Text by Chiemi Sasaki  


暑くなると食べたくなるのがかき氷。ふわふわこんもり、器の高さの何倍にも盛られ、彩の良いシロップ&トッピングののったかき氷を前にすると大人でもテンションがあがりますね。

ここ数年でかき氷の人気は急上昇。「かきごおりすと」なる言葉もできるほど食べ歩きも盛んで、縁日の屋台で食べる昔ながらの気軽なものから、手作りシロップと盛り付け、器などにこだわった専門店の登場で、一年を通して楽しめるスイーツとなりました。


そんな大人心をも掴んだかき氷ですが、お家で手作りとなると何故かキャラクターもののかき氷器をゴリゴリ回していたりして…。もちろんお子さんは大喜びですが、大人のパーティーにはちょっとスマートではありませんよね。それにじゃりじゃりではなくて、専門店のようなふわふわに氷を削りたい。こんなかき氷愛好家の願いを形にしたプロ仕様の「本格かき氷器」が刃物の老舗、貝印のハイラインブランド Kai Houseから5月下旬に発売されました。

粉雪のようなふわふわの食感が家庭でも簡単に作れるという待望の「本格かき氷器」ですが、1000台限定発売で、すでに初回分の200台は売り切れなのだそう。その人気ぶりにびっくりですが、実物を見て触れて削って食べて、使い心地を試す体験会が開かれたので伺ってきました。

キッチンにもすっきり溶け込むシンプルでレトロな円錐状のフォルム。黒色に刃物のシルバーがスタイリッシュな雰囲気を醸し出します。一般のものより高さがあるのは、専用の製氷機で作る氷のサイズが大きいからでしょうか。持ってみると意外と軽いので、女性でも無理なく操作、収納できそうです。
大人約3〜4人分のかき氷が作れる付属の製氷器は、オリジナル設計による二重構造。ふわふわ食感を生み出す、均質で透明な氷をじっくり凍らせて作ることができるのです。かき氷はシロップも大事ですが、一番の味の決め手は氷そのもの。おいしい氷作りへのこだわりにもしっかりこたえてくれるのは頼もしい。

Kai House「本格かき氷器」15000円(税抜き)。本体サイズは、220×435mm(直径×高さ)で、重量は1,820g。右は二重構造の製氷器。


その氷を削るのは、刃物メーカーならではのノウハウを生かした均質に薄く削れる刃。そしてプロ仕様というからにはもうひとつ、最大の特徴があるのです。それは通常業務用に採用されているウォームギア(*)を、家庭用として取り入れ作られていること。このウォームギアの働きによって、ハンドルを回す際に生じる圧力のブレをなくし、一定の力で氷を削ることが可能になる…つまり、薄く均一な氷が削れるので、専門店の粉雪のような食感のかき氷が作れるという仕組みです。

 ウォームギア: ネジ歯車とはす歯歯車を合わせ、力を一定にして伝達できる装置。
  氷を均質に削るために適した構造です。

刃物メーカーで長年培ったノウハウにより氷を均質に薄く削ることが可能に。


従来の家庭用かき氷器には、均一に薄い氷を削る機能がなく、そこを追及し開発したとマーケティング部 部長の上保さん。従来製品と本製品で削った氷を比較試食してみると違いは歴然。前者は食感がじゃりじゃりで、粉雪というよりみぞれという雰囲気になっていました。それもまた味わいのひとつではありますが、今グルメかき氷に求められているのは、ふわっと舌にのったと思えばスーッと溶けてなくなる儚さ。それがお家で可能になるなんて夢のようです。


さらにうれしいのがホリオクッキングファクトリー監修の本格かき氷器レシピBOOK。10ページオールカラー、ポケットサイズのレシピBOOKには、氷の作り方から、基本&人気のシロップ、流行りの台湾風やアルコールを使った大人向けなど美味しいかき氷のレシピが8種類紹介されています。中には、水だけを凍らせるのではなく、食材をまぜて凍らせ削る変り種も。今回の体験会では特別に、塩味のかき氷〜アボカドヨーグルトのシュリンプカクテルが紹介されました。角切りで凍らせたアボカドが薄く削られてサクサク、新食感のおしゃれなオードブルが出来上がります。トマトなど製氷に適していない食材もありますが、工夫次第でいろんな創作が楽しめそうです。これからは「本格かき氷器」で、大人の氷あそびを計画するのもいいかもしれません。


レシピBOOK掲載の「わらびもちの黒蜜きな粉」でふわふわ氷食感体験。

「アボカドヨーグルトのシュリンプカクテル」。アボカドがごく薄くスライスされひんやり軽やかな口当たりのアペリティフに。

削る前、専用製氷器で凍らせたアボカドヨーグルト氷。


今回の体験会では、4月22日から発売されているスペシャリティドリッパー「The Coffee Dripper(ザコーヒー ドリッパー)」で淹れたコーヒーの試飲もありました。このドリッパーは、コーヒーハンターの川島良彰氏とKai Houseとのコラボレーション開発第三弾。自宅で最高においしいコーヒーを楽しむことをコンセプトにデザインされたペーパードリップ用。有田焼で職人がひとつひとつ仕上げた白い磁器は、よく見ると細部にこだわりのデザインが施してあります。水流の抵抗を抑える多角形内側の12本のリブは、コーヒーを淹れる人の好みで、濃さなどを調整できるように配慮されたデザイン。お湯をゆっくり注げば、雑味は少し出るけれどコクのある深い味わいになり、早く注げば雑味のないスッキリ感と豊かな香りが抽出されるのだとか。同シリーズのコーヒーミルと一緒に使えば、お家で極上のコーヒータイムを過ごすことができそうですよ。


Kai House×Micafetoのシリーズ「The Coffee Dripper(ザコーヒー ドリッパー)」価格5000円(税抜き)とコーヒーミル。






「本格かき氷器」ならびに「The Coffee Dripper」は、全国の有名百貨店および貝印の公式オンラインサイトなどで販売されています。詳しくは貝印の公式サイトをご覧ください。


貝印公式サイト
 http://www.kai-group.com/




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