取材・文 佐々木 千恵美  


駅の中で迷ってしまった!
なんて経験ありませんか?
路線が多くて東西南北出口が多数あって、さらに地上と地下にホームがあって一体自分はどこに向かっているのかさえわからなくなるとか。

その最たるのが東京駅。
日本各地に向かう新幹線や通勤通学の足となる列車が何路線もあり、普段使っている人でさえ乗り換えや待ち合わせには戸惑うことも多い巨大な駅なのです。

しかし駅が大きいということは敷地も広大。これまで未開発だったエキナカの北側の1階と地下1階に新たにスペースを生み出し、JR東日本最大規模のエキナカ商業施設「グランスタ東京」が2020年8月3日、オープンしました。

これまでにオープンした87店舗に新たにオープンした66店舗を加え、合計153店舗。約11,300uに、「TRY NEW TOKYO ST.」(トライニュートーキョーステーション)をコンセプトとして、新業態の店舗やエキナカ初登場のお店を集結、これまでにないエキナカ空間を創造しました。


ひと昔前のエキナカは、誰もが知るようなチェーン店やお土産屋さん、お弁当屋さんがあるくらいでしたが、最近はここにしかないお店、個性的な品揃えをするお店が多くなって、エキナカチェックのために早めに入場すればよかったと後悔することもしばしば。
今回オープンした「グランスタ東京」の新店舗は、さらにその要素がアップして、もうこれは入場券140円分を払ってでも食べたい、買いたいものがたくさん。日本各地の水景をテーマにしたトイレがあったり、横丁スタイルのエリアがあったり、ユニークなお店の造りありと、それはもう見どころ満載なのです。

駅の構内で迷うのは電車に乗るためだけじゃなく、どのお店で食べるか買うか、迷う要素がまた増えてしまったわけですが、数あるお店の中で、パナデリア的に紹介したいお店と品をピックアップしてみました。



「Made in ピエール・エルメ」 (コンセプトショップ)

東京の玄関口に初のエキナカ店舗をオープン。場所は、地下一階、スクエア ゼロエリア。

パティスリー界のピカソと称されるピエール・エルメ氏が“日本の素晴らしいもの”をセレクト。東京の玄関口というロケーションに合わせ、お弁当やデリ、サンドイッチ、手土産に喜ばれる商品を多く揃えています。
その中でもおすすめは、ピエール・エルメ氏自身も縁が深い東京・青山の日本料理店「やんも」によるお弁当類。伊豆の旬をさりげなく取り入れる「やんも」が得意とする魚料理をはじめ、昆布にドライトマト、チーズを組み合わせ、和と洋を融合させたおにぎりなど、古くて新しい美味しさにうなってしまいます。カフェも併設なので、その場で味わうのもいいですね。
浮世絵や伝統文様をモチーフにしたギフトBOX入りマカロンやチョコレートも洒落たお土産になりますよ。

今週の弁当 1700円(税抜)スイーツ付き

おにぎり 1個300円(税抜)〜

歌川広重による日本橋や葛飾北斎による富士山など、日本を代表するアート、浮世絵をパッケージにあしらったマカロンギフトBOX。詰め合わせには白味噌とレモンのフレーバーや抹茶と黒ゴマのフレーバーも。
 マカロン3個詰合わせ 1400円(税抜)
 マカロン6個詰合わせ 2600円(税抜)
 マカロン10個詰合わせ 3700円(税抜)

https://www.pierreherme.co.jp/boutique/made-in-pierre-herme-gransta-tokyo/



「ラデュレ グランスタ東京店」 (マカロン・洋菓子)

パリの老舗パティスリーメゾン「ラデュレ」がエキナカに初登場。カウンターには伝統的なラデュレ・グリーンが使われ、ほんの少しひねりを利かせたマカロンのような丸いシェイプや縁取りを加えながら新しいラデュレらしさが描かれています。

ラデュレ・グリーンのカウンターの背後には、ラデュレが生まれた時代のフランスのクラシックデザインを取り入れたカーブやホワイトライトなどがあしらわれています。場所は1階、吹き抜けエリア。

ここだけでしか手に入らない4種類のサブレを詰め合わせた「パリジェンヌ in Tokyo」は、東京駅に到着したパリジェンヌを描いたメタルボックス入り。他にもラデュレらしいキュートでエレガントなパッケージのマカロンや焼き菓子も揃えています。ラデュレのコレクター必見ですね。

ナンテ、ショコラ・ノワゼット、ヴィエノワ、ピスタッシュの4種類のサブレを詰め合わせたオープン記念の缶ボックス“パリジェンヌ in Tokyo”。
12枚入2,160 円(税込) グランスタ東京店限定発売

マカロンボックス “ラブリータイム in Tokyo”(マカロン6個入り) 2,862円(税込)
販売期間:8月3日〜 無くなり次第終了

https://www.laduree.jp/



「petit gargantua」 (洋菓子)

ラデュレの隣には「帝国ホテル 東京」のホテルショップ「ガルガンチュワ」のセカンドラインが新登場。大人かわいいロゴのパッケージにくすぐられます。老舗名門ホテルのクオリティそのままに、親しみやすいスイーツが揃います。
毎日ホテルの厨房で焼き上げる「合鴨とコンテチーズのクグロフ」は早くも人気者の予感。数量限定のミニパイやフランス産の発酵バター、自然海塩にこだわった「塩バターサブレ・レクタングル」は、幅広い層に喜ばれそうです。

プティ ガルガンチュワ開業記念商品として、美食の巨人であるガルガンチュワ王にふさわしいサイズ(縦12cm×横8cm)の特大マドレーヌを期間限定で発売。場所は1階、吹き抜けエリア。
プティ ガルガンチュワ グラン マドレーヌ 1,296円(税込)
販売期間:8月3日〜10月末日(無くなり次第終了)

https://www.imperialhotel.co.jp/j/company/release/2020/petit_gargantua.html



「CACAO HUNTERS Plus」 (チョコレートカフェ)

カカオの栽培からチョコレートの製造まで、生産地で行うカカオハンター® 小方真弓さんと南米コロンビアのチームの「カカオ ハンターズ」が、初のリアル店舗を展開。
店内で製造するジェラートやドリンク、スイーツでフレッシュなカカオやフルーツそのものの美味しさが味わえます。イートインコーナーの壁いっぱいに描かれたイラストやカカオの実のついた木の装飾は、カカオ産地のことを広い意味で伝えたいとの想いから。
日持ちのするタブレットチョコレートやお土産に最適なスイーツも揃えています。

店内カカオの木の前に立つ小方真弓さん。「CACAO HUNTERS Plus(カカオ ハンターズ プラス)」は地下1階、スクエア ゼロエリアにあります。

ジェラート、ドリンク、バナナの木陰で育つカカオをイメージした「オムレット バナナチョコ」等のオリジナルスイーツもここだけでしか味わえない。
オムレット バナナチョコ(3個入り)  1,296円(税込)
販売状況は店舗にお問い合わせください。(8/27現在、販売中止しています。再開時期は未定となっております)

https://cacaohunters.jp/



「Curly's Croissant TOKYO BAKE STAND」(ベーカリーカフェ)

国内初の流通となるフランス(グランムーラン・ド・パリ社)の小麦粉と、フランス産高級発酵バターを贅沢に使用したクロワッサン専門店。栃木に本拠がある人気のベーカリーショップ「THE STANDARD BAKERS」が運営する新ブランドということもあり、とちおとめいちごの自家製ジャム入りや、高級食材トリュフ入りなど、厳選した食材を使用した“プレミアムクロワッサン”を展開します。
地元栃木の大谷石のゼオライト効果(マイナスイオン効果)をたっぷり浴びたコーヒー豆を自社焙煎した東京駅オリジナルブレンドコーヒーと一緒に味わうのもおすすめです。

サクッとした表面としっとりきめ細やかな内層のクロワッサンは、芳醇なバターと粉の旨味が印象的。
プレミアムクロワッサン イートイン 330円 テイクアウト 324円(税込)
「Curly's Croissant TOKYO BAKE STAND(カーリーズ クロワッサン トウキョウ ベイク スタンド)」は地下1階、スクエア ゼロエリアにある。

https://the-sbk.jp/curlys/

ちなみに1階中央通路エリアには、先行オープンした「THE STANDARD BAKERS TOKYO」があります。栃木の食材にこだわったパンをお持ち帰り、もしくはイートンで堪能できます。

https://the-sbk.jp/tokyo/



「南国酒家 47china」 (中国料理)

“おいしいもの日本”と題して全国各地の厳選食材を使用し、南国酒家史上最も産地と食材にこだわった中国料理を東京駅から発信したいと、47都道府県を連想させる店名でエキナカに初出店。
 日本の食材、調味料をふんだんに使った身体にやさしい中華メニューの中でも夏季限定の「大橋さんのトマト」をまるごと使用した翡翠コラーゲン麺の冷やし麺は彩りも鮮やか。ふかひれのジュレと東京江戸赤酢で食べ応えがありながらさっぱりといただけます。

愛知県大橋園芸「大橋さんのトマト」をまるごと使用した「まるごとトマトふかひれジュレの冷やし麺 東京江戸赤酢と共に」 1,680円(税込)。

また各地から食材を集めるだけでなく、東京駅から全国にむけて何かを届けたいとの思いから、新しい東京土産を発案。日々、新たな文化が生まれる銀座と原宿に本店を構える「銀座 木村屋總本店」と「南国酒家」がコラボレーションし、黒烏龍茶の茶葉をたっぷり使ったあんと、求肥入りの「黒烏龍あんぱん」を作りました。
黒烏龍茶の渋みがあんの甘さと絡み、求肥の食感がタピオカドリンクを思わせ、表面にトッピングされたしんびき粉とクコの実の効果も見事。和と中華がいいバランスです。お土産に、ご自身のおやつなどに、いつものパンにひとひねり入れた東京の味をぜひ。

東京駅限定「黒烏龍あんぱん」袋入り 1個 270円(税込)
/ 4個 専用BOX+紙袋付き 1,190円(税込)

https://nangokusyuka.co.jp/



「元祖木村焼き 百両屋」(あんぱん専門店)

新たなあんぱんを生み出すこちらも外せません。日本のパン文化の先駆者ともいえる「木村屋總本店」の創業家に生まれた木村周一郎氏(メゾンカイザー代表)プロデュースによる新ブランド「元祖木村焼き 百両屋」からは、卵とバターをたっぷり使用したリッチな生地に特製フィリングを包餡した和洋折衷のレトロモダンなあんぱんが登場。
小判を重ねた二十五包金の形をしたあんぱんは1個195円(税込)。お土産に4個入り箱に詰めれば100両になるという洒落も詰まっています。

「元祖木村焼き 百両屋」。場所は1階 中央通路エリア。

開業時はシグネチャーであるこしあん、クリームの2種類に、開業記念限定のパイン&ココナッツの白あんの全3種類が揃う。

http://hyakuryoya.jp/



「CITYSHOP」(サラダ&ダイニング)

「いろんな野菜を、もっと美味しく、もっとデイリーに食べる」をテーマに掲げ、青山、渋谷で人気の「CITYSHOP」が東京駅に登場。
併設された初のキオスク型店舗では、サラダ&サンドイッチやカラフルカラーがインパクトの野菜がたっぷりのったフラットブレッドなど、元気の素になるパンが揃います。
クロワッサンやパン・オ・ショコラといった定番おやつパンも揃う中に、ハッと目を引くのが北欧風のカルダモンロールとシナモンロール。ロンドンで食べた甘ったるくない北欧風カルダモンロールを提供したいとの思いから、今回完成させたそうです。生地の巻き方がフィンランド式(シナモンロール)とスウェーデン式(カルダモンロール)なのも注目です。

場所は1階 北通路エリア。

シナモンロール(手前)とカルダモンロール(右奥)。



いかがでしたか?
ここに紹介しきれない老舗の新業態とか、産直食材を使った有名シェフプロデュースのお店、地方の名店進出など、日本の鉄道ゼロ地点、東京駅を舞台にしたお店がたくさんの「グランスタ東京」。

もう迷わない!を課題に完成した東京駅案内アプリ「東京駅ステーションナビ」を無料ダウンロードすれば、東京駅内の目的地にたどり着けるルート検索や、お店の情報、混雑状況も把握できます。

夏もそろそろ終わりですが、どうかお気をつけて、新しくなった東京駅エキナカを探索されてみてはいかがでしょうか。



「グランスタ東京」
https://www.tokyoinfo.com/shop/mall/gransta/





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