエ経験の後渡仏、2011年からフォンテーヌブロー本店にてカッセル氏に師事。2013年からはスーシェフとして合計8年間、カッセル氏のもとで働いたいわば右腕。フォンテーヌブロー本店と日本での展開を一層深くつないでいってくれる、明るく頼もしいシェフパティシエールです。


フレデリック・カッセル氏(左)と宮川知子氏(右)。この25年の間に約75人がカッセル氏のもとで修業されたそう。


今年はカッセル氏がパリ郊外のフォンテーヌブローにパティスリーを構えてから25周年を迎える節目の年。結婚で言ったら銀婚式にあたる年。夫婦の絆を深め、共に歩めたことへの感謝という意味合いと、フレデリック・カッセルの25年間の集大成が創り出す新作のコンセプトはどこか通じるものがあります。

「25年間の歳月の喜び、職人技を模索しながら極めた時間、それを若い人たちに継承した時間。柚子やスダチなど新しい香りとの出会い、人との出会い、新たな地での店のオープン…。しかし最も大切なのは新しいものをみんなでシェアし、創り出していくということ。今名誉会長を務めるルレ・デセールの、高級パティスリーというジャンルでクリエーションをし続けてこられたのは、一緒に働く仲間、職人の手があってこそ。本当に感謝しています。これからはどのような食材を仕入れてどのようなクリエーションをしていくかということを、未来に向けて子供たちに色々引き継いでいきたいと思っています。」
カッセル氏は今後のヴィジョンまで語ってくれました。


今回のコレクションは大きく分けて3つ。月替わりで提案するインスピレーション、ノエルと新年(クリスマスケーキとガレット・デ・ロワ)、それにバレンタインとホワイトデー、サロン・デュ・ショコラ東京限定などショコラのコレクションです。


まずは今みなさんが気になるノエルと新年から紹介しましょう。

今年のクリスマスケーキは店舗により異なる9種類の生菓子、それに日持ちのする焼き菓子1種とクリスマス限定フレーバーのボンボンショコラアソート。

フレデリック・カッセルのシグネチャーともいえるミルフイユをベースにした「ミルフィユ・ノエル」は銀座三越限定。コクのあるチーズクリームと赤いイチゴ、サクサクのパイ生地の組み合わせはこの上なく贅沢。

「ミルフィユ・ノエル」6,912円(税込) 銀座三越限定


フォンテーヌブロー本店と同じケーキが食べたいというファンには伊勢丹新宿店限定の「コフレ・ノエル」をぜひ。ホワイトチョコレートで出来たギフトボックスにダークチョコレートのリボン細工が華やか。蓋を開ければレモンが香るコクのあるクリームに甘酸っぱい赤い果実とココナッツのケーキがあらわれます。

「コフレ・ノエル」7,560円(税込) 伊勢丹新宿店限定


その他、マロンクリームとショコラの「ビッシュ・テュラン・ショコラ」(日本橋三越本店限定)、ヘーゼルナッツとチョコレートの「ビッシュ・カセ・ノワゼット」(西武池袋本店限定)、フロマージュブランとラヴェンダー蜂蜜など爽やかな組み合わせの「プレジール」(名古屋三越栄店・星ヶ丘店限定)、ココナッツビスキュイとキャラメルバナナ、ホワイトチョコレートムースの「ノエル・ブラン」(あべのハルカス近鉄本店限定)、ココナッツビスキュイ、キャラメルバナナ、チョコレートムースの「ショコラ・バナーヌ」(そごう横浜店・遠鉄百貨店)など、ショコラをベースにしたラインナップ。

「ビッシュ・テュラン・ショコラ」5,400円(税込) 日本橋三越本店限定

「ビッシュ・カセ・ノワゼット」5,400円(税込) 西武池袋本店限定

「プレジール」4,536円(税込) 名古屋三越栄店・星ヶ丘店限定

「ノエル・ブラン」5,940円(税込) あべのハルカス近鉄本店限定

「ショコラ・バナーヌ」5,400円(税込) そごう横浜店・遠鉄百貨店

百貨店限定のケーキについては各百貨店店舗にての予約販売となります。



また、フレデリック・カッセル三越銀座店では12月18日からひと足先に2種類の生ケーキ「クロンヌ・ドゥ・ノエル」、「ジャクリーン」を店頭販売するので、前倒しでパーティー開催なんて方はぜひ。さらに11月6日からはクリスマスカラーにドレスアップした小さなクグロフ型の焼き菓子「プティ・クロンヌ(フレーズ・ショコラ)」、パンデピス香るダークチョコレートガナッシュ「エピス」とヘーゼルナッツのプラリネショコラ「ノワゼット」の2種類が入ったクリスマス限定ボンボンショコラアソートが登場します。ちょっとしたプレゼントやお土産にクリスマスの香りは喜ばれそう。

「クロンヌ・ドゥ・ノエル」3,240円(税込)
上から見るとクリスマスリースのよう! しっとりしたスポンジで巻いたイチゴのコンポテ、ヴァニラムース。

「ジャクリーン」3,780円(税込)
ブロンドチョコレートのクレムー、洋梨のコンポテをダークチョコレートのムースで閉じ込めたショコラ好きにおすすめのシックなクリスマスケーキ。

「プティ・クロンヌ(フレーズ・ショコラ)」各486円(税込) 箱は別売り。



ちょっと気が早いけれど、新年を祝うお菓子ガレット・デ・ロワの2020年版は定番のトラディションに加えカシス・アマンドも限定販売。気になるフェーブは「フォンテーヌブロー城」。ピースになった8種類のフェーブを組み立てるとお城が完成する仕掛け。できれば全部集めたいところだけれど…、どのフェーブに当たるか、それも新年の運だめしです!
期間限定販売(12月28日〜1月13日)王冠と2020年フェ―ヴいずれか1ピース付き

「ガレット・デ・ロワ」トラディション2,376円(税込)、カシス・アマンド2,592円(税込)

2020年のオリジナルフェーヴは8つのピースを組み立てるとフォンテーヌブロー城に。



続いては月替わりで提案するインスピレーション。
これまでは素材に焦点をあて展開してきましたが、今年はカッセル氏監修のもと、本国のパティシエたちがそれぞれ自分の好きな食材を使ったクリエーションに挑戦し、10月から3月まで5つのガトーとマカロンが揃いました。これぞ「スタッフの手が私にとって一番大切という」カッセル氏提案の25周年祝い。カラマンシーはルイさんが作り、グアバは10年シェフパティシエをやっているノルベールさん、アントニーさんはカフェ・オランジェを考案。カッセル氏のエスプリを感じながら味わいたいものです。

クリエーションを作り出すチーム・カッセルの手。

11月のインスピレーション「カフェ・オランジュ」。アレンジコーヒーでは昔からある組み合わせなのにガトーでは目新しい。

10月 グアバ 
11月 カフェ・オランジュ
 1月 マロン
 2月 ユズ・バナナ
 3月 カラマンシー
12月のインスピレーションはお休みします


バレンタインとホワイトデーには、25周年を記念した「コレクション・スペシャリテ」が登場します。こちらは「ミルフイユ・ヴァニーユ」を進化させた「ミルフイユフィンガーR」や「ジヴァラ」「タングラム」など、カッセル氏の生み出したスペシャリテのガトー6種に加え最新作のガトー1種をベースにしたボンボンショコラ7粒のコフレ。ダークやミルク、ホワイトのコーティングもバランスよく、形も長方形、四角、丸、三角とガトーのようなバラエティが元になったガトーを思わせます。センターは2層が基本で食べた感じもガトー! カカオの個性が主張するショコラとは違った楽しさ、幸せな気分が味わえますよ。
 2020年1月22日〜発売開始予定


スペシャリテ、ベストセラーを飾った「チーム・カッセル」25周年のピエスモンテ。前述のチーム・カッセルの手の写真はこの土台部分に飾られている。クマのチョコレートはカッセル氏ご本人とか!?

25周年記念の「コレクション・スペシャリテ」7個入り 3,240円(税込)
ジヴァラ、ブルトゥイユ、ルーション、タルト・シトロン、タングラム、ミルフイユフィンガー®・ヴァニーユ、シュシュ


「サロン・デュ・ショコラ東京2020」会場限定品は、毎年欠かせない限定ミルフイユ。今回はなんとアイスになって登場します。タヒチバニラが香るバニラアイスとミルクチョコレートアイスの2層をキャラメリゼされたパイで挟んだ「ミルフイユ・パルフェ・グラッセ」は、半分をミルクチョコレート・ペカンまたはホワイトチョコレート・ペカンでコーティングされており、食べる部分で味わいが変化するのも楽しみ。大勢の来場者で熱気あふれる会場ではアイスクリームは欠かせないアイテムですから覚えておきましょう!


「ミルフイユ・パルフェ・グラッセ」756円(税込)
サロン・デュ・ショコラ東京2020 限定販売




詳細はフレデリック・カッセルのサイト、取り扱いの各百貨店にお問い合わせください。


フレデリック・カッセル

 http://www.frederic-cassel.jp/




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