Text by Chiemi Sasaki  


横浜のウォーターフロントに、 3月4日、新しい商業施設がオープンしました。横浜赤レンガ倉庫に隣接した、その名は『MARINE & WALK YOKOHAMA』(マリン アンド ウォーク ヨコハマ)。歴史的建造物を蘇らせたのが横浜赤レンガ倉庫なら、MARINE & WALK YOKOHAMAは、横浜の歴史と海の景観の中に寄り添うような佇まい。2階建てのオープンモールのあちこちの空間からは、停泊する船や海が視界に入り、どこかリゾートを散策するようなわくわく感があります。ちょっと海辺を散歩して、そこにあるお店で一息〜なんてシーンが自分で描けるからでしょうか。物だけにとらわれない、いい時間を過ごせる空気感がこれからの時代に求められる施設の‘つくり’なのでしょう。

MARINE & WALK YOKOHAMA は地上2階建て、地下は駐車場。ゆったりと散歩するような感覚のオープンモール

建物の間から見える港、船、空といった景色からリゾート感を味わえる


MARINE & WALK YOKOHAMAには、そんな感性をくすぐるショップが多数出店。横浜初13店舗、新業態7店舗を含む25店舗が並びます。その中からフード系3軒をピックアップし、ご紹介しましょう。


まずは「&Swell」(あんどすぅえる)。赤レンガ倉庫側から入ると海正面の一軒目のベーカリーカフェです。といってもただのベーカリーカフェではありません。天然酵母のパン、健康志向の低糖質のパン、ネーミングが面白いパンなどと一緒に、アメリカ・ニューヨーク発のサードウェーブコーヒー「BROOKLYN ROASTING COMPANY」のコーヒーが楽しめます。海を眺めながら座るテーブルに、おいしいパンと上質のコーヒーを頭に描いたらこんなお店になった、いいとこどりが楽しめるサードプレイスです。

「&Swell」は赤れんが側1階海側

入り口付近にはカフェカウンターとパン売り場、セレクトショップがある

奥の海側には、テーブルとカウンター、そして電源つき階段状の椅子が。コーヒーを飲みながらラフにくつろげる


薔薇やヨーグルトなどから起こした天然酵母のパンは大阪発の「R Baker」から。ユニークでわかりやすいネーミングの中には、お茶碗約四分の三杯分の糖質バゲットオフや乳酸発酵ブランなど、健康を意識した人にぐっとくるものや、フランス産バターの薔薇クロワッサンなど、女性の心をきゅっと掴むものがたくさん。大阪で人気のもちもち食感の食パンをはじめ、国産小麦を使った風味のよいハード系も一度味わう価値ありですよ。

全粒粉などを混ぜ込み低糖質に仕上げたバゲット「お茶碗約四分の三杯分の糖質バゲットオフ」

旨みの強い「長野県産全粒粉ゆめかおり100%ブレッド」

「フランス産バターの薔薇クロワッサン」にはエディブルフラワーの赤いミニ薔薇がのっている


ちょっとしたギフトや自分用に、マストブラザーズのチョコレートやヘルスコンシャスなドリンク、調味料などを扱う、いわば感度の高いセレクトショップでもあります。

パッケージがおしゃれなニューヨーク発 Bean to Bar、話題のマストブラザーズのチョコレート

ハリウッドセレブ御用達のコンブチャなど、ヘルスコンシャスな飲料や調味料も


コーヒーは、数種類ある豆の中から日替わりで味の違いを楽しめるのもうれしい。都会の中の海を感じに、ふらりと立ち寄りたくなるお店です。


次に紹介するのはカジュアルハワイアンダイニング「KAKA'AKO DINING & CAFÉ(カカアコ ダイニング & カフェ)」と「KAMEHAMEHA BAKERY YOKOHAMA(カメハメハベーカリーヨコハマ)」。

看板もダブルネームのKAKA'AKO DINING & CAFÉとKAMEHAMEHA BAKERY YOKOHAMA


目玉焼きを添えたハンバーグ〜ロコモコプレートなど、ハワイのロコフードを壁面アートやグリーンに囲まれた空間で楽しめる「KAKA'AKO DINING & CAFÉ」。そこに鮮やかな紫色の断面が気になるマラサダ“ポイ・グレーズド”が人気のホノルル発人気ベーカリー「KAMEHAMEHA BAKERY」が併設されています。店内で作りたてのマラサダやバナナブレッドが買えるだけでなく、カフェでドリンクと一緒にいただくことができます。

KAMEHAMEHA BAKERY YOKOHAMAのラインナップ。一番人気のもっちりふわふわなポイ・グレーズドやストロベリードーナツ、バナナブレッドなど

ハワイで定番のプレートランチなどをKAKA'AKO DINING & CAFÉ流にアレンジ


さらにハワイの空気感を盛り上げるオリジナルメニューも充実。ポイ(タロイモ)を生地に練りこみ、うっすら紫色に焼いたパンで作ったKAKA'AKO ローストビーフサンドは見た目もダイナミック。ラズベリー風味の泡ソースがかかったマウナラニパンケーキは、しっとり高さのある生地と真っ白なココナツ風味のハウピアクリームがトロピカル気分にさせてくれます。

パンの紫色はポイを練りこんであるから。ボリューム満点のKAKA'AKO ローストビーフサンド

ラズベリー風味の赤い泡ソースがとろり動くさまはインパクト大。マウナラニパンケーキ


店名のKAKA'AKOとは、ハワイで注目の再開発エリア「カカアコ」から。もともと倉庫街だったところにクリエイターが集まり、倉庫の壁面にアートを描いたり アートとミュージックが融合したイベント開催などの活気から“第2のワイキキ”になると言われているエリア。そんなハワイの今を五感で感じられる空間にプチトリップしてはいかが!?

店内にはカカアコの町をイメージした壁画アートやミュージックDJブースが仕掛られ“フード×アート×ミュージック”の空間となっている



3軒目は「Pie Holic(パイホリック)」。店名が示す通りパイに特化したお店です。目指したのはカリフォルニアスタイルの‘パイの百貨店’。数えきれないパイ専門店が存在するアメリカ西海岸においてパイはソウルフード。セイボリー系からスイーツ系まで、食材や調理法にとらわれない自由な発想で人々の胃袋と心を満たす憩いの場。それらにインスピレーションを受け、Pie Holicではお肉系、シーフード系、野菜系、その他に4分類され各5種類、計20種類以上のパイのバリエーションがメニューにオンリスト。ひとくちにパイと言っても、全てをパイで包み込んだビーフミートパイのようなもの、キッシュのようにタルトスタイルのもの、さらには中身の入った鍋ごとパイ生地で覆ったポットタイプまであって、写真付きのメニューを眺めているだけで楽しく迷ってしまいます。

Pie Holic入り口

入り口右手にはパイとドリンクなどのテイクアウトスタンドがある

好きなものをみなで分け合うディナータイムのイメージテーブル。魚の頭と尾が飛び出しているのはブイヤーベースのポットパイ


全種制覇のパイホリックになるためには、ランチがおすすめ。セイボリーパイ20種類の中から日替わりで6種類が登場し、オーブンで焼きあがったパイを好きなだけ食べることができるランチセットがあります。このランチ、パイの他にサラダかスープ、肉魚などのメインディッシュも付くのだからボリューム満点。デザートやドリンクはオプション組み立てできるので、パイを存分堪能できます。11時から17時までがランチタイムなのもありがたい。

ランチに登場するセイボリーパイの数々…グリーンマスタード、アボカド、インゲン、セルバチコなどグリーンをふんだんに盛った'グリーンピザパイ'

ラム肉、マッシュポテト、チーズをパイにのせたシェパーズパイ

ケールとレンズマメのパイキッシュ

スイーツパイメニューから。LAのパイ屋さん定番、クランブルがさくさくなダッチアップルパイ

デザートパイメニューから。ヘーゼルナッツ風味のチョコレートスプレッドとバナナを合わせたヌテラ バナナパイ


ドリンクメニューでも西海岸の伝統とトレンドが味わえます。シナモンと八角香るホットアップルサイダーや、ミントの清涼感をミルク入りアイスコーヒーに加えたアメリカ発祥のモヒートコーヒーなど、パイともぴったりなオリジナルドリンクが多数。これはお家でも真似したくなりますよ。
メニュー選びから持ち帰りまで、ワクワク感がとまらない「プレミアムな日常」を体感してはいかが。

最後にプチ情報。カリフォルニアスタイルのライフスタイルセレクトショップ「COMMUNITY MILL(コミュニティミル)」にあるドリンクスタンド「SODA BAR」で、パナデリアパン教室でお世話になった「ブラフベーカリー」栄徳シェフのコーンブレッドやお菓子が販売されています。コーンの甘さと粒粒感を存分に楽しめる栄徳シェフならではのアメリカンなコーンブレッド、ぜひチェックしてみてください。

「Urban California Life」を提案するCOMMUNITY MILLのドリンクスタンド「SODA BAR」では、ブラフベーカリーのコーンブレッドやお菓子が買える



ここに紹介した施設の詳細はサイトを覧ください。

MARINE & WALK YOKOHAMA サイト
 http://www.marineandwalk.jp/




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