本格的な寒さの到来を目前に控えた12月4日。
神奈川県藤沢市大庭で、小麦の種蒔きイベントが行われました。
主催は、以前お伝えした「ブノワトン」高橋幸夫さんの湘南小麦プロジェクトを始め、小麦の地産地消に力を注ぐ神奈川県農業技術センター。"もっと神奈川県産小麦を広めよう!"という想いから企画されたこのイベントには、パナデリア会員やパン職人の方々など多くの人が集まりました。
イベントでは、種蒔き体験のほか、県や農協、パン職人、そして消費者が集まっての意見交換も。日本のおいしいパンのためとあっては、パナデリアも黙っていられません!その橋渡し役として陰ながら協力させていただきましたので、その様子をご紹介します。




朝9時半。今回の集合場所は横浜から電車で約30分ほどの湘南台駅。ところが、"なんだ、意外と近いなぁ"と思ったのはつかの間・・・。

「えっ!駅から畑まで歩いて行く?とんでもない!歩いたら1時間以上かかるんじゃないかなぁ」


と、技術センターの山田さん。センターの方々のご協力で車に分乗させていただき、現地へと向かいます。

細い道をガタガタ揺られること約30分。到着したのは静かな住宅地の中の畑。車を降りると、ひんやりと澄んだ空気の中、鳥の声が聞こえてきます。

神奈川県農業技術センター
普及指導部の山田良雄部長
今日は力が入ってます!


今回、種蒔きをさせていただくのは、およそ25R(800平米)の広さの畑。前日に雨が降ったおかげで土がやわらかく湿り、絶好の種蒔き日よりです。

「この辺りは、火山灰質の黒土で非常に軽い土質です。そのため、風で飛びやすいのが難点。土の飛散防止にもなるので、ここに小麦を植えることになり、周りの農家や民家の方からも喜ばれているんですよ」

絶好の種蒔き日より。
太陽の光が気持ちいい!


そう言われて土に触れてみると、確かに黒味を帯びて粒が粗く、サラサラとした質感。乾いた状態で強い風が吹けば、軽々と舞い上がってしまいそう。

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、
かなりサラサラとした粒子の粗い土質です


「実はこの畑はいわゆる放棄地。誰も手をつけず、雑草が生い茂った状態だったんです。神奈川県には残念ながらこのように利用されていない農業用地がまだたくさんあります。ですが、今回は持て余していた土地を有効利用することができたといって、持ち主の方にも喜ばれました」

せっかくの土地を放棄?!こんな良い土地があるのに、もったいない!