皆さんは、「ラ・フルティエール」という会社をご存知ですか?名前はわからなくても、お菓子好きなら、ラ・フルティエール社のフルーツピューレのパッケージを、きっとどこかで目にしているはず。ましてや、お菓子作りをしている人なら、ほとんどの人が知っているブランドだと思います。
ラ・フルティエールは、フランス・ブルターニュにあるフルーツ加工会社。名前の通り、もともとはフルーツの生産者として創業したので、現在でも「果実そのものの味わいを第一に」という姿勢を貫いています。
そんなラ・フルティエール社の本社農場と工場を見せていただける機会に恵まれたので、行ってきました!フランス、ブルターニュ地方まで。


フランス、Naizinにある「La Fruitiere du Val Evel」、ラ・フルティエールの本社

幅広いラインナップのフルーツピューレ


ラ・フルティエールは、創始者であるジョルジュ氏が、ベリーの生産者として始め、息子のフレデリック氏の本当に質のいいフルーツを探求する力とともに、現在に至っている家族経営の会社です。
現在、フランスで数ある同業企業のうちで、家族経営の会社は、「ボワロン社」とここラ・フルティエール社の2社だけ。家族経営ならではの由緒と暖かさを持った企業としてその存在を確固たるものとしています。
自社で育てたフルーツはもちろん、世界中から高品質の素材を集めてフルーツピューレを作り、食関係のプロたちからも熱い信頼を得、2013年には、フランス・リヨンで開催された世界最大級の外食産業向け展示会「シラ 国際外食産業見本市」において、グランプリを受賞したという実績を持っています。

本社農園と工場を見学させていただく前に、部長のベルトラン氏に、商品やブランドについてのお話を伺うブリーフィングタイムがあり、その中で、ラ・フルティエールの企業としての説明がありました。
まず、フルーツの専門家として、フルーツの素材そのもののおいしさや、質の高いフルーツ、そして興味深い味のフルーツなどを常に追い求めていること。
そして、フルーツに対する歴史的な知識なども持っていること。
工場や作り方の工程について品質保証をされていることなどが挙げられました。2006年にはIFS(国際食品規格)の認定を受けているそうなので、食品の安全性を保つための優れた品質管理のほどが伺えます。
そして、実際、この工場が本当に清潔ですばらしいものでした。
「フルーツの伝統的な加工方法を、最新のテクノロジーで行う」という目的どおり、最新の設備でありながら、その工程はいたってシンプルなもの。ひとつひとつの工程の説明もわかりやすく、不安材料がひとつもありません。そして、なんだか、人がほとんどいません。それは雑菌が入るのを防ぐため、なるべく人の手が入らないようなラインが整っているからだそうです。
作業による温度帯も部屋によってきっちり分けられていて、優秀な工場の見本のような工場でした。

部長のベルトラン氏。時にはユーモアを交えながら、じっくりと説明していただきました



工場に入る前には白衣、キャップ着用、手洗いなどの確認があります。そこに書かれたイラストがなんともほのぼのとしています


そして、その最新設備の工場を出ると、目の前に広大な自社農園が広がります。
そこには、創始者であるジョルジュ氏が、農夫の姿で今でもフルーツの手入れをしている姿があるのです。愛犬とともに畑にいるジョルジュ氏。
最新の工場を見てきた目に、その素朴な暖かい姿が、本当に感動的でした。
どんなにブランドが大きくなっても、原点はこのジョルジュ氏の農夫の姿なんだと思うと、ラ・フルティエールのフルーツピューレにさらに愛着を感じてしまいます。
農場は今、ベリーの収穫を目の前にしているそう。もう少し訪ねる時期が遅ければ、ベリーの収穫の様子を見ることができたかもしれません。
ジョルジュ氏が大切に育てたベリーたち、どれも絶対においしいはずです。

目の前に広がる自社農園

創始者であるジョルジュ氏。今でも生産者としての誇りを忘れません


さて、工場と農園を見せていただいた後、改めて商品の試食をさせていただくことになりました。
日本でもおなじみの冷凍のフルーツピューレの他に、ソース状の常温フルーツピューレもいただきました。短時間で無菌処理を行うことにより、熱による劣化が少なく、フルーツ本来の味わいを守ることができるというこの常温フルーツピューレは、そのままフルーツジュースとしても楽しめるおいしさのもの。冷凍、常温、どちらもフルーツ自体を熟知しているからこそ生まれる、下手したらフルーツそのものよりおいしいピューレでした。 その他にも、一見、アイスバーみたいに見えるもので、それをパッケージから繰り出して、すりおろして使うものなどアイデア商品もありました。

一見、アイスバーのようですが、これは、ピューレ状のフルーツやバルサミコを凍らしたもので、すりおろして食品の上にかけたりするそうです


ラ・フルティエールの2014年の目標として挙げられたのが、他社製品と違うプロダクトを提供するということ。それは、フルーツピューレを改良によって、さらに自然そのものの形にしていくことで、たとえば、2つのベストセラーとよべる人気商品を組み合わせたレシピを作り、違った味わいのおいしさと香りを作り出すこと。
また、中身を伝える表示をいかにわかりやすくするかということで、パッケージの表示を変更、たとえば、自社農園でできたものか、フランス独自のものか、はたまた他国のフルーツを使ったものかを、はっきりと表示するようになりました。
そして、製品の改良のひとつとして、砂糖の種類を、今まではビートを原料としていたものをサトウキビに変更しました。ラ・フルティエールのピューレは、10%の砂糖を加えたものか、砂糖なしのもののみ。どれもフルーツ本来の甘みを活かしたフレッシュ感のある味わいになっています。

パッケージを見ただけで中身が一目瞭然。フルーツの瑞々しさが伝わってくるような写真も魅力のひとつ




製品の改良を進める2014年。もうひとつの変更はブランドイメージだそうです。
そのために、新しいロゴを作り、さきほども書いたようにパッケージのデザインが変わりました。そして、もちろん、新しい味わいのものがラインナップに加わります。
もうすぐ発売予定の新しいフルーツピューレも、今回特別に試食させていただきましたが、その発売が待ち遠しくなるほどのおいしさでした。

新しく生まれ変わったロゴマーク



日本では2015年1月に販売予定のタイベリー。惜しまれつつも一度は消えてしまったこのベリーを、5年の歳月をかけてテスト栽培し、とうとう自社農園にて本格的な生産をスタートし、フランス本国では今年10月から販売が開始されます。ベリー生産者としての集大成ともいえるこのピューレ、日本での販売が待ち遠しい



そして、このような改良を加えた製品をどうやって広めていくか、それは、
「ラ・フルティエールの工場を見てもらうこと!」だそうです。
そう、これは安全性や品質に自信がなかったら言えないこと。
そんなわけで、今回、本社と工場見学の幸運に恵まれたパナデリアなのでした。

そして、余談ですが、工場視察が終わり、ランチタイムとなったので、ベルトラン部長に周辺にいいレストランがないかとお聞きしたところ、教えていただいたレストラン「Aux 4 saisons」。
これが想像以上においしかったので、おまけの情報としてお知らせします。
時間もなくなっていたので、私たちが選んだメニューは、日本でいうところの日替わり定食って感じの一番安い12.40ユーロのもの。
まず、出てきたバゲットとバターがおいしい、おいしい。そのへんでとれたバターだそうですが、フランスの底力、改めて思い知らされた感じでした。
そして、メインの牛肉の一皿がまたおいしい。それについてきた鉄の鍋に入ったポレンタ。これがまた、このためにはるばるまた来たい!・・・と思えるほどのおいしさ。
おまちかねのデザートは苺のリ・オレ。リ・オレはお米で作ったデザートですが、これがまたものすごくおいしかったのです。
もし幸運にもラ・フルティエール見学に行く機会に恵まれたら、ぜひこのお店をセットで楽しんでみてください。

まわりには何もない場所にぽつんと出てきた「Aux 4 saisons」。外観の緑が風景の緑に溶け込んで美しい















12.40ユーロの夢のランチ。ひとつ残らず、おいしい!!




La Fruitiere du Val Evel(ラ・フルティエール本社)
 10 Luzunin 56500 Naizin-France

 商品のご案内などは、日本の総代理店「ラ・フルティエール・ジャポン」にお願いします。
 http://www.lfj.co.jp/produits/fruitiere.html

おまけの情報 (お薦めレストラン)
Aux 4 Saisons
 Porh Le Gal-56500 Moréac
 Tel:02 97 61 64 95





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