取材・文 佐々木 千恵美 



2020年6月、東京・六本木ヒルズに東京初進出を遂げた京都のきな粉スイーツ専門店「吉祥菓寮(きっしょうかりょう)」が、8月4日、渋谷の新商業施設 MIYASHITA PARK内に都内2号店をオープンしました。


吉祥菓寮 渋谷 MIYASHITA PARK店 外観


吉祥菓寮のルーツは節分豆を販売する大豆菓子専門店「桂華堂(けいかどう)」。後継者となる北川聡さんは素朴な大豆菓子を、今の時代にマッチする形でどう展開するか考えた末、大豆を原料とするきな粉に着目。ご自身できな粉を焙煎したところ、大豆の品種や焙煎の仕方によって変わるきな粉の味わいの深みにはまっていったそうです。
ただ単にきな粉として売るのでは面白くない。菓子屋として食べやすい形できな粉の魅力を発信したいと吉祥菓寮を開業。2015年に祇園でスタートした当時は、きな粉を使ったお店は京都でも非常に珍しく、地元の人や国内外の観光客から注目をあびるようになり、徐々に店舗を増やしていきました。ここMIYASHITA PARK店は、10店舗目となります。


MIYASHITA PARK店のカフェ店内。京都のお店には焙煎機が置いてあり、様々な大豆を焙煎、きな粉にして販売。MIYASHITA PARK店では京都から直送のフレッシュな状態のきな粉を提供。

世界で生産される大豆の9割は主に油脂を取るためのもの。だから食べても美味しくなく、大豆そのものを食する文化はアジア、日本に特有な食文化なのだとか。

「食用大豆は日本国内で300品種くらいあります。それを選び抜き常に7種類ほどストックしています。」と北川さん。

メインで使うのはミヤギシロメのきな粉ですが、今回渋谷店のために、黒千石という北海道産の小粒黒大豆のきな粉スイーツを用意してくださいました。大豆によってきな粉の味わいがどんなに違うのかを体感できます。

左の黒い方が黒千石。右がミヤギシロメ。並べると大きさの違いに驚く。
きな粉の食べ比べができたら面白いですよね。


店内ではきな粉スイーツやきな粉ドリンクの他、季節ごとに旬のフルーツ等を使ったパフェやドリンク、パフェ前のランチとしても楽しめる野菜たっぷりの軽食メニューもあります。


メニュー紹介 価格は税抜きです。


看板メニュー
焦がしきな粉パフェ 1,200円
宮城県で栽培されている大粒でコクがあるミヤギシロメを焙煎し挽いた濃厚なきな粉が主役になるように考案された吉祥菓寮を代表するパフェ。
ひと口頬張ればきな粉の香ばしさがメレンゲのサクサクと同時に口いっぱいに広がります。ほうじ茶ゼリー、豆乳ブランマンジェ、バニラアイスなどあまり主張しすぎないパーツを合わせました。黒蜜は黒糖ではなく、雑味やくせを取り除いた赤糖から作るので口に残らずさらっとした甘みです。


季節限定メニュー
夏恋の桃色パフェ 1,500円
甘く熟した旬の桃を贅沢にも半玉使用し、コンポート仕立てに。夏を感じる甘く爽やかな桃の香りに、スッキリとした酸味の自家製ラズベリーヨーグルトのムース、白ワインゼリー、バニラアイスが織りなす大人の味わい。すももソースを添えて。
トップの白桃とラズベリーのブレンドパウダーが見た目も味もきゅんとさわやか。


渋谷 MIYASHITA PARK 店限定メニュー
きなミスパフェ 1,300円
北海道産の小粒で皮の分厚い、甘みの強い黒豆が黒千石。焙煎でミヤギシロメより香ばしさが強い黒千石きな粉は、コーヒーやチーズと相性がよいのでティラミスのように仕立てました。芳醇なコーヒー風味のゼリーやシロップ、きな粉とバニラのアイスを合わせ、あえて脇役として使われた黒千石ですが、運ばれてきたときの香りはやっぱり主役。

黒千石きな粉を振るって、14 層仕立ての「黒千石のきなミスパフェ」を仕上げる。パーツは下からコーヒーショコラソース、ミヤギシロメのきな粉アイス、アーモンドとホワイトチョコレートと薄く焼いたクレープを割ったフィヤンティーヌのザクザククランチ、コーヒーショコラソース、黒千石きな粉チーズクリーム、コーヒーシロップを浸したお麩、緩めのコーヒーゼリー、黒千石きな粉チーズクリーム、黒千石きな粉ホワイトチョコレートガナッシュ、バニラアイス、コーヒーショコラクリーム、メレンゲ、コーヒーショコラクリーム、黒千石きな粉。

本わらび餅 1,000円
南九州産本わらび粉 100%使用。本わらび粉、水、砂糖、和三盆を丁寧に炊いて練り上げた、とろける口どけの「本物の本わらび餅」。


ランチメニュー
たっぷり野菜プレート 750〜1,000円
ベジタブル、炙りチキン、ローストビーフ(写真右)、サーモン(写真左)の 4 種から選べる、たっぷりの野菜とお豆のサラダプレート。さっぱりすりおろし野菜かクリーミーなシーザードレッシングをお好みで。雑穀米 or 胡麻カンパーニュとともに。


ドリンクメニュー
自家焙煎きな粉とバナナのスムージー 700円(左)
驚くほど相性のよい焙煎きな粉とバナナのスムージー。
紅茶のソーダ 600円(右)
たっぷり国産レモンとミントにアールグレイを合わせて。

桃のクリームソーダ 700円(左)
国産桃シロップを使った爽やかな季節のソーダ。
桃のスムージー 750円(右)
桃シロップとヨーグルト風味の爽やかなスムージー。


今後もきな粉スイーツを通して、たくさんの方々にきな粉の魅力を感じていただけるよう、パフェのみならず、きな粉を存分に味わえる新しいデザートメニューも開発中とのこと。
新しい何かが生まれる渋谷で、知っているようで知らなかったきな粉の可能性を体感してみませんか?

パフェ3種。トップを平らに均し、縦長のグラスで断面を楽しむスタイルのパフェは目新しい。撮影してから食べたいけれど、できれば出されてすぐ、メレンゲがサクサクのうちにお召しあがりを。




吉祥菓寮 渋谷 MIYASHITA PARK店
所在地: 東京都渋谷区神宮前6丁目20番地10号 MIYASHITA PARK South 2F
営業時間:11:00〜21:00
ラストオーダーは各30分前
席数:29 席(カウンター:9席/テーブル:20席)
電話番号:03-3400-7181
HP: https://kisshokaryo.jp/
Twitter @kisshokaryo
Instagram @kisshokaryo @kisshokaryo_cafe


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