取材・文 佐々木 千恵美  


今年150周年を迎えた松屋が、60年代から力を入れてきた北欧デザインと文化の発信にさらに注力すべく、ムーミンプロジェクトを立ち上げました。
グループ会社であるスキャンデックスが、フィンランド生まれで世界的人気キャラクター「ムーミン」のグローバルライセンス契約をムーミンキャラクターズ社と締結。キャラクターのかわいらしさだけではなく、アート性を大切にし、原作の世界観に共感できるようなもので発信をするというコンセプトのもと、国内外のトップブランドとのコラボレーションを企画していくとのこと。
その第一弾が12月6日販売開始の「ブルガリ イル・チョコラート ムーミンエディション」です。

イタリアのハイジュエリーブランド「ブルガリ」が手がけるチョコレート「ブルガリ イル・チョコラート」初のキャラクターチョコレートとして、松屋銀座地下1階にて販売の限定品です。一部商品はブルガリ銀座タワー10階でも販売。(全て数量限定)

販売に先立ち、ブルガリ銀座タワー8階「プライベート・ルーム」にてプレス発表会が行われました。

ムーミンプロジェクト第一弾発表会は11月25日に行われ多くの関係者で賑わった。


松屋 取締役専務執行役員でスキャンデックス顧問の古屋毅彦氏は、今回のプロジェクトについて、「ムーミンのキャラクターや雰囲気はみなさんご存じだと思いますが、我々はもっともっとムーミンの世界観を伝えたいし理解していただきたい。ムーミンのアート&カルチャーでスペシャルなものを作っていきたいという想いで、グローバルライセンスを締結した。」と語ってくれました。

古屋毅彦氏。「松屋は11月3日に150周年を迎えることができた。記念すべき年にすばらしいプロジェクト、新しいことにチャレンジできることは幸せだ。」

商品の企画、プロデュース、デザインを担当するクリエイティブディレクターの佐藤夏生氏のコメント。「ムーミンは挿絵から生まれたアート。世界中の人に愛されているムーミンを、純粋にアートとして丁寧にこだわってつくりました。わくわくしすぎて食べるのが勿体ない、そんな新しい美味しさを届けられたらと思っています。」


また、来日したムーミンキャラクターズ社 社長 ロレフ・クラクストロム氏からは、「ここに至るまで実は2年もの月日を擁しましたが、お互いが同じ方向を向いていることを出会ってからすぐに理解し、協議を重ねて参りました。松屋は今年150周年、ムーミンキャラクターズは来年75周年、ブルガリは1884年創業からずっとトップを走り続けています。伝統に関しての理解は重要ですが勇気がないと新しいことはできません。このコラボレーションは、今後すばらしい事例となっていくと思います。」とのご挨拶がありました。


ロレフ・クラクストロム氏。「フィンランドの独立記念日にあたる12月6日が発売開始日であることはとても誇り。」とうれしそうに語った。


ムーミンという深い物語を伝えていく、ムーミンをちゃんと理解して物を作っていきたいという想いから、バイヤー、取引先、協力してくださるみなさんに対しては横川浩子さんというアドバイザーを立てました。今回チョコレートの開発をしたブルガリ イル・チョコラート メートルショコラティエ齋藤香南子氏にも、そのアドバイスは活かされているようです。

齋藤氏からフレーバーの説明とコメントをいただきました。

「全10種柄のキャラクターの性格や好きな物から8種類のフレーバーを選びました。そのうち4種類が新しいフレーバーです。ブルガリ イル・チョコラートはイタリアと日本の素材を使うことが多いなか、今回初めて使用した素材もあります。」


齋藤香南子氏。「物語から連想するフレーバー作りだが、フィンランドをイメージする素材としてはコーヒーを使いました。」


ムーミンの物語の世界観を表現したフレーバーは以下の通りとなります。


ムーミントロール1(12月6日発売)
ムーミントロール2(12月26日発売)
 「バナナ」 初登場フレーバー

「ムーミンはやさしい男の子という性格。みんなに愛される共通点からバナナをフレーバーに。バナナと相性がいいほろ苦いキャラメルのミルクチョコレートガナッシュにラムを合わせすっきりした仕上がりに。」(齋藤氏)

ラムがフワッと香るちょっと大人のバナナチョコレートはビターチョコレートのコーティング。好きな事に夢中な子供の頃を思い出す、思わず笑顔になる一粒です。


スナフキン(12月6日発売)
 「スモーキーラズベリー」 初登場フレーバー

「スナフキンは、物語の中で森の子供たちからプレゼントされた‘日曜日に吸う木苺の葉っぱ’をハイプで吸うシーンがあり、そこからインスピレーションを得ました。スモーキーな香りのジャワ産とブラジル産2種類のチョコレートにラズベリーピューレを入れて甘酸っぱいガナッシュチョコレートに仕上げました。」(齋藤氏)

甘酸っぱさとスモーキーなガナッシュもミルクチョコレートコーティングでマイルドに。ラズベリーの葉っぱもこんな吸い心地なのかしら。


ムーミンパパ(12月26日発売)
 「コーヒーブランデー」 初登場フレーバー

「ムーミンパパは冒険家でダンディなイメージなのでブランデーかなと思ったこと、フィンランドといえばコーヒー消費大国ということで二つを合わせました。」(齋藤氏)

コーヒー豆で香りをつけた生クリームをたっぷり入れたブランデー入りホワイトチョコレートガナッシュにブラックチョコレートのコーティング。色のコントラストも黒のシルクハットのムーミンパパ像ですね。


ちびのミイ(12月26日発売)
 「山椒&アーモンド」 初登場フレーバー

「キャラクターの中でミイが大好きです。いたずらっこで怖いもの知らずという女の子ミイには、初めて取り入れた素材の山椒でピリッとスパイシーに。いたずらっぽさをキャラメリゼしたアーモンド、ごまのプラリネでサクサク感を。香りと刺激を楽しめるようにしました。」(齋藤氏)

小さないたずらっ子が口の中で動き出す。山椒の柑橘系の香りとプラリネの食感の組み合わせに驚き!



他のキャラクターには、ブルガリ イル チョコラートの定番からぴったりのフレーバー4種類を合わせました。


スノークのおじょうさん(12月6日発売)
ムーミンママ(12月26日発売)
 「ラベンダー&ソルト」

「ムーミン谷の夏まつり」で花を摘むシーンのあるスノークのおじょうさんと、植物好きなムーミンママにはラベンダーのビターチョコレートガナッシュと塩のミルクチョコレートガナッシュの2層仕立てをビターチョコレートでコーティング。塩がほんのり後味に香ります。


スニフ(12月6日発売)
 「ヘーゼルナッツ&コーヒー」

キラキラしたものが大好きで少し子供っぽいスニフには、子供から大人まで大好きなヘーゼルナッツたっぷりのジャンドゥーヤとコーヒーのミルクチョコレートガナッシュの2層をミルクチョコレートでコーティング。ザクザク感とミルクの優しい甘さにほっとします。


おしゃまさん(12月6日発売)
 「リコッタチーズ&ドライフルーツ」

「ムーミン谷の冬」に登場するおしゃまさんはイタリアの冬の夜を連想させるチョコレート。砂糖漬けレモンとオレンジピール、レーズンなどのフルーツとリコッタチーズのホワイトチョコレートガナッシュをホワイトチョコレートでコーティング。
ミルキーでフルーティー、冬の香りの柑橘の余韻が印象的です。


ミムラねえさん(12月26日発売)
 「バルサミコフィグ」

穏やかでロマンチストでおしゃれなミムラねえさんには、ブランド誕生の2007年から変わらぬレシピのブルガリ イル・チョコラートを代表するフレーバー(※今秋から通常販売はお休み)。まろやかな酸味ととろりとした甘みが特徴の25年物のヴィンテージバルサミコとセミドライイチジクのプチプチ感は一度食べたら虜に。


第一弾 
 発売日 12月6日(金)〜12月25日(水)
第二弾
発売日 12月26日(木)〜2月14日(金)

「ブルガリ イル・チョコラート ムーミンエディション」
・2個入 税込3,500円(ムーミンキャラクター1種類とチョコレート・ジェムズ「ピスタチオ」のセット)
・5個入 税込6,500円(ムーミンキャラクター5種類のセット)
 いずれも数量限定につき無くなり次第終了。


クリスマス明けにはムーミンプロジェクト第二弾としてピエール・エルメ、デメル、日本のとらや、松ア煎餅、銀座清月堂といった様々なブランドとのコラボ商品企画が順次発売されるそうです。ありそうでなかったムーミンキャラクターと高級ブランド、百貨店とのコラボ企画は聞いているだけでわくわくします。今までふれることのなかった方たちにも影響力はあるように予想します。チョコレートを食べてムーミンの本を読んでみようと思うかもしれません。
世界中の人が集まる日本で、銀座の百貨店のデパ地下で、ムーミンのアート&カルチャーが羽ばたく姿を見られる日もすぐです。


「これをきっかけにムーミンとその世界観を、もっともっと日本中の人に知ってもらいたいし、世界中の人に伝えていきたい。銀座から発信しながら世界にはばたいていけるようなプロジェクトにしたいと思っているのでぜひ応援していただきたい。」



販売期間、店舗など詳細は下記サイト等でご確認ください。


松屋銀座
 http://www.matsuya.com/m_ginza/

ブルガリ イル・チョコラート
 BVLGARIのWEBサイト
 https://www.bulgari.com/ja-jp/



panaderia topへ戻る