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パリに3つもお店を構える「ユーゴ&ヴィクトール」。
2010年にできた新しいブランドで、シェフパティシエは、「ラデュレ」や、超高級ホテルの「ル・ブリストル」、3つ星レストランの「ギィ・サボワ」でもエグゼクティブ・パティシエをつとめていたという実力派です。
パリのショップは、まるで宝石店のような内装とのこと。残念ながら日本ではお店を構えていないので、来年1月21日から新宿NSビルにて開催される「サロン・デュ・ショコラ」などでは目指して買いに行きたいところです。
そして今回、それに先がけて、サロン・デュ・ショコラに登場する新作と、サロン・デュ・ショコラに引き続いて行われる「バレンタイン コレクション」向けの商品が発表されました。

まず紹介したいのは、サロン・デュ・ショコラでお目見えする、日本初登場のタブレットです。パリの本店には、単一品種のカカオで作ったタブレットだけが並んでいるそうですが、こちらは今回、日本向けに新たに作ったという、ブレンドのものでした。エクアドル、タンザニア、ベネズエラのカカオを配合し、カカオ分72%のバランスのいい味に仕上げたとのこと。

日本初登場のタブレット「タブレット・オマージュ」


来日していたユーグ・プジェシェフにお話しを聞いたところ、パリでは酸味の強いペルーのカカオのものがとても人気が高いそうですが、日本人には少々わかりにくい味だと思ったそう。もう少しマイルドに……と、こちらを開発したそうです。
「とてもいい味わいになったので、いずれはパリでも販売する予定だよ」
とも話してくれました。
なるほど……。でもショコララバーとしてはちょっぴり複雑な気持ちにも。もちろん、このタブレットも興味がありますが、ペルー産カカオのものも食べてみたいですよね(笑)。

シェフパティシエのユーグ・プジェ氏


このタブレットは、そもそも、ボンボンをコーティングするチョコレートから着想を得たとも言っていました。ボンボンのコーティングにはブレンドしたものを使っており、その、マイルドでほかの味を邪魔しない良さを、今回タブレットに仕上げたようです。

さて、ユーゴ&ヴィクトールといえば、19世紀の著名な作家であるヴィクトール・ユーゴーの文学作品から得たインスピレーションを基に作品を作り上げているだけあり、本のようなパッケージも目印。

サロン・デュ・ショコラ向けには2つのブック型の商品が出されます。
ひとつは、日本限定のもの。汽船で長旅をし、希少で会ったカカオを輸入していた時代にオマージュを捧げた「カルネ・オマージュ・オ・パトリモアン」です。

日本のサロン・デュ・ショコラ限定品「カルネ・オマージュ・オ・パトリモアン」


汽船の絵が描かれ、中には、カカオ発祥の地とされているペルー産のカカオを使ったガナッシュと、ヨーロッパ人が初めてカカオを味わったのがメキシコ産ということをうけたメキシコ産カカオを使ったガナッシュのボンボンが入っています。ほかに、半球状になったショコラが2種類。バナナ味とココナッツ味で、エキゾチックな印象を伝えてくれます。

もう一つは、「カルネ・パリ・セヴェイユ」と名がつき、パリへオマージュをささげているものでした。17世紀より光の街と呼ばれるパリ。花火のように光を浴びたエッフェル塔が描かれています。半球状のプラリネや、キャラメルガナッシュの入ったボンボンが入ります。


パリジャンたちにとって「光」と「エッフェル塔」の結びつきは特別な意味をもつそう。そんなパリへのオマージュをささげた「カルネ・パリ・セヴェイユ」


バレンタインに向けては、ハートのエースを模したブック型が登場。ハートのエースといえばトランプ占いでは最強の恋愛運を意味します。そこから思いついたデザインだそう。半分半分に入ったガナッシュとプラリネは、それぞれミルクとダークチョコレートの2種類が。ふたりで仲良く食べてね、ということみたいですよ!

ほかにバレンタイン向けには、ハート形の新作ショコラもありました。アーモンドとレモン、アーモンドとオレンジの花をマリアージュさせた味わいだそうです。


バレンタインの新作「カルネ・アス・ド・クール」

エクランは仏語で宝石箱という意味。きらめくハート型のショコラを詰めて・・・


この日、ショコラ以外に会場で見つけたものがありました。パリのお店のパンフレットです。なんとそこには、とてもおいしそうなガトー(ケーキ)の写真がたくさん出ていたのです。思わず、
「日本でもガトーを販売する予定はないの?」
と聞いたら、
「そういう話もいま進行中だよ」
と打ち明けてくれました。そう遠くなく、ユーゴ&ヴィクトールのガトーが日本にいながらにして食べられる日が来るのかも。楽しみですね。





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