取材・文 下園 昌江  


ホテル インターコンチネンタル 東京ベイに新たなスイーツの風が吹き始めました。
2016年4月16日よりエグゼクティブシェフパティシエとして新たにコ永純司(とくなが じゅんじ)氏が就任したというニュースはスイーツ業界でも驚きのニュースでした。

コ永純司シェフ

コ永シェフは、2015年フランスで2年に1度開催されるパティシエの世界大会「クープ・デュ・モンド・ドュ・ラ・パティスリー2015」に出場し準優勝を果たしたことが記憶に新しい今注目のパティシエです。同年テレビ番組「情熱大陸」でも世界大会に出るまでの様子や日本での仕事(当時はザ・リッツ・カールトン東京に在籍)の取材を通して、仕事に対する真摯な想いやコンテストを通して磨かれた素晴らしい技術が紹介されました。


ザ・ショップ N.Y.ラウンジ ブティック

コ永シェフが就任したことで、ホテルのケーキブティック「ザ・ショップ N.Y.ラウンジ ブティック」のケーキは一新し、昼過ぎには売り切れも続出するほど早くも評判を呼んでいます。


定番人気のケーキを揃えている ペーシュシャンパーニュ


現在販売しているのはアントルメ3種類、ロールケーキ、プティガトーが10種類です。
アントルメでは季節によって変わるマンスリーケーキがあり、現在は桃とシャンパンを合わせた「ペーシュシャンパーニュ」が登場。初夏らしい爽やかな味わいと美しいピンク色が目をひきます。(7/14まで販売)

今回は実際に試食したプティガトー10種を中心に紹介していきます。
現在のラインナップは以下の通り。

ショートケーキ(定番)
モンブラン(定番)
キャラメルショコラオンランジュ(定番)
クレームカラメル(定番)
シューアラクレーム(定番)
シブストパンプルムース
カシス
フロマージュクリュ
フルーツトマトのコンポート
パッションココ


全て試食しましたが、コ永シェフのお菓子は1つ食べてもあともう1つ食べたくなる軽やかさが魅力です。中でも印象に残ったお菓子3種類とスペシャリテを詳しく紹介していきます。


キャラメルショコラオンランジュ
チョコレート、オレンジ、ヘーゼルナッツ、キャラメルという相性のよい素材を組み合わせたチョコレートケーキです。フランスのチョコレートブランドヴァローナ社のカライブを使用し、洗練された味わいに仕上がっています。チョコレートの濃厚さを感じつつオレンジの華やかな香りや酸味、ヘーゼルナッツの香ばしさ、キャラメルのまろやかな苦みが複雑に絡み合います。


シブストパンプルムース
軽い歯触りのパイにサワークリームを使用したなめらかなブリュレ、ライチリキュールでマリネしたグレープフルーツ、シブーストクリームを重ね仕上げに表面をキャラメリゼしています。シブーストというと、フィユタージュ生地にシブーストクリームをあわせた伝統的なフランス菓子です。昔ながらのシブーストは甘さしっかりしたお菓子ですが、こちらは軽く爽やかに仕上がっていて、今までのシブーストのイメージを変えてくれる一品です。


フロマージュクリュ
赤い果実をアクセントにしたレアチーズケーキです。
カソナード入りのシュトロイゼルがベースの生地はザクザクした独特の食感。そこにクリームチーズとフロマージュブランを合わせたなめらかでコクのあるチーズ生地を重ねています。土台の生地に薄くのばしたフランボワーズのコンフィチュールと、センターに忍ばせた苺とフレーズデボワのソースがアクセントになっています。シンプルながら食感や風味の良さを感じるチーズケーキです。


フルーツトマトのコンポート(スペシャリテ)
スペシャリテのスイーツは、トマトを使った夏らしいヴェリーヌです。
冷たいシロップで軽くコンポートしたフルーツトマトに、グレープフルーツのジュレと柑橘系のシブーストを合わせた爽やかなもの。主役になっているのはトマト。トマト本来の甘さを活かしたフレッシュな味わいで、柑橘と合わせることで暑い夏でもするっといただけるようなフルーティーな爽やかさがあります。



現在10種類ほどのプティガトーは少しずつ種類を増やしていく予定なのだそう。
今後夏に向けて桃を使ったスイーツやホテル内で頂けるかき氷デセールも目下試作中ということで、これからどんなコ永ワールドが広がっていくのか大きな楽しみです。

ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ
 ザ・ショップ N.Y.ラウンジ ブティック
 http://www.interconti-tokyo.com/restaurant/patisserie/




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