取材・文 佐々木 千恵美  


日本人にとって身近な食材、ごまとごま油。
あえものや炒め物などお料理の他に、パンのトッピングやスイーツのフレーバーなど、幅広く親しまれているごまとごま油ですが、みなさんはどんな風に楽しんでいますか?

今年6月、新しいごまとごま油の使い方や魅力を発見してもらおうと、東京・自由が丘にカフェが誕生しました。ごまと共にある食卓を創っていきたいという想いからつけられた店名は『goma to(ゴマト)』。1858年、小豆島で創業したごまメーカー、「ごまで、世界をしあわせに。」がコンセプトの、かどや製油が運営する初のカフェです。


店内の様子。ナチュラルな雰囲気のテーブル席、オープンキッチン、壁側には物販棚とレジ。


お店に入ると、まず目に入るのが左手の棚に並んだごま油。通常スーパーなど小売店に並ばない、プロフェショナル向けとして業務用に販売してきたごま油をもとに、オリジナルごま油を小さなボトル入りで3種類販売しています。
さらに、炒らずに絞ったかどやの太白ごま油と強く焙煎した濃口ごま油の量り売りが展開されています。
お店の人によると、単一でもいいけれど、2種類をブレンドしてオリジナルごま油を作ることもできるとのこと。遊び心をそそられますね。


入り口付近には炒り方の違うごま油が5種類。瓶入り3種はプロフェッショナル用で一般ではここでしか手に入らないもの。あとの2種類は量り売りで、ブレンドもできる。店内で手作りされた焼き菓子や、陶芸作家、下村淳さんによるオリジナルごますり鉢の販売も。


カフェではこれら炒り方の違うごま油を使い分けて調理されたメニューが楽しめます。

お店自慢の代表的フードメニューは、季節の味を盛りこんだ9種類のデリを味わうことのできる「goma to プレート」。いり、すり、ねりごま、焙煎度合いが異なるごま油など、多種多様なごま料理を楽しむことができるよう、彩りやボリュームも考えられたメニューです。


goma to プレート(秋) 1,800 円 揚げごま豆腐、マグロ節ふりかけご飯 set
プレート内容
スチームドポーク
ネギのコンフィ
キャロットラペ
新じゃがの焚き物
小魚のエスカベッシュ
半熟卵 らー油すりごま漬け
きのことスモークサーモンの黒ごま和え
青首大根のピリ辛浅漬け
ごま油ピクルス

食材の仕入れ状況により変更になる場合があります。


野菜中心に並べられたデリは、これ真似したいと声を上げてしまいたくなる品がたくさん。一品一品、ごまの主張が強くはないけれど体験したことのないごまの発見につながっていきます。オリーブオイルを冷ややっこやお刺身で体験したときのような、ごまの魅力に出会える一品です。
セットのご飯にも一工夫がされています。そうめんで使用したマグロ節に、煎りごまと七味を混ぜた旨味たっぷりの特製ふりかけがかかったマグロ節ふりかけご飯は、これだけでご飯がすすむ名品。出汁がらがこんなご馳走に生まれ変わるなんて、これぞごまの実力ですね。
口の中でトロッととろける新食感の揚げごま豆腐は、ごま豆腐、ねりごまソース、すりごまの3つのごまでストレートにごまの風味を味わえる一品です。


発酵レモンごま油と小豆島そうめん 1200円

マグロ節で取った出汁に、かどやの太白ごま油に漬け込んだ発酵レモンのソースをかけて味変。みょうがやトマトなど、季節野菜と共にさっぱりといただけます。


もともと小豆島のそうめん作りで使用されるごま油を製造するところからスタートしたかどやだけに、小豆島そうめんをおいしく味わう工夫が込められています。黒ごまを自身で擦って立ち昇る香りを楽しんでみてください。


揚げごま豆腐とベーコン野菜のオープンサンド 980円
 季節のスープ付き

カンパーニュにごま豆腐やベーコン、アスパラガスなどを乗せ、豆乳クリームをかけたオープンサンド。付け合わせのごま油で漬けたピクルスと共にお楽しみください。


ご飯、そうめんときたら次はパンメニュー。表面に塗したり練りこんだりして使われるごまはパンとの相性も抜群。他に、ごま油の搾りかすを飼料に育った沖縄県産の豚をほぐれるほど煮込んでプルドポークにして挟んだ「ごまを食べて育った豚のプルドポークサンドイッチ」 1200円 季節のスープ付きなど、充実のフード系メニューをラインナップ。

カフェでしっかりバランスの良い食事がいただけるのはありがたいこと。これら魅力的なフードメニューを監修したのは下北沢の人気レストラン「Salmon&Trout」の中村拓登シェフ。夜のみ営業の同店シェフ監修の味が、一日を通して味わえるのだからうれしいことです。デリは単品でテイクアウトもできるので、お家でちょっとしたおかずにプラスしてはいかがでしょうか。


そして、忘れてはならないのがごまをふんだんに使ったスイーツ&ドリンクメニュー。一押しは黒ごまを使った「黒ごまモンブラン」ですが、10月からは季節限定で紅芋を使ったごまメニューが新登場。ハロウインシーズンにもぴったりな紫色が映える秋メニューをお楽しみいただけます。


紅芋と白ごまアイスのモンブラン 1,000円(10月1日より提供)
 1日30食限定

サクサクのシュクレ生地の上にクレープ生地で包んだ「白ごまアイス」をのせ、紅芋ペーストとクリームチーズ・マスカルポーネ・フロマージュブランの 3 種のチーズを使用したモンブランクリームを絞り、トップには「黒すりごま」、太白ごま油で揚げ、仕上げに純正ごま油で香り付けした「さつまいもチップス」をデコレーション。


パリっとしたチップス、サクサクとふわりとしたクレープ、クリーミーな白ごまアイスと、チーズのやさしい酸味が紅芋クリームをさっぱりさせてくれる組み合わせは、一口ごとに食感と味わいが変化し、最後の一口までおいしく楽しくいただけます。ごまとお芋というクラシックな取り合わせが、こんな風に進化するなんて面白い。


紅芋と白ごまのシェイク(季節のごまシェイク) 730円(10月1日より提供)

白ねりごまとバニラアイスをベースに、紅芋、オーツミルク、メープルシロップをミックス。そこに豆乳ホイップクリーム、パンプキンシード、シナモン、紅芋ペーストをトッピングした秋にぴったりのシェイク。
テイクアウト可


牛乳ではなくオーツミルクだから、より紅芋やごまの風味を感じやすく、色もきれいなデザート感覚でいただけます。

上記2つは白ごまアイスクッキーサンドと同じ、「BIG BABY ICECREAM」とのコラボレーションによるアイスを使用。上品でさっぱりとした口当たりです。


白ごまアイスクッキーサンド 1個600円

ねりごまとすりごまを混ぜた白ごまアイスを、プレーンクッキーでサンドしたgoma toでしか味わえないスイーツ。


BIG BABY ICE CREAM / ビッグベイビーアイスクリーム

川崎市新丸子にて「3世代で楽しめるアイスクリームダイナー」をコンセプトに、アイスのみならず、店内で楽しめるサイドメニューやアルコールも提供する。


他にも多彩なレギュラースイーツ&ドリンクメニューを展開しています。新感覚のごまスイーツを味わいにぜひ自由が丘にお出かけください。


黒ごまモンブラン 850円

ごま油を塗ったメレンゲを割って、濃厚な黒ごまクリームと一緒に。


白ごまとベリーのチーズテリーヌ 1000円

白ねりごまとマスカルポーネチーズのテリーヌ。


ごまたっぷりのフレンチトースト 900円

ごま豆腐をサンドしたホワイトブレッドにたっぷりの黒ごまをつけて焼き上げたボリューム満点のフレンチトースト。


左から
黒ごまチョコレートラテ ホット / アイス ともに620円 写真はアイスになります。
白ごまマンゴーラテ ホット / アイス ともに620円 写真はアイスになります
ごまジンジャーエール 680円



goma to (ごまと)

所在地 : 東京都目黒区緑が丘2-24-8 アーブル自由が丘
営業時間 : 11:00〜21:00
電話番号: 03-6459-5959
定休日 : 不定休
座席数:: 店内30席、テラス8席
ウェブサイト:: https://www.kadoya.com/gomato/
Instagram : @gomatocafe(https://www.instagram.com/gomatocafe/)




かどやについて


1858年に小豆島でごま油製造業として創業しました。以来、160年以上にわたり、ごま一筋に事業を展開。長年に渡って愛されている「かどやの純正ごま油」をはじめ、多くのごま製品を提供してきました。
2022年、「ごまで、世界をしあわせに。」のブランドコンセプトを新たに策定。ごまでつながるすべての人をしあわせにし、社会を豊かにする持続可能な事業を推進しています。




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